アカツメクサ(赤詰草)は、レンゲに似た濃いピンクや紫色の花を咲かせる野の花です。
葉は三つ葉で、花も葉もクローバー(シロツメクサ:白詰草)ともよく似ています。
西洋では、シロもアカも区別なく「クローバー」と呼ぶ国が多いです。どちらも牧草や緑肥(植えたまま耕して肥料にする植物)として古くから利用されてきました。
シロとアカは別品種で、花の大きさや葉の付き方が違います。イギリスでは、アカは
「Red Clover レッドクローバー」
と呼ばれますが、普通のクローバー(シロツメクサ)とは区別されることが多く、花言葉も別になっています。
もくじ
アカツメクサの花言葉
アカツメクサ全般の花言葉
『勤勉』
『実直』
『善良で陽気』
『豊かな愛』
西洋の花言葉
英語のRed Clover の花言葉
『industry(勤勉)』
クローバーの赤花の花言葉
『je voudrais bien savoir(私は知りたい)』(仏)
『zele(熱狂)』(仏)
『industria(勤勉)』(西)
クローバー全般の花言葉
『incertitude(疑い、不安心)』(仏)
『venganza(復讐)』(西)
四つ葉のクローバーの花言葉
『be mine(私のものになって)』(英)
『sei mein!(私のものになって!)』(独)
『soyez a moi(私のものになって)』(仏)
『good luck(幸運)』(英)
アカツメクサってどんな花?
シロツメクサとの違い
1,シロツメクサ
クローバーは、広義では、マメ科シャジクソウ属(トリフォリウム属)の総称です。
日本やイギリスで一般に「クローバー(Clover)」と呼ばれているのは、
和名:白詰草(シロツメクサ)
学名:Trifolium repens トリフォリウム・レペンズ
という白花の品種です。春夏の野原や公園で、地面を覆うように群生しています。
2,アカツメクサ
シロツメクサの中にも薄ピンク色の花が咲く亜種がありますが、赤系色の花のクローバーとして紹介されているもののほとんどが、
和名:アカツメクサ(赤詰草)
学名:Trifolium pratense トリフォリウム・プラテンス
という品種とその亜種です。
シロツメクサより花も葉も大きく、草丈も倍くらい高くなります。
葉の付き方も、異なります。葉茎とは別に長い茎が伸びた先に花が付くシロツメクサと違い、アカツメクサは花のすぐ下にも葉が付きます。葉の形も、丸みを帯びたシロツメクサよりも細長い印象です。
花言葉の由来
クローバーの花言葉はシャムロックから
シロツメクサはアイルランドの花(国花)です。
432年に聖パトリックが初めて布教活動に訪れた際、「シャムロック(shamrock)」と呼ばれている、アイルランド土着の信仰で御守とされていた“三つ葉の葉っぱ”になぞらえて、キリスト教の「三位一体」の教義を説いて歩きました。
後々キリスト教国として繁栄していくと、クローバーは聖パトリックのシンボルになりました。
そんな流れから、クローバーの花言葉には、宗教的なニュアンスが反映されています。
『think of me(私を思って)』(英:シロツメクサの花言葉)
『be mine(私のものになって)』(英:四つ葉の花言葉)
これは、愛の告白のように見えますが、信仰に帰依することを促す意味合いが発端、ともいわれています。
『incertitude(疑い、不安心)』(仏)
『venganza(復讐)』(西)
西洋では、クローバーというと四つ葉のラッキー伝説が印象深いため、一般的な三つ葉も含めクローバー全部に四つ葉のイメージが波及しています。
四つ葉のクローバーは十字架を表します。そこから、磔(はりつけ)刑や、最初に布教された頃に受けた弾圧の歴史などを示唆する、ネガティブな花言葉が生まれた、との説があります。
アカツメクサはちょっと違う
前述の通り、アカツメクサはシロツメクサとはビジュアルが異なります。地を這うように群生するクローバーと違い、茂みのようにこんもりとする印象です。大き目の赤花も目立ちます。
『industry(勤勉)』(英)
『je voudrais bien savoir(私は知りたい)』(仏)
『zele(熱狂)』(仏)
『industria(勤勉)』(西)
『industryインダストリー』は「産業」と訳されることが多い単語です。「事業」「業界」とも訳されますが、快活にシャカシャカ動き回るニュアンスを持ち、人の行動を表す言葉として使われる時は、「勤勉」とか「丹精」「出精」などと訳されます。
フランスの花言葉も含め、アカツメクサの見た目の印象が、わさわさと精力的に感じるところから発祥したようです。
『勤勉』
『実直』
『善良で陽気』
これらは、industryの日本語訳から生じたバリエーションです。
アイヌの悲恋物語
『豊かな愛』
これには、アイヌの伝説が由来する、という説もあります。
部族の対立を超えて愛し合う2人が逢引きする時、男は川を渡ってきますが、ある時船が転覆します。遺体として流れ着いた男を見た女は、彼を自分の身体に括り付け、自ら水に飛び込んで自殺します。2人が死んだあと、岸辺にはクローバーが群生するようになりました。
このクローバーをシロツメクサと紹介する情報もありますが、北海道ではアカツメクサのほうがよく見られ、自生種はアカの確率のほうが高いと見られます。
ということで、この花言葉は2人の愛の深さを表している、といわれています。
分類: マメ科シャジクソウ属(トリフォリウム属)
学名: Trifolium pratense トリフォリウム・プラテンス
和名: 赤詰草(アカツメクサ)
紫詰草(ムラサキツメクサ)
別名: 馬肥し(ウマゴヤシ)
英名: Red Clover
開花時期: 5~8月 夏の花
花色: ピンク、紫
草丈: 30~60cm 多年草
花持ち期間: 7日前後
生息地: 世界の温帯地方
原産地: 地中海沿岸~西アジア