夏の花の花言葉 春の花の花言葉

サンザシの花言葉/欧州で一番ステキな季節に咲く5月祭の花

Written by すずき大和

梅雨のないヨーロッパでは、5~6月の初夏のシーズンが、一年で一番爽やかで過ごしやすい季節です。

日本より高い緯度にあり、夜の長い寒さ厳しい冬を乗り越え、だんだんと暖かくなる春を心待ちにしてきた人々にとって、木々の緑も一斉に芽吹き、著しく成長を始める季節は、町中が明るい喜びに溢れます。この時期に咲き出す花々は、明るく希望に溢れるポジティブな花言葉を持つものが多いです。

イギリスでは、5月祭(メイ・フェスティバル)を開催する習慣があります。5月を代表する花の中でも、白い花が一斉に咲く高木のサンザシ(英名:hawthorn ホーソーン)は、

「Mayflower メイフラワー」(5月花)
「Maytree メイツリー」(5月の木) 
「Mayblossom メイブロッサム」(花盛りの5月)

などとも呼ばれ、まさに5月祭のシンボルとなっています。

花言葉もステキですよ。



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サンザシの花言葉

サンザシ全般の花言葉

『希望』
『慎重』
『ただ一つの恋』
『あなただけを愛す』
『成功を待つ』
『新しい光』

サンザシの枝の花言葉

『厳格』

西洋の花言葉

『hope(希望)』(英)
『espérance(希望)』(仏)
『prudent(慎重)』(仏)
『hoop(希望)』(蘭)
『hoffnung(希望)』(独)
『klugheit(賢明)』(独)

サンザシってどんな花?

世界に1000品種、アメリカ大陸に800品種

サンザシは北半球の温帯地域に広く分布している花木です。バラ科の木の多くは果樹ですが、サンザシも秋になると小さな実がたくさん成ります。黄色やオレンジ色の実の品種も一部ありますが、真っ赤な実がたわわに付く種が代表的です。

セイヨウサンザシの実


西洋でも東洋でも、実の薬効が古くから知られ、薬用に栽培されてきました。春の花と秋の紅葉も美しいので、園芸種としてもたくさん植えられました。

原種はヨーロッパや中国にそれぞれ20種くらい、北アメリカの種は膨大すぎて原種がどれか既によくわからなくなっています。暑さ寒さにも強く丈夫な木で、長い間に各地で交配が進み繁殖していきました。

現在は世界中で1000品種くらいあるといわれています。そのうち800品種くらいがアメリカに分布しています。

日本のサンザシ

日本には、中国原産種が江戸時代に生薬として入ってきて、そのまま根付きました。一般にサンザシといわれているのは、

「Crataegus cuneate クラテグス・クネータータ」

という主に白い花の品種で、国内で見かけるのはほとんどこれです。英語では、

「Japanese hawthorn」
「Chinese hawthorn」

と呼ばれています。

ヨーロッパやアメリカで一般的なサンザシは別品種ですが、見た目の特徴や生態はだいたい同じです。漢方薬の「山査子(サンザシ)」は、中国でよく見られる品種の実を干したものです。

花言葉の由来

5月とアメリカ開拓地

『希望』
『hope(希望)』(英)
『espérance(希望)』(仏)
『hoop(希望)』(蘭)
『hoffnung(希望)』(独)

風薫る5月の楽しく美しい季節感は、まさに明るい希望のイメージです。

また、かつてアメリカ大陸にイギリスからピューリタン100人ほどが最初の移民として上陸した際乗っていった船が、かの有名な「メイフラワー号」です。アメリカ人にとって、新天地に託した「希望」の思いを彷彿とさせる花がサンザシである、ともいえます。

『成功を待つ』
『新しい光』

これは、そんなフロンティアのイメージから生まれた花言葉です。

亡き恋人との思い出の場所

『ただ一つの恋』
『あなただけを愛す』

これは、イギリスで有名な恋の詩に由来します。

卒業式やお店の閉店時、大晦日に流れる「蛍の光」の曲は、もともとスコットランドの民謡だということを知る人は多いでしょう。戦前の日本にまで伝わってくるほどこの曲が世界的に有名になったのは、メロディーだけだったこの曲に、有名な詩人が歌詞を付けたことで、多くの人が口ずさむ歌として広まったからです。

そのヒット曲の歌詞を書いた詩人ロバート・バーンズさんの有名な詩のひとつに、

「ハイランドのメリイ」

という、亡くなった恋人に捧げた詩があります。その中に

How sweetly bloom’d the gay green birk!
How rich the hawthorn’s blossom!
As underneath their fragrant shade,
I clasp’d her to my bosom!

訳:ときめく緑の樺(かば)の木に、なんと甘く薫る花
  サンザシの花は、なんと豊かに咲きみだれる
  その香しい木々の陰で
  わたしは彼女を胸に抱きしめた!

というフレーズがあったため、亡くなってもなお、たった一人の恋人を思う気持ちを失わずにいる彼の心を、サンザシの花言葉にしたようです。

棘のある枝の魔除けパワー

『慎重』
『厳格』
『prudent(慎重)』(仏)
『klugheit(賢明)』(独)

美しく希望を感じるサンザシですが、近寄って見ると、枝にはいばらのような棘があります。ちょっとイカつい感じですが、そこが邪悪なもの威嚇すると考えられ、西洋では古くから魔除けのおまじないに使われてきました。玄関の生垣に使ったり、枝を赤ちゃんのゆりかごに入れてお守りにしたりする風習がありました。

また、キリスト教では、イエスが処刑された時に被っていたいばらの冠はサンザシの枝で作られていた、という言説が残っており、“神秘な力の宿る木”の印象を高めています。

これらの花言葉は、スピリチュアルパワーで身を守ろうとする周到さのイメージから生まれました。

サンザシの基本データ

分類: バラ科サンザシ属
学名: Crataegus クラテグス(属名)
和名: 山査子
英名: Hawthorn ホーソーン
別名: May, Mayblossom, Maythorn, Maytree, Mayflower など(英)
開花時期: 5~6月 春~初夏の花
花色: 白、ピンク、赤
草丈: 1.5~10m(東洋種は低木、西洋種は中高木)
原産地: 北半球の温帯


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。