夏の花の花言葉

アマリリスの花言葉/ラリラリラリラ~調べは恋の強烈アプローチ

Written by すずき大和

「アマリリス」と聞くと、日本人の大人の多くが、思い浮かべる歌があります。

“みんなできこう たのしいオルゴールを
 ラリラリラリラ~ しらべはアマリリス・・・♪”

もともとフランス民謡ですが、日本人が歌詞を付け、戦後長い間小学校4年生の音楽の教科書に載っていました。リコーダーの練習曲だった人も多いです。

今も、オルゴールやチャイムによく使われるので、教科書に載っていなかった人も、メロディは、まあまあ知っているのではないでしょうか。

それより、可愛いメロディは知っていても、それが花の名前だとは知らなかった人が、少なからずいるようです。

アマリリスは、ヒガンバナ科の

「ヒッペアストルム属(Hippeastrum)」

というグループの花の総称です。

初めて花を見た人は、素朴な曲のイメージとは違う、派手で迫力ある見た目を意外に思うこともあるようです。花言葉も、ちょっと押しが強いイメージかもしれません。



スポンサーリンク

アマリリスの花言葉

アマリリス全般の花言葉

『おしゃべり』
『誇り』
『輝くばかりの美しさ』
『虚栄心』

西洋の花言葉

『pride(プライド)』(英)
『splendid beauty(輝くばかりの美しさ)』(英)
『Beautiful but timid(美しいが臆病)』(英)
『fierte(プライド)』(仏)
『vanite(虚栄心)』(仏)
『Betoverende schoonheid(華やかな美しさ)』(蘭)

ベラドンナリリー(ホンアマリリス)の花言葉

『ありのままの私を見て』
『私の裸を見て』
『沈黙』

アマリリスってどんな花?

アマリリス属の花はアマリリスじゃない!?

植物の分類では、“バラはバラ科バラ属の花”、みたいな例もありますが、

“○○○の花は、同じ名前の○○○属とは別の属の花”

というケースが、結構たくさん見られます。

多くは、最初は全部同じ○○○属だったのが、新たな属名に分化してしまったものです。

アマリリスも、同じヒガンバナ科に「アマリリス属」というグループがあり、昔はそこに属していました。が、分化されてヒッペアストルム属になりました。

なので、別に「アマリリス属」の花も存在しています。日本ではこちらの花は

「ホンアマリリス」

と呼ばれています。実際には

「ベラドンナリリー(Belladonna lily)」
「アマリリス・パラディシコラ(A.paradisicola)」

の2品種しかありません。

市場に出ているのはだいたいベラドンナリリーです。

ベラドンナリリー


見た目も名前もアマリリスとそっくりなので、日本でも海外でも、「アマリリス」とひとくくりにされて紹介されるケースが、ネットでも花屋さんの店先でも多く見られます。

が、別の種類です。そして、日本では花言葉が違います。(海外では同じ)

花言葉を意識してプレゼントする時は、混ぜないようにお気を付けください。

花言葉の由来

日本の花言葉

日本のアマリリスの花言葉というと

『おしゃべり』

が一番有名です。

大きな花が横向きに付いていることにちなんだ花言葉です。群生していると、隣同士でおしゃべりし合っているように見えるのです。

一部に、西洋の花言葉の由来となっている、“アマリリス(女性)”がおしゃべりだったから、と説明する解説もあります。が、アマリリスは内気な女性、ということですから、これは後付け説かと思われます。

西洋の花言葉

日本の花言葉の多くは、西洋の花言葉を引いてきたものです。

『誇り』
『輝くばかりの美しさ』
『虚栄心』

西洋の花言葉『プライド』は、“気位”というニュアンスが強いのですが、日本では『誇り』と訳しています。

これらは皆、古代ローマ時代の後期に活躍したラテン語文学の大御所「ウェルギリウス(紀元前70~19年)」の処女作「詩選」の中にあったエピソードに由来しています。

“羊飼いの少女アマリリスは、花が大好きな美少年アルテオに恋をします。
が、アルテオは毎日花を届けにくる別の少女に恋をしていました。

アマリリスは、アルテオに振り向いてもらいたい一心で神に祈ると、神は1本の矢を授けてくれました。お告げに従い、アマリリスは矢を自分自身に付きたてます。

アマリリスの流した血から美しい花が咲き、その花に魅せられたアルテオは、アマリリスを好きになります。そして、花はアマリリスと名付けられました。”

内気な性格のアマリリスは、言葉でアルテオを口説くことはできませんでしたが、彼女の『プライド』が、どうしてもアルテオを自分の方に向かさずにはいられなかったのです。

アルテオに心変わりを促すほどに、アマリリスの花は『輝くばかりの美しさ』だったのでしょう。それは、花の美しさを使って異性の心を惹きつけようとした『虚栄心』の象徴でもありました。

ところで、花言葉解説の多くで、この話を「ギリシャ神話」と紹介しています。

ウェルギリウスの代表作の中には、ギリシャ神話を題材にしたものもありますが、アマリリスの話は違います。元来ギリシャ神話とはもっともっと古い時代の伝説のことです。

花言葉記事では、時々、古代伝説は何でもギリシャ神話と書かれるので要注意です。

ベラドンナリリーの花言葉

アマリリスは花と一緒に葉が出ていますが、ホンアマリリスは、花が終わってから葉が伸びます。花と茎だけが、葉に覆われることなくさらけ出されていることが、

『ありまままの私を見て』
『私の裸を見て』

という表現につながっています。

取り様によっては、アマリリス以上に押しの強いアプローチですね。

アマリリスの基本データ

分類: ヒガンバナ科ヒッペアストルム属
学名: Hippeastrum ヒッペアストルム(属名)
和名: アマリリス
英名: Amaryllis,Knight’s star lily
開花時期: 5~7月 夏の花
花色: 赤、白、ピンク、紫、黄、緑など
草丈: 40~80cm 球根性多年草
花持ち期間: 5~10日
原産地: 中南米

ベラドンナリリーの基本データ

分類: ヒガンバナ科アマリリス属
学名: Amaryllis belladonna アマリリス・ベラドンナ
和名: ホンアマリリス
英名: Belladonna Lily
開花時期: 8~9月 初秋の花
花色: ピンク、白、複色
草丈: 50~70cm 球根性多年草
原産地: 南アフリカ・ケープ地方


スポンサーリンク

筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。