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ハナカンザシの花言葉/紙の花?咲きながらのドライフラワー

Written by すずき大和

店頭で「花かんざし」「ハナカンザシ」の名で売られているのは、花の少ない冬の時季に鉢花としてよく出回っている多年草で、カモミールに似た白くて小さな花です。

花びらを触ると、カサカサと乾いていて、紙で作ったような感触がします。英名では

Paper daisy ペーパーデイジー

Paper Cascade ペーパーカスケード

と呼ばれています。

が、実は、植物学で正式に「花簪(ハナカンザシ)」という和名がつけられているのは、同じ仲間の別の品種で、こちらは白よりピンク色の花が一般的な一年草です。

そして、属名を英語読みした「ローダンセ」という花名で出回っているのは、これまた別の品種の一年草で、同じくピンク色です。

日本の花言葉サイトでは、3種とも同じ由来の同じ花言葉が被っています。



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もくじ

ハナカンザシの花言葉

ハナカンザシの花言葉

『思いやり』
『温順』
『明るい性格』
『同情からの愛』
『光輝』
『変わらぬ思い』
『伝わる気持ち』

ローダンセの花言葉

『変わらぬ思い』
『終わりのない友情』

ハナカンザシってどんな花?

オーストラリア固有種

ローダンテ属はもともとオーストラリア固有種でした。今は、園芸種が世界各地に伝わっていますが、野生種は今もオーストラリアやタスマニア地域に自生しています。

乾燥や寒さには強いですが、高温多湿に弱く、冬から春にかけて咲き(温室栽培は秋から冬)、夏の間は休眠します。日本の夏の高温多湿はオーストラリアよりきついので、戸外に植えられるガーデニングのハナカンザシは、夏を越せずに一年草扱いにされています。

ドライフラワーの定番

カサカサした花びらは、実は「総苞(そうほう)」という葉の変形したもので、本当の花は中央の黄色いところにあるたくさんの筒状のものです。

ハナカンザシ花


総苞は毎日夜になると閉じ、翌日また開く習性があります。葉なので花持ちが長く、色も保つため、ハナカンザシもローダンセも、切り花がドライフラワーにされることが多いです。

花名の由来

ハナカンザシは白花ですが、蕾は紅色がかっています。枝分かれした花茎の先端に丸い蕾がひとつ付きます。その姿がかんざしのように見えるので、

「花簪(ハナカンザシ)」

の名がつきました。

ハナカンザシ蕾


属名の「Rhodanthe ローダンテ」は、ギリシャ語の「rhodon(バラ)」と「anthos(花)」に由来します。これは、

  • ローダンセの花色がバラ色だったから
  • バラの木に変えられるローダンテという娘のギリシャ神話から

の2説があります。だったらバラのことをローダンテと呼べばいいのに、という素朴な疑問がわきますが・・・。

ローダンテ花


花言葉の由来

冬の妖精

寒くて花の少ないシーズンに、花径2cmくらいの小さな白い花をたくさんつけるハナカンザシ。冷たい風の中で揺れる姿を遠目に見ると、白い妖精が舞っているように見えます。

冬の妖精

というロマンチックな別名も付けられています。

『思いやり』
『温順』
『明るい性格』
『伝わる気持ち』

たくさんの妖精の姿は、冬の寒さの中で見る人の心を和ませます。これらの花言葉は、そんな“ほっこり”した気持ちを表したものです。

『光輝』

これは、白花が日差しに揺れて白銀色に輝く様子に由来します。

枯れない花

『変わらぬ思い』
『終わりのない友情』

本当の花(黄色い筒状花)は7日くらいで散りますが、総苞は2か月くらい開きます。そんな驚異的な花持ちの良さと、ドライフラワーにしてさえ色あせないところから生まれた花言葉です。

ギリシャ神話のローダンテ

『同情からの愛』

この花言葉の由来はよくわかりません。

ただ、前述のギリシャ神話のローダンテの話を聞くと、ちょっと同情したくなります。

“ ギリシャのコリントに「ローダンテ」という、美しく知性も高い娘がおりました。あまりにも多くの男性が彼女に求婚するので、ローダンテは困っていました。

ある時、特にしつこい3人に迫られて、ローダンテは太陽神アポロンの宮殿に隠れます。それでも3人は追ってきたので、ローダンテは思わず叫びます。
「宮殿を汚してはならぬ!」

男たちは声の方向にローダンテを見つけると、
「ローダンテこそ女神だ」
といって、彼女を神の台座に乗せようとしました。

そこへ、騒ぎを聞きつけたアポロンが来て、人間の分際で神の台座に乗っているローダンテに怒り、彼女をバラの木に変えてしまいます。そして3人の男たちは、毛虫や蜂に変えられてしまいました。”

しつこい男たちはともかく、ローダンテはかわいそうですね。もしかしたら、真相を知ったアポロンが、彼女に同情し、以後そのバラの花を愛でてくれたのかもしれません。

ハナカンザシの基本データ

分類: キク科ローダンテ属
学名: Rhodanthe anthemoides ローダンテ・アンテモイデス
和名: 花簪(ハナカンザシ)※通称。正式な花簪は別の花
別名: ヘリクリサム、冬の妖精
英名: Paper daisy
    Paper Cascade
    Chamomile Sunray
開花時期: 12~5月 冬~春の花
花色: 白
草丈: 10~30cm 多年草
原産地: オーストラリア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。