夏の花の花言葉

クランベリーの花言葉/清教徒開拓者を癒した赤い実

Written by すずき大和

小さなすっぱくて真っ赤な果実クランベリー。酸味が強いので、生食はあまりしませんが、ジュースやソースやジャムやお菓子のフレーバーとして、日本でもよく見聞きしている果実です。

クランベリーは、ツツジ科スノキ属ツルコケモモ亜属の果樹の総称ですが、食用に栽培されているのは主に

学名:Vaccinium oxycoccos ウァッキニウム・オキシコッカス
和名:ツルコケモモ(蔓苔桃)
英名:Common Cranberry

という品種です。

10~20cmほどの高さで、地面を這うように広がって茂っていくので、多年草のようにも見えますが、ツル性の低木です。初夏の季節に小さな薄ピンク色の花が咲くので、鉢植えや庭木として楽しんでいるガーデナーもたくさんいます。



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クランベリーの花言葉

クランベリー全般の花言葉

『心を癒す』
『心痛の慰め』
『天真爛漫』

西洋の花言葉

『cure for heartache(心痛の治療)』(英)
『cure pour peine d’amour(愛の痛みを治す)』(仏)
『rigueur(厳格)』(仏)※ Airelle(スノキ属)の花言葉

クランベリーってどんな花?

「○○○ベリー」の区別は意外とごちゃまぜ

スノキ属の樹木は、「スノキ亜属」と「ツルコケモモ亜属」に大きく分かれます。どちらも概ね5mm~1.5cmくらいの柔らかい果肉のみずみずしい果実が、たわわに実ります。亜属の中の節も細かく分かれ、いろいろな「○○○ベリー」があります。

  • 英語では、スノキ亜属の青紫色の実がなる品種を「Blueberry ブルーベリー」
  • ツルコケモモ亜属の赤い実がなる品種を「Cranberry クランベリー」

と呼んでいます。スノキ亜属でも赤い実の樹の中には「何々・クランベリー」という俗称で呼ばれる品種もあります。

花言葉の範疇は、基本的に花名でくくられるので、分類に関わらず、スノキ属の果樹は、青い実の花にはブルーベリー、赤い実の花にはクランベリーの花言葉があてられている、と判断していいでしょう。

ヨーロッパの他の言語の国でも、品種や実の色別にいろいろな呼び名がありますが、その地域で最もポピュラーな品種の名前が、スノキ属の同じ色の果樹、もしくはスノキ属全体の代表名のように使われることも多いです。

フランス語では、青も赤も黒も含めたスノキ属全般を「Airelle エイレル」といいます。ブルーベリー、クランベリーの花言葉と別に、エイレル全般としての花言葉もあります。日本語に訳される時、これも“クランベリーの花言葉”として紹介している例が見られます。

ツルコケモモ亜属の花

そんなわけで、西洋では、赤い実がなればスノキ亜属もツルコケモモ亜属も、更にはスノキ属以外の似たような実がなる果樹でも、「クランベリー」と紹介されている例も多いのです。

が、分類が異なるとたいてい花の形が違います。

ヨーロッパでも日本でも、園芸用「クランベリーの花」として流通しているのは、本来のツルコケモモ亜属である「ツルコケモモ」か「オオミツルコケモモ」が一般的です。

ツルコケモモ花


細長い花茎の先端に、白やピンク色の花びらの小さな花が下向きに咲いています。中央に褐色の突起のような穂があり、反り返った花びらの先端は上を向いているのが特徴です。

ブルーベリーやコケモモなどのスノキ亜属の花も下向きですが、花びらがスズランのように中心をまるく覆っているので、同じように可愛らしい花でも、印象が違います。写真は赤い実がなるコケモモの花です。

コケモモ花


花言葉の由来

アメリカ先住民の友

世界中の食用クランベリーの9割以上は、アメリカ、カナダ、チリなどのアメリカ大陸産です。ツルコケモモは、もともと北米の寒冷な湿地帯に自生していました。

クランベリーに含まれるポリフェノールのアントシアニンは、ブルーベリーに含まれるものとは異なる種類で、優れた抗菌効果、抗酸化作用があります。ネイティブ・アメリカンの社会でも、古くから食用だけでなく、傷薬や解毒剤、胃や肝臓の働きを整える薬として使っていました。

ピルグリムファーザーご用達

1620年、イギリス本土を追われたピューリタン(清教徒)ら102人を乗せたメイフラワー号がアメリカに到着しました。彼ら最初の開拓者の清教徒は

「ピルグリムファーザー」

と呼ばれます。初めは収穫も思うように上がらず、厳しい生活の中、半数近くが病死していきました。

先住民のワンパノアグ族が彼らに物資や食料を援助し、農業や狩猟法も教えました。クランベリーの栽培や食文化、効能も、この時伝えられます。

やがて収穫が上がると、開拓民たちはワンパノアグ族を招いて祝宴を開きました。これが「感謝祭」の始まりといわれています。今でも感謝祭の御馳走の七面鳥にはクランベリーソースが定番となっています。

『cure for heartache(心痛の治療)』(英)
『cure pour peine d’amour(愛の痛みを治す)』(仏)
『心を癒す』
『心痛の慰め』
『天真爛漫』

これらの花言葉は、ピルグリムファーザーたちの痛んだ身体と心を、クランベリーが御馳走として、生薬として、癒した歴史を物語っています。

クランベリーの基本データ

分類: ツツジ科スノキ属
学名: Vaccinium ウァッキニウム(属名)
    Subgenus Oxycoccus オキシコッカス(亜属名)
和名: 蔓苔桃(ツルコケモモ)
    姫蔓苔桃(ヒメツルコケモモ)
    大実蔓苔桃(オオミツルコケモモ)
    灰汁柴(アクシバ)
英名: Cranberry
別名: Bearberry,Mossberry,Fenberry
開花時期: 5~7月 初夏の花
花色: 白、薄ピンク
樹高: ツルコケモモは10~20cm つる性低木
    アクシバは1mくらいになることもあり
生息地: 主に北半球の高地など比較的寒冷地
原産地: 北アメリカ、北ヨーロッパ、アジア北部 


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。