夏の花の花言葉

タマスダレの花言葉/西の国から風に乗って極東にたどり着いた花

Written by すずき大和


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タマスダレと聞くと、

「あさて、さて、さてさてさてさて、さては南京玉簾・・・」

という口上でお馴染みの大衆芸を思い浮かべてしまう人もいると思います。あの「玉簾」は、もともと平安時代頃からある、日よけや目隠しのために屋内で使われる小さめのスダレのことです。南京玉簾の演芸に使われるようになったのは、江戸時代半ば過ぎです。

花の名前のタマスダレは、明治維新頃に西洋から入ってきた園芸植物に付いた和名です。

お椀形に半開きに咲く白い花を“玉”に
花のない時期、細い葉がたくさん地面から伸びる様子を“スダレ”に

見立てて「タマスダレ」となりました。

残念ながら(?)南京玉簾とは全く関係なしです。

タマスダレ属は世界に70種ほどあります。日本では一般に「タマスダレ」と呼ぶと白い花の特定品種を指します。海外ではピンクや黄色の花が咲く品種の方がポピュラーで、最近は学名の「ゼフィランサス」の名で、日本でも出回っています。



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タマスダレの花言葉

タマスダレ属(ゼフィランサス)全般の花言葉

『汚れなき愛』
『便りがある』
『期待』

タマスダレの花言葉

『潔白な愛』
『清純の愛』
『慎重』
『繊細な心』

サフランモドキの花言葉

『陽気』
『喜び』
『歓喜』

西洋のゼフィランサス全般の花言葉

『expectation(期待)』(英)
『attente(期待)』(仏)

タマスダレってどんな花?

南アメリカ生まれの外来種

タマスダレ属(ゼフィランサス)は南米大陸が原産で、中世には西半球の温帯地方に広く分布していました。コロンブスが西インド諸島にたどり着いて以降、多くのアメリカ大陸の植物がヨーロッパに伝わりました。ゼフィランサスもそのひとつです。

ゼフィランサス(Zephyranthes)の花名は、ヨーロッパ人が付けた名称です。ギリシャ神話に出てくる西風の神様「ゼピュロス(Zephyros)」とギリシャ語の「花(anthos)」が語源です。

気温が20度以上を保つところでは、年に何回も花を付ける四季咲きの多年草で、球根が根付くとほったらかしにしてもよく育ちます。ヨーロッパにもあっという間に帰化して広まりました。最初に新たな西の世界から伝わった花々の中で、当時最も目についたのかもしれません。

原産地では、「雨のゆり」という意味の花名が付いていました。雨がたくさん降ると、花茎が急に伸びて花が咲くことにちなみます。今でも、アメリカ大陸では

Rain lily(英)
Lirio de lluvia(西)

と呼ばれることが多いです。

日本でよく見られるタマスダレ属

1,タマスダレ

日本でも、最初に伝わった

「タマスダレ(学名:Z. candida ゼフィランサス・カンジダ)」

は広く根付いて帰化しています。

Z.カンジダ


2,サフランモドキ

カラフルなゼフィランサスも園芸種として広まっています。ピンクや薄紫色に咲く品種

「Z. grandifloraグランディフローラ」
「Z. carinataカリナタ」

は、一番人気です。見た目がクロッカス属のサフランに似ているため、

「サフランモドキ」

という和名が付いています。

サフランモドキ


サフランもどきより濃いめのピンクの品種

「Z. roseaロゼア」

もあり、西洋ではこちらも人気が高いです。

黄色いタマスダレ

珍しい所では、黄色い花の品種もあります。

「Z. citrina キトリナ または シトリナ」

が海外ではポピュラーです。

Z.キトリナ


が、日本では、全く別の種であるステルンべルギア属の黄色い品種のことを

「キバナタマスダレ」

と呼んでいるので、間違えないでください。

花言葉の由来

西風は春の訪れを告げる

ギリシャ神話の風の神は全部で4柱います。西風は、地中海世界では春の訪れを告げる風であり、ゼピュロスは豊穣を招く神様とされています。

『expectation(期待)』(英)
『attente(期待)』(仏)

『期待』
『陽気』
『喜び』
『歓喜』

これらは、春を待ちわびる気持ちや、春の訪れを喜ぶ気持ちから生まれた花言葉です。

日本の冬は寒いので、地植えのタマスダレは四季咲きにはならず、夏の花として知られています、が、花言葉は西洋の花言葉とゼピュロスの神話に準じたようです。また、ピンクのサフランモドキの色のイメージにも由来しています。

『便りがある』

も、“西風が「春の便り」を運んでくる”という解釈からきました。

清廉潔白、清楚で謙虚な花

『汚れなき愛』
『潔白な愛』
『清純の愛』
『慎重』
『繊細な心』

タマスダレの花言葉は、純白の花色とシュンとした花姿のイメージからきています。日本では、タマスダレ属といえばこの花なので、ゼフィランサス全般の花言葉にも転嫁されています。

本当は、やたらに丈夫で、咲く時期もおおざっぱな花なんですけど・・・。

タマスダレ以外のカラフルな品種で、個別の花言葉があるのはサフランモドキだけですが、日本では、ゼフィランサスの園芸種が年々増えています。オレンジ色の花の品種や、小さめの花の咲く品種なども出回り始めており、今後、日本オリジナル改良種も増えるかもしれません。

新たな帰化種が広まると、そのうち色別の花言葉も増えていくかもしれませんね。

タマスダレの基本データ

分類: ヒガンバナ科タマスダレ属
学名: Zephyranthes ゼフィランサス(属名)
和名: 玉簾
英名: Rain lily,Zephyr flower,Zephyr lily,Fairy lily
開花時期: 6~9月 夏の花
花色: 白、ピンク、黄など
草丈: 15~30cm 多年草
花持ち期間: 3~5日生息地:
原産地: 南アメリカ


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。