問題です。
- 竹は木でしょうか?草でしょうか?
- 竹には花が咲くでしょうか?
竹の仲間は世界中の温帯地方に生息しています。日本ではとても縁起の良い植物で、お正月の飾りにもなっています。竹を加工した竹細工は、東洋では昔から日常の様々な道具として使われてきました。
そんな身近な竹ですが、案外知らないことが多いかもしれません。
西洋でも日本でも、竹には花言葉があります。
が、これは花についている言葉ではなく、竹そのものにつけられた花言葉です。
だって、竹に花が咲いたところ、見たことないでしょう?
竹は、一般的には「花が咲かない植物」と認識されています。
が、実は竹は、
“60~120年に一度一斉に花が咲き、花が咲くと一斉に枯れてしまう”
長い長いスパンの一年草とでもいうような、悠長なサイクルを持った、
“草みたいな,木みたいな植物”
なのです。
もくじ
竹の花言葉
竹全般の花言葉
『節度』
『節操のある』
西洋の花言葉
『loyalty(忠誠、忠義)』(英)
『strength(強さ)』(英)
『steadfastness(不動)』(英)
『oprechtheid(誠実)』(蘭)
『duurzaamheid(持続可能性、耐久性)』(蘭)
『bonne chance(幸運)』(仏)
『buona fortuna(幸運)』(伊)
『Viel Glück!(幸運を!)』(独)
竹ってどんな植物?
竹って何?
竹は、広い意味では、イネ科タケ亜科の中で、茎が硬く木質化するものの総称です。笹も竹もここに含まれます。学名では属ではなく「タケ連(Bambuseae)」としてひとくくりにされていました。
しかし、最近は特徴によっていくつもグループ(属)分けされるようになりました。大きく「竹」と「笹」と「バンブー」の3つのグループに分け、「竹」「バンブー」グループのものを西洋でも東洋でも、一般的に「竹」(英名:bamboo)と呼んでいます。
中でも代表的なのが、中国原産といわれる
「Phyllostachys フィロスチャシス」
(和名:マダケ属)
に含まれる品種です。西洋では、竹は梅と並んで“中国を象徴する植物”というイメージがあります。
- 食用タケノコのポピュラー品種「孟宗竹(モウソウチク)」
- 竹細工等の加工品材料の定番「真竹(マダケ)」
など、日本の竹林でよく見られる20m以上になる竹も、マダケ属です。
竹は木か草か?
イネ科ですから、広義の竹には草としての特徴があります。
- 茎から葉茎が出て葉や花が付き、地下茎が伸びて繁殖し竹林や笹林を作ります。
- 茎は硬く木質状になりますが、木のように年輪を作って成長していきません。
- 成長のスピードも木とは比べ物にならないくらい早いです。
が、
- 木質状の茎は草のものとは明らかに違います。
- 60~100年以上生きます。
- マダケ属は20m以上の高さまで伸びる種類が多いです。
これらの特徴から、専門家の間でも、竹は木か草か、意見が分かれています。
“木でも草でもなく、竹は竹”
という、特殊な扱いになっており、竹の茎は特別に「稈(カン)」と呼ばれます。
竹ってどんな花?
日本の代表品種マダケは120年に一度咲くといわれています。孟宗竹のほうは、67年に一度咲いたという記録が2回あります。また、一斉に花が咲いた後、一斉に枯れずに第2サイクルに入る竹もあります。
何にしろ、竹も笹も滅多に花が咲かないので、写真は少ないのですが、2016年、愛知県で「スズタケ」という竹の花が咲いた時のものがありました。開花の記録が他になく、100年ぶりとも120年ぶりともいわれニュースになりました。花の形は、やはりイネによく似ています。
花言葉の由来
フシ
『節度』
『節操のある』
日本の花言葉の由来は、竹には節(フシ)があるからです。そのまんまですね。
まっすぐしなやかな強さ
『loyalty(忠誠、忠義)』(英)
『strength(強さ)』(英)
『steadfastness(不動)』(英)
『oprechtheid(誠実)』(蘭)
『duurzaamheid(持続可能性、耐久性)』(蘭)
ヨーロッパでは、竹は長寿や若さ、強さを象徴する植物です。
これらは主にマダケ属のイメージからきています。
マダケや孟宗竹は1日に1m近く成長し、冬でも青々と葉を茂らせ、20mを超える高さにまでまっすぐ伸びる勢いが、不動の強さのイメージにつながるのでしょう。
木よりもずっと細いのに、物凄くしなるので、強い風にも折れることなく、ぐいーんと曲げても必ずびよ~んと元に戻る耐久性は、忠義や誠実さの象徴とも見られています。
ラッキーアイテム
『bonne chance(幸運)』(仏)
『buona fortuna(幸運)』(伊)
『Viel Glück!(幸運を!)』(独)
長寿と若さと強さのシンボルですから、竹はまた、ラッキーアイテムとして捉えられています。
日本でも縁起物ですから、西洋の花言葉をそのまま取り入れてもよさそうなのに、日本の花言葉サイトをいくら探しても、「節」由来の花言葉だけしか見つかりません。多くの花の花言葉が、西洋のものの直訳や意訳であるのに、なぜ竹の花言葉は輸入しなかったのでしょう?
もともとマダケは東洋のものだから、ということもありますが、「竹の花」が、実は日本では「不吉なもの」となっているせいかもしれません。あんまりにも珍しいので、たまーに咲くと「何か悪いことが起きる」と、各地に伝えられているのです。
縁起物なのに・・・日本文化はややこしいです。
分類: イネ科マダケ属
学名: Phyllostachys フィロスチャシス(属名)
和名: 竹
英名: Bamboo
開花時期: 5~6月 ただし60~120年に一度
花色: 黄色、乳白色、ピンクなど
草丈: 3~25m 品種によりいろいろ
生息地: 主に東アジア
原産地: 中国