春の花の花言葉

沈丁花の花言葉/いい花言葉は、月桂樹のイメージの借用!?

Written by すずき大和


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日本には、春・夏・秋の季節を代表する

「三大香木」

と呼ばれる、香り際立つ花木があります。町の中に芳香が漂い始めると、それぞれの季節の本格的な到来を感じます

夏はクチナシ、秋はキンモクセイ、と聞くと、「なるほどな」と思うでしょう。

早春の寒さがだんだんと緩み、日に日に日差しも長くなってくるのを感じる頃、甘く強い香りを放って咲き始めるのは、

「沈丁花(じんちょうげ)」

の花です。濃い緑色の葉が放射線状に広がる真ん中に、小さな花がまん丸く固まって咲いており、葉っぱの座布団にちょこんとくす玉が乗っているように見えます。

可愛らしいビジュアルとインパクトある香りを持つ花には、アスリートや実業家の人に好まれそうな花言葉が付いています。



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沈丁花の花言葉

沈丁花全般の花言葉

『不滅』
『不死』
『永遠』
『栄光』
『歓楽』
『甘美な思い出』

西洋の花言葉

『glory(栄光)』(英)
『immortality(不死、不滅)』(英)
『gloire(栄光)』(仏)
『séduction(誘惑)』(仏)
『gentillesse(優しさ)』(仏)

沈丁花ってどんな花?

香りに注目するアジア

「沈丁花」の花名は、

  • 香木の一種「沈香(じんこう)」のような強い香りと、
  • 蕾が「丁子(ちょうじ)」(釘のこと)のような形をしていること

にちなんで付けられました。

別名の「瑞香(ズイコウ)」は、中国語の表記です。“おめでたい香”という意味です。

同じく別名の「千里香(センリコウ)」は、“千里先まで香る”という意味。実際はさすがに千里もいきませんが、三大香木の中でも一番遠くまで香りを飛ばすといわれています。

何にせよ、「香り」が主役の花のようです。

西洋人は葉っぱにも着目

一方、学名「Daphne odora ダフネ・オドラ」の「Daphne」は、その葉っぱの形が月桂樹にそっくりなことに由来します。ダフネはギリシャ神話に出てくる河の神の娘で、月桂樹は彼女の化身です。

沈丁花の葉と花

沈丁花・葉と花


月桂樹の葉(ローリエ)

月桂樹の葉


そして、品種名の「odora オドラ」は、良い香りの意です。ダフネ・オドラは、

“香りの良い月桂樹”

ということです。

ちなみに、沈丁花と月桂樹は、分類学的には決して近い種ではありません。

花言葉の由来

月桂樹の神話に由来

『不滅』
『不死』
『永遠』
『栄光』

『glory(栄光)』(英)
『immortality(不死、不滅)』(英)
『gloire(栄光)』(仏)

これらの花言葉は、沈丁花そのものではなくダフネ、つまり月桂樹のイメージに由来しています。

古代から生薬として薬効を認められ、利用されていた月桂樹は、西洋では神聖な力の宿る木として扱われてきました。深緑色の常緑の葉は、「永遠」と「不死」の象徴でした。

競技や戦争で功績を残した人に、月桂樹の葉で作った冠を送る慣習があったことから、「栄光」のシンボルでもありました。

また、沈丁花の花びらに見えているところはガクの発達したものです。そのため、咲いてから散るまでの時間が長く(長いと20日くらい咲いています)、とても花持ちのよい花として知られています。
一応それも「永遠」「不滅」などの言葉につながっているといわれています。

甘くて強い香しさ

『歓楽』
『甘美な思い出』

『séduction(誘惑)』(仏)
『gentillesse(優しさ)』(仏)

これらは、強く甘い芳香イメージから生まれた花言葉です。

沈丁花の芳香の原因は、「リナロール」という香り成分です。

また、花に含まれる「バニフン」「ウンベリフェロン」などの成分には鎮静・消炎効果があり、花の煎じ汁が、うがい薬や歯痛・口内炎の薬として利用されてきました。

が、花言葉の印象は、“癒しの香り”というより、心惑わす“キケンな香り”な感じです。

沈丁花は、花以外の部分、樹皮や樹液、根、結実した実には、強い毒性があることが、心和ませ、気分を落ち着かせる効能を超えて、危険性のイメージを強くしているのかもしれません。

隠れ花言葉

調べていくと、一部の文献には、

『実らぬ恋』

というネガティブな印象の花言葉が載っています。

これも、ダフネの神話から生まれたイメージのようです。

ギリシャ神話によると、太陽の神アポロンが、エロース(キューピット)を怒らせ、仕返しとして、アポロンの胸には見た相手に恋をする矢を、そしてアポロンが恋したダフネの胸には相手を拒む矢を撃ち込まれてしまいます。

アポロンにしつこく言い寄られ、逃げ惑うダフネは、父の河の神に頼んで、自らの身を月桂樹の木に変えてもらいます。哀れ傷心したアポロンは、月桂樹の葉で冠を作り、生涯被り続けてダフネへの愛を貫いたといわれます。

この話から、不滅の栄光を勝ちとる花木でありながら、恋の成就にはアンチ御守り効果となってしまうと解釈されたようです。なんだかジンクスとか縁起担ぎみたいなのが気になる人が考えたような気がする花言葉です。

でも、それ月桂樹の話ですから、葉っぱが似ているというだけで、沈丁花も一緒にしては可哀そうかも・・・。

沈丁花の基本データ

分類: ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
学名: Daphne odora ダフネ・オドラ
和名: 沈丁花
別名: 瑞香(ズイコウ)、輪丁(リンチョウ)、千里香(センリコウ)
英名: Daphne, Daphne odora, Winter daphne
開花時期: 3月~4月 春の花
花色: ピンク、白、黄
樹高: 1~1.5m 常緑低木
花持ち期間: 10~20日 
原産地: 中国ヒマラヤ地域


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。