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プリムラの花言葉/極寒の季節に咲く青春のシンボルの花

Written by すずき大和

プリムラは、北半球に古くから自生しているサクラソウ属の学名です。

中世から育種が進み、現在は世界中に600種ほどの園芸種があります。

日本原産のサクラソウは、外来種と花期や花色などの外見の印象が異なるので、

  • 前者を「サクラソウ」
  • 後者を「プリムラ(西洋サクラソウ)」

と呼び分け、別物として扱っており、花言葉も別々です。

しかし、昔はプリムラが「サクラソウ」の名で売られていたので、今も50代以上の人はサクラソウと聞くとプリムラのことだと認識していることが多いです。

花言葉を調べると、互いの花言葉がごっちゃにされて紹介されている情報も数多く見かけます。

が、花言葉の由来はそれぞれの花期や花色などに基づくものが多いので、花言葉に込められた意味を気にする人は、情報の混同にご注意ください。



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もくじ

プリムラの花言葉

プリムラ全般の花言葉

『青春の始まりと悲しみ』
『青春の恋』
『うぬぼれ』
『可憐』
『神秘な心』
『運命を開く』

色別の花言葉

赤花の花言葉

『後援のない功績』
『美の秘密』

紫色の花言葉

『信頼』

種類別の花言葉

プリムラ・ジュリアン

『若き日の躍動と輝き』

プリムラ・ポリアンサ

『富の誇り』
『無言の愛』

プリムラ・マラコイデス

『素朴』
『気取らない愛』

プリムラ・オブコニカ

『しとやかな人』
『青春の美しさ』

プリムラ・シネンシス

『永遠の愛情』

プリムラ・オーリキュラ

『貪欲』

西洋(英語)の花言葉

『early youth(青春のはじめ)』
『young love(青春の恋)』
『I can’t live without you(あなたなしでは生きられない)』

プリムラってどんな花

花の特徴

日本のサクラソウは、花の形が桜に似ていることから名づけられました。プリムラも、品種により花の大きさや形、八重咲きなどの違いはあっても、総じて

“切れ込みのある花びら5枚”

という基本は共通しています。

花名のプリムラ(Primula)は、ラテン語の“最初の(primos)”が語源です。早春の花の中でも特に早咲きで、極寒の季節から咲き始めることにちなみます。

ポピュラーな品種

多種多様なプリムラですが、日本で出回っているのは5、6種類が主流です。

1,プリムラ・ジュリアン

外来のポリアンサを元に日本人が育種した品種です。草丈は小ぶりで、やや小型の花を付けます。黒以外全ての色が揃うといわれるほど花色が豊富です。日本で最も出回っているプリムラです。
タイトルの写真は、ジュリアンの寄せ植えです。

2,プリムラ・ポリアンサ

17世紀にイギリスで作られた品種で、ジュリアンと外観が似ています。ジュリアンよりも大型の花を付けます。一般にプリムラというと、ジュリアンとポリアンサを指すことが多いです。

ポリアンサ


3,プリムラ・マラコイデス

中国原産の種が西洋に渡り、更に品種改良された品種です。ポリアンサより背丈が高いですが、花は小型です。葉の裏に白い粉を付けるので「化粧桜」「乙女桜」とも呼ばれます。

マラコイデス


4,プリムラ・オブコニカ

花期が長く(12~4月)、別名「常盤桜(ときわざくら)」と呼ばれます。

オブコニカ


5,プリムラ・シネンシス

小型の花をたくさん付ける品種です。花色は白が一般的で、「雪桜」の別名を持ちます。

シネンシス


6,プリムラ・オーリキュラ

アルプスの高原に自生する種をベースに交配し、生まれた品種です。栽培が難しいといわれますが、独特の中央に白丸の見られる花模様は、根強い人気があります。

オーリキュラ


花言葉の由来

本格的な春がくる前に咲いて散る花

『後援のない功績』

は、極寒に向かう季節に花を咲かせることにちなみます。

『青春の始まりと悲しみ』
『青春の恋』
『若き日の躍動と輝き』

『青春の美しさ』
『青春のはじめ』

寒さ厳しい時季から咲き、すっかり暖かくなる春やそれに続く夏を待たずに散ることに由来します。早春の初々しい季節を若さ眩しい時代と重ねているのでしょうか。

『うぬぼれ』

は、若き日にありがちな“痛い”側面ですね。

長い冬シーズン咲き続ける

品種による時期の違いはありますが、初冬から早春まで絶えず複数の品種が咲いています。

特に花期の長い(10~4月)シネンシスは、冬中ずっと咲くので、

『永遠の愛情』

という花言葉を持っています。

本によっては、プリムラ全般の花言葉として紹介するものもあります。

その他の品種別の花言葉

1,ポリアンサ『富の誇り』

花色豊富に咲かせることが、“富”を連想させました。

2,マラコイデス『素朴』『気取らない愛』

花色が少なく、外観はシンプルな印象があります。

3,オブコニカ『しとやかな人』

花びらの淵が白く、ソフトで上品な印象です。

4,オーリキュラ『貪欲』

イギリスらしい格調高さを感じるといわれる花なのに、この花言葉なのは、産業革命の時代に生まれた社会の雰囲気を反映したのかもしれません。

ギリシャ神話に勝った?

世界中の園芸家に愛されてきた花ですが、ギリシャ神話では、恋人が亡くなったショックで憔悴し、死んでしまう哀れな青年の化身です。神話の世界では、プリムラは

“悲しみと死のシンボル”

になっています。が、花言葉には反映されていません。

ギリシャ神話に誕生秘話がある花は、それが由来の花言葉が付きやすいのですが、なぜかプリムラだけは例外だったようです。それだけ、古くから園芸種として根付き、愛されてきたということなのかもしれません。

プリムラの基本データ

分類: サクラソウ科サクラソウ属
学名: Primula プリムラ(属名)
和名: 桜草(全般)
    九輪桜(P. polyantha ポリアンサ)
    化粧桜、乙女桜(P. malacoides マラコイデス)
    常盤桜(P. obconica オブコニカ)
    雪桜(P. praenitens シネンシス)
英名: Primrose,Primula
開花時期: 12月~5月 冬~春の花
花色: 赤、紫、ピンク、白、黄、オレンジなど
草丈: 5~50cm
原産地: ヨーロッパ、アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。