夏の花の花言葉

ソテツの花言葉/恐竜時代から地球を見てきた生きた化石

Written by すずき大和

関東地方くらいから南の町では、ロータリーの真ん中や玄関先などに、ソテツの木が植えられているのをよく見かけます。ヤシの木をぎゅっと短く圧縮したような姿をしているので、英語では、

Fern palm
Sago palm

などと呼ばれています。(Palmはヤシのことです)

実際は、ヤシ科ではなく、ソテツ科ソテツ属の裸子植物です。

日本で見られる「ソテツ(蘇鉄)」は、

学名「Cycas revoluta サイカス・レボルタ」

という一品種です。ソテツ属は主に東南アジアの亜熱帯地方に見られますが、レボルタは日本での自生が確認できる唯一のソテツです。

自生種の生息範囲は鹿児島から沖縄諸島、台湾やインドネシアなど、狭い範囲に限られています。防寒対策をした植栽は、本州や中国の温帯地域でも見られ、観葉植物の鉢植えは、アメリカや欧州でも流通していますが、ソテツ科全般が、東洋中心に分布する植物なので、西洋での花言葉はありません。

しかし、日本では、オリジナル花言葉が付けられています。



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ソテツの花言葉

ソテツ全般の花言葉

『雄々しい』

花言葉の由来

どっしりたくましいビジュアル

ソテツの野生種は、鹿児島や沖縄などで海沿いの岩場のようなところに自生しています。また、観葉植物やロータリーの植栽は、せいぜい3~5mの低木ですが、南西諸島の野生種の中には、8mくらいにまで育つものもたまに見られます。

厳しい環境で、どっしりと太くたくましい姿で、強風に揺られるソテツの姿は、とてもたくましく見えます。枝分かれせず、細い枝など全くない、中心の太い幹だけがすっくと伸びる形もとても力強いです。

『雄々しい』

という花言葉は、そんなソテツの雄大なイメージから生まれました。

恐竜時代から生き残る、開花植物の祖

ソテツのたくましさは、そんじょそこらの大木とはわけが違います。なんといっても、ソテツの仲間は、約1万5千年とも2万年ともいわれる大昔から、この地球上に存在していました。最盛期は巨大恐竜が闊歩したジュラ紀と見られ、その時代の地層から、ソテツの化石も数多く見つかっています。

ソテツは雄雌異なる木に、それぞれ雄花・雌花が咲きます。雄花が飛ばすのは、花粉ではなく「精子」です。これは、種子植物が生まれる以前のシダ類やコケの生態と同じです。ソテツは、開花してタネを作る植物の草分け的な位置にいる植物なのです。

ソテツの強さの秘密

1年に数cmしか伸びないソテツは、そんなに生命力豊かにパワフルな印象はありません。ジュラ紀の枝を張って高く成長していた他の植物と比べると、太陽光の奪い合いでも不利な立場なのに、なぜ何万年も生きながらえてきたのでしょうか?

実は、ソテツの根には「シアノバクテリア」という空気中の窒素を固定するバクテリアが住んでいます。そのため、ソテツの根はサンゴのような太い根となりました。窒素は植物の肥料となり、他の植物が生きられない痩せた岩場や、寒冷期の環境でも生き延びてこられたのです。

ソテツってどんな花?

夏に咲くソテツの花

そんな生きた化石のようなソテツの花はどんな花なのでしょう?

実は、本州で植栽されているソテツのほとんどは雄の木なので、雌花やソテツの実は滅多に見られません。雄の花は、太いトウモロコシのような花穂になります。

ソテツ雄花


沖縄や鹿児島にいくと、雌の木もよく見られます。雌花は、ふわふわした羽のようなものがこんもりドーム型に咲きます。

ソテツ雌花


毒だけど食用

雌花が受精すると、秋に朱色の実が成ります。

ソテツの実


ソテツには、有毒で発がん性のある「サイカシン(Cycasin)」という成分が木全体に含まれます。が、一方でデンプンも多く含まれるため、奄美大島など日本の一部の地域では、毒抜きをして食用にも利用していました。今も奄美大島では、ソテツの実と玄米と大豆を原料にした「蘇鉄味噌」が、郷土料理の調味料として欠かせません。

赤いソテツの花言葉は・・・

話飛びますが、アラフィフくらいの人が子供の頃人気があった、児童文学のベストセラーが原作のTVアニメ「ガンバの冒険」をご存じでしょうか?

あのアニメが、2015年に3Dアニメ映画「GANBAガンバと仲間たち」としてリメイクされました。映画の中で、ソテツの葉の花言葉が色別にいくつか出てきます。「赤いソテツの花言葉」は、ラストシーンのキーワードにもなっていました。

印象的なエピソードでしたが、残念ながら、あれはネズミ界(?)の花言葉なので、人間界では使われていません、あしからず!?

ソテツの基本データ

分類: ソテツ科ソテツ属
学名: Cycas revoluta サイカス・レボルタ
和名: 蘇鉄(ソテツ)
別名: 鉄蕉(テッショウ)、鳳尾蕉(ホウビショウ)
英名: Fern palm,Japanese sago palm
開花時期: 5~8月 夏の花
花色: 黄、白、茶
樹高: 3~5m 常緑低木 ※野生種は8mくらいもあり
生息地: 東アジア~東南アジア亜熱帯地域
原産地: 日本(九州南端~南西諸島)、中国南部 


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。