夏の花の花言葉 春の花の花言葉

タイムの花言葉/心の傷を癒し、勇気と力強さを生み出す香り

Written by すずき大和

タイムといえば、束(ブーケガルニ)にして煮込み料理の鍋に入れるハーブの定番です。

ムスク(麝香:じゃこう)に似た強い香りを放ち、肉料理の臭み取りや香り付け、ハーブティなどに使われます。殺菌作用も持ち、消毒や防腐効果の働きもします。

学問的には、シソ科のThymus属(和名:イブキジャコウソウ属)の常緑植物の総称です。ハーブとして料理に使われているのはその中の数品種で、日本で「タイム」の商品名で流通しているのは、英語で

「common thyme(コモンタイム)」
「garden thyme(ガーデンタイム)」

と呼ばれている品種です。高さ15~30cmくらいにしかなりませんが、多年草ではなく、低木です。プランターなどで育てて料理に使っている人もいますね。

地中海地方原産で、人類との付き合いは長く、古代エジプトでは、ミイラの防腐剤として使われていました。古代ギリシャでは、入浴剤や神殿での清めのお香に使われました。

西洋では昔から、タイムの香りは勇気を奮い立たせるといわれ、勇気や創造性、力強さの象徴の植物とされてきました。花言葉も、そんなイメージに由来しています。



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もくじ

タイムの花言葉

タイム全般の花言葉

『勇気』
『活気』『活発』
『活動』『活動的』『活動力』
『清涼感』

西洋の花言葉

『activity(活動、活躍)』(英)
『courage(勇気)』(英)
『strength(強さ)』(英)
『activité(活動)』(仏)
『amour durable(永続的な愛)』(仏)
『Je ne vous oublierai jamais(私は決してあなたを忘れない)』(仏)
『bedrijvigheid(活動)』(蘭)

タイムってどんな花?

ハーブのタイム

タイム属は、北半球を中心に、世界中に広く自生しています。

  • まっすぐ伸びるタイプ(木立性)
  • 横に這うように伸びるタイプ(ほふく性)

に大きく分けられます。ハーブとして利用されているのは木立性で、コモンタイムの他、シトラスの香りがする「レモンタイム」や、キャラウェイの香りの「キャラウェイタイム」などあります。

いずれも、春から初夏にかけ、香りの強い小枝の先端に、白やピンクや薄紫色の小さな花が群れるように咲きます。

コモンタイムの花

コモンタイム


作物じゃないタイム

ほふく性のタイムは、主に園芸種で、広範囲のグラウンド・カバーなどにも使われます。

代表的な品種として、「クリーピングタイム」という濃いピンク色の花が咲く品種が有名です。欧米では群生地で養蜂も盛んに行われていて、クリーピングタイムのハチミツは地中海地方の名産品となっています。

クリーピングタイムの花

クリーピングタイム


花言葉の由来

勇気のしるし

Thymusの語源は、古代ギリシャ語といわれていますが、

「thyein(香を薫らす)」
「thymo(神聖な)」
「thuo(消毒)」

など、元の言葉には諸説あります。

冒頭でも述べたとおり、ギリシャ文明の頃から

タイムの香りは“心の傷を癒して勇気を鼓舞する”

と信じられていたので、「thumus(勇気)」も語源のひとつといわれています。

『勇気』
『活気』『活発』
『活動』『活動的』『活動力』

『activity(活動、活躍)』(英)
『courage(勇気)』(英)
『strength(強さ)』(英)
『activité(活動)』(仏)
『bedrijvigheid(活動)』(蘭)

これらの花言葉は、「勇気の象徴」というイメージから発しています。

さわやかな防腐剤

『清涼感』

この花言葉は、その殺菌作用を利用して、消毒薬、歯磨き粉、うがい薬などにタイムの精油が使われていることに由来します。

すがすがしい香りは、人にはリラックスや消化促進などの効能が期待されますが、野菜の害虫アオムシには苦手なようで、畑の虫よけ対策のコンパニオンプランツ(隣り合う植物の生育にいい影響を与えるため、一緒に植えられる植物のこと)として使われることも多いです。

戦士に贈る一枝

勇ましいイメージが伴っているため、タイムの香りは男性により好まれていました。古代社会では、タイムの入浴剤や香料は、イケてる男性のたしなみだったようです。

また、中世では、女性が騎士や戦士にタイムの葉を添えて贈り物をしたそうです。

『amour durable(永続的な愛)』(仏)
『Je ne vous oublierai jamais(私は決してあなたを忘れない)』(仏)

フランス語のこの花言葉は、戦場へ旅立つ戦士らの武運と無事な生還を祈って、恋人がタイムの小枝をお守りのように手渡した時の気持ちなのでしょう。

「私は、ずっとずっとあなたを愛し続け、帰りを待っています」

みたいなメッセージでしょうか。ロマンチックですが、ちょっと切ないですね。

タイムの基本データ

分類: シソ科イブキジャコウソウ属
学名: Thymus タイマス(属名)
和名: 立麝香草(タチジャコウソウ)(T. vulgaris ボルゲリスの名称)
英名: Thyme(全般の名称) 
    Common thyme,Garden thyme(T. vulgarisの名称) 
開花時期: 4~7月 春~夏の花
花色: 白、ピンク、紫
草丈: 5~30cm 低木
原産地: 地中海沿岸地域、アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。