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笹の花言葉/松竹梅の竹の代用品のほっこりめでたい花言葉

Written by すずき大和

笹(ササ)といえば、日本では七夕飾りに欠かせない植物です。七夕伝説はもともと中国から伝わったものですが、笹飾りや短冊のお願い事は日本独自に発展した風習です。

植物学では笹は竹と同じ仲間とされていますが、中国原産種が主流の竹に対して、笹はほとんどが日本原産です。地域の環境に順応して変異しやすい特徴があり、地域ごとに多くの種類に分化しています。

日本は“笹大国”といってもいいでしょう。海外でも笹は「Sasa」と呼ばれ、ササ属の学名も「Sasa」です。西洋では、竹が中国を象徴する植物と見られているのに対し、

“笹=日本文化”

というイメージが持たれています。



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もくじ

笹の花言葉

笹全般の花言葉

『ささやかな幸せ』

笹ってどんな花?

花ではなく葉言葉?

笹は、英語では、別名「Bamboo grass バンブー・グラス」と呼ばれます。

直訳すれば“竹の草”です。

広義の竹は、イネ科タケ亜科の中で、茎に節があって木質化している複数の属の総称です。その多くの属を生態特徴別に「笹」「竹」「バンブー」の3グループに分けています。

実際には、東洋でも西洋でも、

  • 「竹」:「稈(カン)」(木質化した茎)が比較的太くて高く伸びるもの
  • 「笹」:細くて背が低く、枝葉が多いもの

という風に、見た目で2分して呼んでいるのが一般的です。大きい笹と小さい竹の境界線はアンニュイですが、笹はどちらかというと“葉っぱ”の印象がメインです。

七夕飾り用は小さめの竹くらいの背丈ですが、やはり枝葉がたくさん出ています。「笹原(ささはら)」と呼ばれる群生風景は、腰丈より低い“下草”のイメージなので“竹の草”と呼ばれるのもうなづけます。

竹と笹のイメージをイラストで表すとこんな違いでしょうか。

竹イラスト
笹イラスト

笹の花言葉も、実は「花」ではなく、この「笹の葉」が象徴する全体の姿につけられています。

笹の花についてはよくわかっていない

実は、竹の仲間は、非常に長い周期で開花のサイクルが訪れます。だいたい60~120年に1度、2、3年続けて地域一帯の同種が一斉に花を咲かせ、その後多くの種は一斉に枯れてしまう、という他の植物には見られない不思議な特徴があります。

竹については、品種によりどれくらい周期かだいたいわかっているものが多いのですが、笹については、どのくらいの周期か、花期はいつごろか、よくわかっていない品種がほとんどです。

前述の通り、笹は環境によって変種しやすく、地域ごとに自然に分化され広まっていったので、すべての品種の花の特徴を十分観察しきれていないのです。

ちなみに、見た目は背丈があるので「スズタケ」と呼ばれていますが、学問的には笹に分類される在来種が、2016年に愛知県で一斉開花しているのが発見され、ニュースになりました。

スズタケの花


イネ科植物だけど草じゃない!?

スズタケの花を見て、田んぼの近くで暮らしたことがある人は、イネの花に似ていることに気付くかもしれません。

イネの花ってこんなやつです。

イネの花


竹や笹の仲間は、イネ科に属しているので、花の特徴も似ているのです。

多くは地下茎が伸びて増えていきます。一斉に花が咲いて枯れるのは、群生している個体はすべてクローンだからです。

増殖の仕方は多年草のようですが、茎が木質化して、何十年も生きるなど、草として分類するには特異な特徴も多く、状況によって木に分類されているケースもたくさんあります。木か草か?という問題は、専門家でも意見が割れているところです。

花言葉の由来

おめでたい飾り松竹梅

日本では、真冬に青々と葉をつける「松」と「竹」、雪の中でも凛として花咲かせる「梅」は、生命力の象徴であり、新春の祝いには欠かせない、慶事や吉祥のシンボルになっています。

もともとは、中国の冬の代表的な画題であり、

「歳寒三友(さんかんのさんゆう)」

と呼ばれていました。古代にいろいろな中国文化と共に日本に伝わり、縁起物になっていったようです。

小さな竹

門松のように、大きな飾り物には竹の稈(かん)が使われますが、小さな飾りや鉢の寄せ植えなどにアレンジする時は、枝葉を使うことが多く、竹の葉より色合いや大きさ、模様のバラエティが豊富な笹の葉が、昔から多く代用されてきました。

竹より小ぶりで、おめでたい「松竹梅」の竹の代わりに使われたことから

『ささやかな幸せ』

という、奥ゆかしいながらおめでたい雰囲気の花言葉が付きました。

代用ではない本物の竹も、竹の花ではなく竹そのものに花言葉が付いていますが、

『節度』
『節操のある』

という、あんまり祝賀雰囲気のある花言葉ではありません。縁起物の花言葉としては、笹のほうが、なんとなくほっこりして相応しい感じがします。

笹の基本データ

分類: イネ科タケ亜科ササ属ほか
学名: ササ属 Sasa ササ
    メダケ属 Pleioblastus プリオラッツ
    スズタケ属 Sasamorpha ササモルファ
    ヤダケ属 Pseudosasa プシュードササ  ほか
和名: 笹(ササ)、竹(タケ)
英名: Sasa,Bamboo grass
開花時期: 不定期
花色: 白、黄緑、褐色など
草丈: 15cm~3mくらい ※品種によっていろいろ
原産地: 主に日本、ほか東アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。