ケイトウは、「鶏頭」と書きます。雄鶏の頭、鶏冠(トサカ)のことです。
花の形がとてもよく似ていたのでついた名前です。
- 英語「cockscomb」
- スペイン語「cresta de gallo」
- フランス語「crête de coq」
- 中国語「鶏冠花」
国別のケイトウの名称も、みんなトサカの意味です。
花言葉も、どの国でもトサカに由来するものとなっていますが、トサカの象徴するイメージについては、お国柄により、解釈が微妙に違う部分もあるようです。
もくじ
ケイトウの花言葉
ケイトウ全般の花言葉
『おしゃれ』
『気取り屋』
『風変り』
『個性』
『色あせぬ恋』
西洋の花言葉
『foppery(〔男の〕おしゃれ)』(英)
『affectation(気取り)』(英)
『singularity(風変わり)』(英)
『afectación(気取り)』(西)
『huichelarij(偽善)』(蘭)
『fidelité(忠実・忠誠)』(仏)
『constance(恒常)』(仏)
『immortalité(不死・不滅)』(仏)
花言葉の由来
雄鶏のかっこつけアイテム
トサカは雄鶏のシンボルです。
大きくて、独特の形態をした、真っ赤なトサカは、それによって、オスの強さや威厳を高めているように見えます。オスのメンツを保つために欠かせないアイテムでしょう。
『おしゃれ』
『foppery(〔男の〕おしゃれ)』(英)
日本語では「おしゃれ」と訳されていますが、英単語の意味は
“男性が特別にめかし込む様子”
を表します。女性にはあまり使いません。
謙虚で控え目なイメージではなく、もっとグイグイ積極的にアピールする感じです。「キザ」と訳す時もあります。
気取って、本来の自分より更にもっと凄いものに見えるように、着飾ったり、振舞ったりするようなニュアンスを持ちます。
『気取り屋』
『affectation(気取り)』(英)
『afectación(気取り)』(西)
これも、単語のニュアンスは、「てらう」「飾る」など、ちょっと“盛っている”というか、格好つけたことを表す言葉なので、「気取り」「気取り屋」と訳されています。
『huichelarij(偽善)』(蘭)
オランダでは、その“盛っている”感から、見かけと中身に落差があることを示す花言葉になっています。
個性を貫く花
『風変り』
『個性』
『singularity(風変わり)』(英)
雄鶏のトサカは、他には全くない、独特の形と鮮やかな色が、強烈なインパクトを残します。ケイトウの花も、他にない特別なビジュアルです。
個人主義が強いお国柄のフランスでは、この強烈な自己主張が、オランダとは反対に、ポジティブなものとして受け止められているようです。
花期が比較的長く、花色がなかなか色あせない点も相まって、何者の干渉をも跳ね除けるブレない強さ、普遍性をイメージする花言葉を持ちました。
『fidelite(忠実・忠誠)』(仏)
『constance(恒常)』(仏)
『immortalite(不死・不滅)』(仏)
日本の花言葉
『色あせぬ恋』
も、そんな普遍性を表しています。
ケイトウってどんな花?
鶏のトサカ・・・?
トサカみたいな花、というイメージで思い浮かぶケイトウの花は、こんな花でしょうか。
しかし、最近、花壇やプランターの植え込み、花屋さんの店頭でよく見るケイトウは、実はこんな円錐形の花が多くなっています。
ケイトウ属(学名:Celosiaセロシア)の仲間は世界に60品種ほどありますが、栽培種として普及しているのは、上の2品種の系統の園芸種がほとんどです。
品種名でいうと、この2系統になります。
- トサカ系「Celosia cristata(セロシア・クリスタータ)」
- 円錐形系「Celosia argentea L.(セロシア・アルゲンテア)」
トサカ系(クリスタータ系)は、花名の所以ですが、最近は円錐型の花(和名:ノゲイトウ)の仲間の人気がやや優勢です。
変わりダネ
トサカ系の仲間の中で、「久留米ケイトウ」と呼ばれる品種は、トサカ部分がクネクネとひだが折り重なるようにかたまって、こんもり丸くなっているのが特徴です。
円錐形の花穂部分が、ふさふさと羽毛のようになっている品種も人気があります。
これは、「羽毛ケイトウ」と呼ばれている、ノゲイトウ系の仲間です。品種名は
です。「プルモーサ系」と呼ばれることもあります。
花穂が細長く槍の先端のような形の仲間もあります。
という品種で、「ヤリゲイトウ」「キルドシー系」と呼ばれます。
燃える炎の花
学名「Celosia(セロシア)」は、ギリシャ語の「keleos(燃えた)」が語源です。強い真っ赤な花色が、燃える炎のような激しい色に見えたのでしょう。
キルドシー系も、西洋では“槍”ではなく“ろうそく”に見立てて「キャンドル系」と呼ばれています。
花言葉は男性の洒落っ気を示すニュアンスのものが多いですが、赤に限らず、オレンジや黄色などの暖色系の花をいろいろ合わせて、情熱的な愛情を伝えるプレゼントにしてもいいですね。
花持ちもいいので、切り花がアレンジメントに使わたもの、寄せ植えの鉢も良く見ます。見ていると元気がわいてきそうな花です。
分類: ヒユ科ケイトウ属
学名: Celosia セロシア(属名)
和名: 鶏頭(ケイトウ)
別名: 鶏冠花(ケイカンカ)、韓藍(カラアイ)
英名: Cockscomb
開花時期: 8~10月 夏~秋の花
花色: 赤、ピンク、オレンジ、黄、白など
草丈: 15~150cm 一年草
花持ち期間: 5~7日
原産地: アジア・アフリカの熱帯地方