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クレオメの花言葉/蝶のように舞い、蜘蛛のように捕まえる!?

Written by すずき大和

草丈が80~120㎝と、比較的大きく育つ一年草のクレオメは、他の花にはない独特のビジュアルをしています。

葉に覆われながらぐい~んと伸びた太目の茎の先端に、たくさんの花が固まって咲きます。ひとつひとつの花には、付け根が急に細くなる花びらが4枚あり、4本のおしべが長く飛び出しています。

世界の人々は、花姿をいろいろなものに例えた花名を付けました。

日本では
「風蝶草(フウチョウソウ)」
「西洋風蝶草」

中国では
「酔蝶花」

アジアの人には、たくさんの蝶が止まっているように見えたのでしょう。

イギリスでは
「Spider flower」(蜘蛛の花)

ドイツでも
「Spinnenblume」(蜘蛛の花)

オランダでは
「Kattensnor」(猫の髭)

西洋人には、おしべが蜘蛛の脚や猫の髭に見えたようです。

それでも、天に向かってまっすぐ伸びる姿は、インパクトがあってなかなか魅力的です。この世のものとは思えぬ存在感を感じたのか、

スウェーデンでは
「Paradisblomster」(楽園の花)

なんて呼ばれています。

日本の花言葉には、そんな花名に由来するものがいくつかあります。

西洋には、スペシャルな花らしい、ちょっと情熱的な花言葉がありました。



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もくじ

クレオメの花言葉

クレオメ全般の花言葉

『秘密のひととき』
『あなたの容姿に酔う』
『思ったより悪くない』
『小さな愛』

西洋の花言葉

『Elope with me(私を連れ去って)』(英)
『Emmène moi!(私を連れて行って!)』(仏)

クレオメってどんな花?

変化の速い一年草

クレオメの原産地は、南アメリカやアフリカの熱帯から温帯にかけてのエリアです。日本へは西洋経由で明治の初めに入ってきました。

夏から秋の初めまでの花期の間、ひとつひとつの花は1日で散ってしまいますが、毎日次から次へと新しい花が咲き続けます。散るとすぐに結実し、細長いさや状の実がなります。

一年草なので、春から夏までの茎の伸びもとても早く感じますが、花が散ってから実になるまでも早いので、秋には、同じ花に蕾と花と実が一緒に付いている様子が見られます。

また、花びらは蕾の時は色が濃く、咲くと淡い色調になり、時間とともにどんどん白っぽくなっていきます。1日で散りますが、花は花穂の下の方から順に咲き上るので、いつも上の方が色の濃いグラデーションになっています。

この変化の速さも、見ていて大変面白く魅力のあるところで、世界中で観賞用として楽しまれています。

花畑は人気観光スポット

さやは熟して乾燥するとはじけてタネを四方に飛ばします。こぼれたタネから翌年たくさん芽がでるので、あっという間に増えて群生しやすい植物です。

育てる時はタネから育て、植え替えも株分けもしない一年草なので、世話はラクです。とはいえ、丈があって独特の形なので、日本ではガーデンニングや切り花などの園芸種としてはあまり人気がありません。その代わり、群生させた花畑が、全国各地で人気の観光地となっています。

クレオメ花畑


花言葉の由来

実は夜の花

クレオメの忘れてはいけないもうひとつの特徴は、夜咲きの種であるということ。

一日咲きの花は、毎日夕方から開花し、一晩経る間にだんだんと色が薄れ、翌日の昼ころには白くぼやっとした色になってしおれています。

『秘密のひととき』

この花言葉は、人の寝ている間にひっそり咲くイメージに由来しています。

『小さな愛』

これも、たくさんの小さな花が固まってひっそり咲く姿に、謙虚な愛情表現を感じて生まれた花言葉です。

外来の花名の印象から

明治の初めにヨーロッパ経由で渡来したので、初めは英語の花名の直訳を聞いて、

「蜘蛛の花!」

のイメージを想像したのでしょう。もしかしたら、毒々しい怪しげな姿も予想したかもしれません。意外に見栄えのいい美しい花だったので、

『思ったより悪くない』

なんて、ちょっと花からすれば失礼な(笑)花言葉がついたようです。

『あなたの容姿に酔う』

これは、ほんとにクレオメのビジュアルが美しいと思ったせいもあると思われますが、同時に中国名の表記にも由来しています。「酔蝶花」は、「スイチョウカ」と日本語読みして、フウチョウソウの別名にもなっています。

駆け落ちのプロポーズ!?

『Elope with me(私を連れ去って)』(英)
『Emmène moi!(私を連れて行って!)』(仏)

さて、西洋の花言葉はおとなしめな日本の花言葉に比べ、何やら情熱的な響きがあります。

英語もフランス語も、このフレーズは、単に“take me”程度の「連れてって」ではなく、

“全てを捨て去ってでも、ここから連れ出し、奪い去ってほしい!”

という、何が何でも!的な強い意味があります。

フランスのシャンソンに、同じフレーズの題名の有名な曲がありますが、この曲の邦題は、

「世界の果てに」

となっています。とても強い現実逃避願望が歌われている曲です。

あちらではクレオメを若い未婚の女性が男性に贈ると、

「私と駆け落ちして!」

とわんばかりの、強いプロポーズの催促にもなります。

既婚者がパートナーに贈る時は、

「生まれ変わった先の人生にも、私を連れて行ってくれるよね?」

という、愛の強さを確かめる問いかけとなるそうです。

強いインパクトのあるビジュアルで、夜な夜な次々と花を咲かせ続けるクレオメのイメージから発祥した意味あいです。が、まるで、相手が蜘蛛の糸に絡めとられて捕まえられてしまいそうですね。

クレオメの基本データ

分類: フウチョウソウ科セイヨウフウチョウソウ属
学名: Cleome hassleriana クレオメ・ハッシレリアナ
和名: 西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ)
英名: Spider flower
開花時期: 7~10月 夏~秋の花
花色: 白,ピンク,紫
草丈: 80~120㎝ 一年草
花持ち期間: 1日
原産地: 南アメリカ熱帯~温帯地域


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。