夏の花の花言葉

パプリカの花言葉/歌詞にリンクする花言葉の由来を考える?

Written by すずき大和

平成時代、「パプリカ」と聞くと、多くの日本人は赤や黄色の大きな肉厚ピーマンのような野菜を思い浮かべました。

令和の時代、NHKの2020オリパラの年を称える応援ソングとして作られた「パプリカ」という曲がヒットした時、歌詞の中で歌われるパプリカは「花の名前」であることに、ちょっと戸惑った人もいたでしょう。

NHKの怒涛の宣伝もあり、2020年を迎える頃には、歌詞が自然に口から出る人もたくさん増えました。が、歌って踊れるレベルの人の中にも、「パプリカの花」ってどんなのだか、知らない人はたくさんいるのではないでしょうか。

なんでわざわざそんなマイナーな花を取り上げて歌にしたのか?

それはパプリカの“花言葉”に深く関係している、という説が、あちこちで語られています。



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もくじ

パプリカの花言葉

パプリカ全般の花言葉

『同情』
『哀れみ』
『君を忘れない』

ピーマンの花言葉

『海の利益』
『海のめぐみ』

花言葉の由来

パプリ~カ花が咲いたら・・・

米津玄師さん作詞作曲の「パプリカ」は、作者のインタビューによると、その音の響きとビジュアルのポップさから採用された言葉が「パプリカ」であったそうです。特にわかりやすい意味はない、と、本人はいっています。

が、歌詞全体が米津さんの子どもの頃走り回った野山の風景と、幼い時の体験を思い起こすようなノスタルジー作品であったため、なんとなく切ないパプリカの花言葉を結びつける論評が、ネットで広まりました。

必然的に「パプリカの花言葉」が注目されることになりました。が、花としてはマニアックすぎて、花言葉の由来情報があまりに薄く、いろんな人が自分で調べて解釈した説を語り始めました。

現在、多種多様な説がネット上に溢れています。が、もはやどれが本当の由来なのか、わからなくなっています。こじつけっぽいのもありますが、なるほど~という考えられた説もあり、代表的なところを紹介しておきます。

ピーマンの哀愁

『同情』
『哀れみ』

一番多く見る説は、パプリカもピーマンも、とても栄養価の高い野菜なのに、子供の嫌いな野菜の筆頭でもあるため、気の毒に思ってつけた、というもの。

続いて多いのは、パプリカの花は下向きに咲くから説。がしかし、実際は、下向きなのはピーマンの花で、パプリカは上向きに咲きます。(次章写真参照)

南米のトウガラシがパプリカになるまで

『君を忘れない』

こちらも、ピーマンの哀愁イメージからきている、という説があります。嫌われても頑張って美味しく料理されたピーマンの健気さを忘れまい・・・ってこと?

また、年月をかけて改良されて生まれた今のパプリカが、長きに渡って世界を見てきた思いを花言葉にした、という壮大な説もありました。
中世の終わり頃に南米から南ヨーロッパに伝わったトウガラシの仲間は、その後ハンガリーで品種改良が進み、現在の栽培種はそこから広まったものです。

ついでに「paprika パプリカ」は、ハンガリー語でナス科トウガラシ属全般の名称です。

海外からきた食材

『海の利益』
『海の恵み』

野菜なのに海の恵みって・・・ですが、

  • 大航海時代に南米から渡ってきたから
  • 日本でも外来野菜だから
  • 産地が海に近いから
  • フランスでは、熟したパプリカの色を珊瑚に例えるから

などの説が見られます。

ところで、パプリカが日本で栽培されるようになり、庶民に普及したのは平成になってからです。昭和の頃は「赤(黄色)ピーマン」と呼ばれ、輸入品の高級野菜でした。平成生まれで野菜王国徳島県出身の米津さんには抵抗ないと思われますが、親世代以上は、パプリカとノスタルジーはやはり違和感ありそうですね。

パプリカってどんな花?

ピーマンとパプリカ

英語では、トウガラシ属全般は、「○○ pepper」と呼ばれています。胡椒(pepper)とは全く異なる品種ですが、トウガラシの刺激がブラックペッパーっぽかったのでしょうか。

辛味のないトウガラシ属の野菜のことは、ピーマンもパプリカもまとめて、

「bell pepper ベルペッパー」

です。

ドイツ語やフランス語、イタリア語でも、青いピーマンとカラーピーマンは、一括りです。

学名でも、トウガラシ、ピーマン、パプリカは同じくくりで

「Capsicum annuum カプシコム・アヌーム」

と呼ばれます。日本でのパプリカ(肉厚のカラーピーマン)はその中の

「Capsicum annuum ‘grossum’ グロッサム」

という品種です。

どんな花?

西洋では、作物の花でも、リンゴやレモンのようにヨーロッパに従来からあるものには、花言葉がついているものも多いです。が、南米からきた野菜が一般に普及し始めたのは花言葉の出来た時代以降だったので、その後観賞用園芸種にならなかったナス科の野菜の花言葉は、探してもほとんど見つかりません。

さて、最後になってしまいましたが、パプリカはこんな感じの花です。確かに素朴で寂寥感もあるかもしれません。

1,パプリカの花

パプリカの花


2,ピーマンの花

ピーマンの花


3,トウガラシの花

トウガラシの花


パプリカの基本データ

分類: ナス科トウガラシ属
学名: Capsicum annuum カプシコム・アヌーム
和名: パプリカ、ピーマン
英名: Bell pepper
    Red pepper,Green pepper
別名: Paprika(英)※香辛料名
開花時期: 6~9月 夏の花
花色: 白
草丈: 60~100cm 多年草
原産地: 南アメリカ


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。