春の花の花言葉

ホトケノザの花言葉/七草は黄花、紫の花のは食べちゃだめ!

Written by すずき大和

ホトケノザは、大陸から渡ってきて帰化した雑草です。

春暖かくなる頃、空き地や河川敷など、日当たりがよく、たくさんの雑草が生い茂るような場所で、背の高い他の雑草に交じって、ちらちらと紫色の小さな花を覗かせています。

花の下に段々に、蓮の葉のような形に葉が付きます。まさに仏様の座る蓮華座のように見えるので「仏の座」の名が付きました。

が、実はホトケノザという俗称がある花は、もうひとつあります。

こちらは在来種の田んぼに咲く雑草です。やはり春の時季に小さな黄色い花を咲かせます。地面から放射状(ロゼット状)にギザギザの葉を広げます。ぱっと見タンポポを小さくしたような草です。田んぼに平らに広がって繁殖するので

「田平子(タビラコ)」

という名が付きました。が、途中で名前が変わり、今は

「小鬼田平子(コオニタビラコ)」

と呼ばれています。

「春の七草」に入っているホトケノザは、こちらのほうです。



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ホトケノザの花言葉

ホトケノザ全般の花言葉

『調和』
『輝く心』
『小さな幸せ』

コオニタビラコの花言葉

『調和』
『秘かな楽しみ』
『仲間と一緒に』
『気持ちが優しい』

ホトケノザってどんな花?

ふたつのホトケノザ

一般的にホトケノザと呼ばれている紫の花の品種は、シソ科オドリコソウ属の一年草です。

ホトケノザ花


先にホトケノザと呼ばれていたのは、在来種のほうだったようです。こちらはキク科ヤブタビラコ属の二年草です。地面に広がるロゼット葉も、確かに座布団のようですが、シソ科のホトケノザのほうが、なんとなくそれらしく見えます。「仏の座」の名が取って代わられたのは、まあ納得な感じです。

キク科のほうは、地面に生えている所の写真はありませんが、スーパーで売っている「春の七草セット」に入っていたのは、こんな葉っぱです。

七草ホトケノザ


そして、春にはこんな黄色い花が咲きます。

コオニタビラコ


混乱する情報と花言葉

花の呼称はとっくに変わっていましたが、春の七草については、中世の書にあった

「芹、なづな、御行、はくべら、仏座、すずな、すずしろ、これぞ七種」

という言葉がずっといい伝えられました。

そのため、今もホトケノザについてのネット記事の中には、「キク科オドリコソウ属」など、ふたつの品種を混同して紹介する情報もあり、シソ科のホトケノザを食べてしまう人もたまにいるようです。ちなみにシソ科のほうは、毒はありませんが、不味いので食用には向きません。

そして、花言葉も、一部混ざって広まってしまったようです。

花言葉の由来

蓮華座のイメージ

『輝く心』

は、仏様の悟りの心をイメージした花言葉です。

『小さな幸せ』

は、信心して心の安泰を得ることを示唆しています。

田んぼの雑草

『調和』
『仲間と一緒に』

タビラコは、湿地を好み、田んぼや田のあぜ道に咲く雑草でした。乾いた土には生えないので、田んぼの外に広がって繁殖することはなく、雑草なのにやっかいな浸食種になりませんでした。周囲とのバランスを取りながらはびこるお行儀のよい生態と受け止められ、こんな花言葉になりました。

シソ科のホトケノザにも『調和』の花言葉があります。“仏の悟りの心を表す”みたいな解説もありますが、タビラコの花言葉が誤用され、定着したものと見られます。

美味しいおかず

『秘かな楽しみ』
『気持ちが優しい』

タビラコは葉茎がとても柔らかく、七草がゆの時だけでなく、若葉はお浸しなどにして日常的に食べられていたようです。柔らかくて年寄りも食べやすく、早春の寒い時期のごちそうだったことから、こんな花言葉になりました。

名称に翻弄されるタビラコ

オニタビラコとタビラコ

稲作に農薬が使われる時代となり、田んぼの雑草は一掃され、今では自生のタビラコは滅多に見られなくなりました。

そのうち、道端で繁殖する全く別の雑草(キュウリグサ)が「タビラコ」と呼ばれようになりました。

また、道端や野原に生える、タビラコと見た目がよく似たキク科の別種の雑草がありました。こちらは大きく広がって繁殖するので

「鬼田平子(オニタビラコ)」

と呼ばれています。

本来のタビラコが人々の記憶から忘れられた頃、たまたま見つけた人が、小型のオニタビラコだと思って

「小鬼田平子(コオニタビラコ)」

と呼びました。結局、キュウリグサと紛らわしいこともあり、そちらの名称が広まって、正式名称化してしまいました。

タビラコの大型がオニタビラコで、
オニタビラコの小型はコオニタビラコ、

という、矛盾しているのかいないのか、よくわからない反復ですが、要するに

  • タビラコ=コオニタビラコ≠オニタビラコ
  • タビラコ(キュリグサ)≠タビラコ(ホトケノザ)

という、ややこしい名称別けになっているわけです。

ホトケノザ違いで間違われることも多いのに、存在感が不安定になっているような、なんとなく不憫な花です。

ホトケノザの基本データ

分類: シソ科オドリコソウ属
学名: Lamium amplexicaule ラミウム・アンプリキシカル
和名: 仏の座(ホトケノザ)
別名: 三階草(サンガイグサ)
英名: Henbit, Henbit deadnettle
開花時期: 3~6月 春~初夏の花
花色: 紫、白
草丈: 10~30cm 一年草
原産地: ユーラシア大陸温帯地域

コオニタビラコの基本データ

分類: キク科ヤブタビラコ属
学名: Lapsana apogonoides ラプサナ・アポゴノイデス
和名: 小鬼田平子(コオニタビラコ)
別名: 田平子(たびらこ)、仏の座(ホトケノザ)
英名: Nipplewort
開花時期: 3~5月 春の花
花色: 黄
草丈: 5~10cm 越年草(二年草)
原産地: 日本、中国、朝鮮半島


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。