日本では、江戸時代の頃から、1月7日に「七草がゆ」を食べる習慣があります。
おかゆに入れるのは「春の七草」。季節の花々が並ぶ秋の七草と違い、おかゆのほうは、庶民に身近な代表的冬野菜と、どこにでも生えていた食べられる野草です。
- 野草:セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ
- 冬野菜:スズナ(大根)、スズシロ(かぶ)
21世紀の現在、東京などの都市部では、野草を5種全部自力で見付けるのは難しくなりました。それでも、ナズナ(ぺんぺん草)やハコベは、河川敷や駐車場の隙間など、雑草が生い茂りやすい場所で、今でも比較的よく見られます。
ハコベは、兎や小鳥の餌として、今でも野草摘みされることがよくあります。黄緑色の柔らかい葉っぱは、昔から野鳥や家畜が好んで食べました。花名や花言葉も、そんなところに由来しています。
もくじ
ハコベの花言葉
ハコベ全般の花言葉
『ランデブー』
『密会』
『愛らしさ』
『初恋の思い出』
『追想』
西洋の花言葉
『rendezvous(ランデブー)』(英)
『I cling to thee(あなたを離さない)』(英)
『Will you meet me?(今度逢わない?)』(英)
『rendez-vous(ランデブー)』(仏)
『welkom(ようこそ)』(蘭)
ハコベってどんな花?
ハコベは世界中に広まった雑草
ハコベ属の草は、世界中に分布する雑草です。120品種ほどあり、日本では帰化種も含めて20種弱見られます。
一般的にハコベと呼ばれているのは、
「Stellaria media ステラリア・メディア」
という品種です。和名は「小繁縷(コハコベ)」といいます。
もとは東アジアやインドが原産といわれていますが、先史時代から古代には全世界に広まって帰化していたようです。英語でも
「common chickweed(一般的なハコベ)」
と呼ばれ、西洋全体でも標準的な品種となっています。
5弁の星型の花
学名「Stellaria ステラリア」は、ラテン語の「stella ステラ(星)」からきています。5弁の花びらの小さな白い花がたくさん咲く姿が、星を散りばめたように見えたところから付いた名称です。
コハコベの写真は、花びらが10枚に見えますが、実はひとつの花びらが付け根近くまで2枚に裂けているのです。日本の在来種のミドリハコベは、裂け目が花びらの先のほうで止まっているので、5弁なのがよく分かります。
この裂けた花びらは、多くのハコベ属に見られます。日本で絶滅危惧種になっているエゾオオヤマハコベは、裂け目がたくさんでナデシコのようにも見えますが、元の花びらはやはり5弁です。
花言葉の由来
ヒヨコグサ、ニワトリグサ
英名「Chickweed」は、「ニワトリの草」という意味です。ハコベの周りに、放し飼いの鶏やヒヨコがよく集まることから、そう呼ばれるようになりました。日本でも、ハコベには
「雛草(ヒヨコグサ)」
「雀草(スズメグサ)」
の別名があります。
『ランデブー』
『rendezvous(ランデブー)』(英)
『rendez-vous(ランデブー)』(仏)
これは、
“集まる・集合する”
“(約束して)逢う”
“待ち合わせ”
という意味の英語・フランス語です。宇宙船がドッキングする時なども日本語では「ランデブー」と普通に使っているので、そのまま日本語の花言葉にもなっています。
『密会』
『welkom(ようこそ)』(蘭)
これも、集会のイメージから生まれた花言葉です。
逢瀬の印
親しい者が逢う約束をする、といえば、真っ先にデートの約束が連想されます。そういう意味が示唆される花言葉も付いています。
『I cling to thee(あなたを離さない)』(英)
『Will you meet me?(今度逢わない?)』(英)
『初恋の思い出』
『追想』
英語では、デートのお誘い、というか口説き文句のメッセージになっています。が、日本語では、デートのイメージは現在進行形ではなく、過去の思い出のようです。なんだか国民性というか、お国柄の文化を表しているようです。
「デートなんて、若かりし頃の遠い思い出に過ぎない・・・」
なんていわず、日本人の皆さんも、中高年になっても、町のデートスポットで熱くランデブーしましょう。あ、もちろん長年連れ添うお連れ合いの方とですよ。
分類: ナデシコ科ハコベ属
学名: Stellaria ステラリア(属名)
和名: 繁縷(ハコベ、ハコベラ)
別名: 雛草(ヒヨコグサ)
雀草(スズメグサ)
朝白げ(アサシラゲ)
日出草(ニッシュウソウ)
英名: Chickweed,Starwort,Stitchwort
開花時期: 3~9月 春~夏の花
花色: 白、緑色
草丈: 10~20cm 一年草・多年草
原産地: 寒帯から熱帯まで、世界中に広く生息