冬の花の花言葉

オドントグロッサムの花言葉/星型に咲く特別な花

Written by すずき大和

「オドントグロッサム」とは、あまり耳慣れない花名ですが、冬場によく出回る西洋蘭の仲間です。先のシャープな花弁が大きく広がる様に咲き、星型のように見えるので、

「彗星蘭(すいせいらん)」

という和名で呼ばれることも多いです。

ヨーロッパでは19世紀に流行し、多くの改良種も作られ、広く愛されてきました。色も形も幅広く、地味な茶色っぽい花から目の覚めるような鮮やかな花色のもの、胡蝶蘭のようにしな垂れる形に咲くものなど、見た目の印象もいろいろです。

ラン科の花の多くは、とても自己主張の強い、個性的でインパクトあるビジュアルをしていますが、この蘭もなかなか個性的です。



スポンサーリンク

もくじ

オドントグロッサムの花言葉

オドントグロッサム全般の花言葉

『特別な存在』

オドントグロッサムってどんな花?

暑さにも寒さにも弱い高地の蘭

蘭の仲間のほとんどは、熱帯地域原産なので、暑さには比較的強いものが多いのですが、オドントグロッサムは、南米アンデス山脈の高地原産です。野生種は今も中南米の標高が高い土地に分布しています。

標高の高い寒冷地に咲く蘭なので、暑さに弱く、また氷が張るような厳しい冬の寒さにも弱いのです。多年草ですが、日本の夏の蒸し暑さを乗り越えるのは難しく、明治期に伝わっていたものの、長い間一般には広まっていませんでした。

爽やかな暑さの夏のヨーロッパでは、19世紀初めにアメリカ大陸から伝わると、すぐに園芸種として広まり、育種も進んで品種もだいぶ増えました。21世紀現在では、世界中に100種以上あるといわれています。

近い品種との属間交配によるハイブリット種もたくさん生まれました。多品種との交配により、暑さや寒さにも強い品種が作られるようになったため、ようやく戦後になってから、日本でも徐々に流通量が増え、最近は人気の品種のひとつとなりました。

今、日本で流通しているものの多くは、ハイブリット改良種です。

歯と斑紋

学名:Odontoglossum(オドントグロッサム)

の名前の由来は、ギリシャ語の

「odon(歯)」「glossa(舌)」

が語源です。唇弁(一番下にある花弁)の元のところに歯のようなギザギザの突起があることにちなみます。

花弁の形は丸いもの、針葉樹の歯のように細長いもの、品種によってかなり異なりますが、一様に花びらの先端はつんとしています。純白から地味な色、派手な色と豊富ですが、多くの品種が、大なり小なり不規則な形の斑紋が花弁に入っています。

近種の蘭「オンシジューム」と、花の付き方や樹形が似ているといわれることもあります。オンシジュームと交配したオドントグロッサムの中には、花の形も良く似ているものもあります。

  • 星型の花
  • 唇弁のギザギザの突起
  • 不規則な斑紋

の3つの特徴が際立っている品種は、すぐに区別がつきます。

オドントグロッサム

オドントグロッサム斑紋柄



(Photo:Dick Culbert)

オンシジューム

オンシジューム


花言葉の由来

特別な蘭

蘭は、どの種類も花弁などの特徴が独特です。見分け方を知っている人には区別がつけ易いのですが、あまり興味なく、蘭はカトレアもデンドロビウムもシンビジュームも・・・

「みんなおんなじに見えてよくわからない!?」

という人もいるでしょう。

そんな人でも、星型が明確で、まだらな斑紋が目立つオドントグロッサムは、比較的わかりやすい蘭かもしれません。その目立つ個性から

『特別な存在』

という花言葉がついた、といわれています。

夏越しのメンテナンスにとても気を遣う、暑さに弱い、という点も、蘭の中では際立つので、その辺も特別といえば特別です。

王家や貴族に愛された花

イギリスでは、ブームの19世紀には、特に貴族の間でとても好まれていました。その後もずっと王室ご用達の花であり、故ダイアナ妃の結婚式のブーケにも、純白のオドントグロッサムが使われていたそうです。

ダイアナ妃が結婚した当時は、日本でオドントグロッサムの流通が増え始めた時期と重なります。ロイヤルウエディングの花、という要素も『特別な存在』のイメージを想起させます。

オドントグロッサムの基本データ

分類: ラン科オドントグロッサム属
学名: Odontoglossum(属名)
和名: 彗星蘭(スイセイラン)
英名: Odontoglossum
開花時期: 12~4月 冬の花
花色: 白、ピンク、赤、紫、黄、茶、複色など
草丈: 30~70cm 多年草
生息地: 中央アメリカから南アメリカの標高の高い寒冷地
原産地: 南米アンデス山脈の高地


スポンサーリンク

あなたにオススメの花言葉&広告

筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。