夏の花の花言葉

トルコキキョウの花言葉/テキサス生まれ、日本育ちのブーケの花

Written by すずき大和

ふんわりした幅広の花びらがフワッとおしべとめしべを包み込むように、上向きのカップ型に咲くトルコキキョウ。

  • チューリップのような可愛い一重咲き
  • 白を基調とした清楚な印象の花色
  • フリルのような花びらのフリンジ咲き
  • バラのようなゴージャスな八重咲き
  • 華やかで美しい巨大輪・・・

花の色形、大きさも多岐にわたり、毎年のように新たな品種が生み出し続けられています。

花屋さんの店頭では、春と秋のバラのシーズンの間を埋める、真夏の花束の主役のような、切り花の人気品種です。

花言葉を見ると、日本でも西洋でも、優しくポジティブな言葉が並んでいます。

そんなところも、ウエディングブーケに相応しい花なのでしょう。



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もくじ

トルコキキョウの花言葉

トルコキキョウ全般の花言葉

『清々しい美しさ』
『優美』
『希望』
『良い語らい』
『変わらぬ美』
『花嫁の感傷』

色別の花言葉

白花の花言葉

『思いやり』
『清々しい美しさ』

濃紫色の花言葉

『希望』

ピンク色の花言葉

『優美』

西洋の花言葉

『appreciation(感謝)』(英)
『calming(鎮めること、穏やか)』(英)
『tendre baiser(優しいキス)』(仏)
『affection(愛情・慈愛)』(仏)

トルコキキョウってどんな花?

原種はトルコ生まれじゃありません

トルコキキョウという名前ですが、トルコとは全然関係ありません。

原種はアメリカ南部からメキシコにかけて分布し、主にテキサス周辺の野原に多く自生しています。

19世紀にイギリスに渡り、園芸種としてヨーロッパ各地に広まりましたが、第一次・第二次大戦時に、他の多くの園芸品種と共に、育種していた花畑はすべて全滅してしまいました。もともと脆弱な品種だったので、園芸種としての歴史はそこで終わってしまったかと思われました。

が、戦後、極東の国日本で再び開発研究が進み、寒さや湿気にも強く、花持ちのとても長い品種の育成に成功します。以後、日本が中心となって品種改良が進められ、現在のような見栄えの華やかな多様な品種が、世界中に流通することになりました。

桔梗の仲間でもありません

アメリカに今も分布する2種類の原種は、青紫色の花びらの根元が筒状につながっていて、先は5つに割れて開いている比較的シンプルな花です。

テキサス・ブルーベル


1930年頃、日本にもアメリカからこの原種が伝わっていました。やはり戦時中生花栽培は中断しましたが、長野と静岡の農家で細々と作り続けられていたため、絶滅を逃れました。この生き残り種が、戦後の育種復活につながりました。

原種は花の色形が桔梗に似ており、

「トルコキキョウ」

の名が付いたといわれています。植物学的には、キキョウ科ではなく、リンドウ科の仲間です。

トルコはトルコ石の色からとったようです。一説に花びらの巻き方がトルコ人のターバンに似ていたという話もありますが、当時の原種の花びらは、今のように多重に重なり合ってはいなかったので、これは後付けと思われます。

原産地のアメリカでも、花姿を別の花に例えた名が付いていました。

  • 「Texas Bluebell(テキサス・ブルーベル)」
  • 「Tulip Gentian(チューリップ・ジェンシャン)」
  • 「Prairie gentian(プレーリー・ジェンシャン)

“ジェンシャン”はリンドウのこと。

“ブルーベル”はこんな花です。

ブルーベル


花言葉の由来

感謝と慈しみの象徴

『appreciation(感謝)』(英)
『calming(鎮めること、穏やか)』(英)
『tendre baiser(優しいキス)』(仏)
『affection(愛情・慈愛)』(仏)

『思いやり』

原種の青紫の素朴な花は、穏健で敬虔なイメージにつながったようで、西洋では、

“感謝”と“慈愛”の象徴

といわれています。

バラを超える切り花を目指して

戦後、日本で生き延びた品種の改良を進めた育種家たちは、バラに代わる花束の主役となる花造りを目指しました。

  • 丈夫で長持ち
  • 大輪化
  • 明るく美しい花色
  • 花びらは大きく多く

と、美しさと華やかさを求めたことが、

『清々しい美しさ』
『優美』

という花言葉にも表れています。

念願叶って、ウエディングブーケの定番の花となり、

『花嫁の感傷』

という花言葉も付け加わりました。

『変わらぬ美』

は、切り花としての花持ちの良さを称えています。

『希望』は、

“晴れやかな祝福の場に相応しい未来へのはなむけの言葉”

ともとれるし、一度失われたと思われた園芸種を開発復興した時の

“園芸種の頂点を目指した育種家の胸に溢れる想い”

でもありました。

縁起のいい場のおめでたい会話

『良い語らい』

は、属名のラテン語「Eustoma(ユーストマ)」が、ギリシャ語の

「良い:eu」「口:stoma」

からできた造語である点にちなんでいます。

チューリップのように上向きのカップ状に咲く花を天に向かっておしゃべりする口に例えたのでしょうか。

祝福の場に相応しい花のおしゃべりは、縁起の良い幸先のいい話に違いありません。

トルコキキョウといえば日本!

日本はこれからもトルコキキョウの開発を牽引していくでしょう。現在すでに流通する園芸種のほとんどが日本で改良された花で、流通量の7割以上が日本産です。

原産国のアメリカではあまり日本の改良種の話はされませんが、欧州では「日本で開発された園芸種」という解説が、ネット内にもたくさん見られます。

ヨーロッパ人に、

「日本人の多くはトルコの花だと思ってます」

と、教えてあげたら、びっくりするでしょうね。

トルコキキョウの基本データ

分類: リンドウ科ユーストマ属
学名: Eustoma grandiflorum ユーストマ・グランディフロラム
和名: トルコ桔梗(トルコギキョウ、トルコキキョウ)
別名: ユーストマ、リシアンサス
英名: Lisianthus
Eustoma
Texas bluebell
Tulip gentian
Prairie gentian
開花時期: 5~9月 夏の花
花色: 紫、ピンク、白、赤、黄、緑、青、覆輪など
草丈: 30~120cm 一年草
花持ち期間: 1~2週間
原産地: 北アメリカ


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。