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ローズマリーの花言葉/神秘のハーブが象徴する多くの意味

Written by すずき大和

「ローズマリー」と聞くと、花というより、肉料理などに添えられている針のような細長い葉っぱのハーブを連想する人が多いかもしれません。

独特の強い香りを放ち、消臭効果や殺菌作用、抗酸化作用があるといわれるローズマリー。西洋社会では、古くから、生や乾燥させたもの、精油などを、料理の風味付けやハーブティ、アロマテラピー、生薬等に使ってきました。

悪いものを清めるイメージから、様々な文化で、宗教儀式や呪術、おまじないや縁起物としても利用されてきた歴史があります。ローズマリーは、

“神秘の力を持つハーブ”

と呼ばれてきました。



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もくじ

ローズマリーの花言葉

ローズマリー全般の花言葉

『追憶』
『思い出』
『記憶』
『忠誠』
『献身』
『静かな力強さ』
『あなたは私を蘇らせる』
『貞節』
『誠実』
『変わらぬ愛』
『私を忘れないで』

西洋の花言葉

『remembrance(記憶・思い出)』(英)
『souvenirs(記憶・思い出)』(仏)
『recuerdo(記憶・思い出)』(西)
『Votre existence me fait revivre(あなたは私を蘇らせる)』(仏)
『Je suis heureux quand je vous vois(あなたに会うと幸せ)』(仏)
『coeur heureux(幸せな心)』(仏)
『persistencia(持続性・固執)』(西)
『lealtad(忠誠心)』(西)
『buena fé(誠意)』(西)
『beständigkeit(一貫性)』(独)
『treue(忠誠)』(独)

ローズマリーってどんな花?

オフィシナリス

日本では特にスパイスやハーブのイメージが強いようですが、冬場も花を付ける常緑低木であるため、ガーデニングにも広く使われています。

ヨーロッパで昔からハーブや庭木にされてきたのは、主に

学名:Rosmarinus Officinalis ロスマリヌス・オフィシナリス

という品種です。

日本でも一般的にローズマリーというと、この品種を指します。茎が垂直に伸びる立ち性で、1~1.5mほどの高さになり、白や淡い青紫色の花を付けます。

ローズマリー・オフィシナリス


鑑賞用の園芸種も豊富

ローズマリーの仲間は、もともと地中海周辺原産ですが、今は世界に広がっています。ハーブ作物や園芸用の栽培も各地で行われており、オフィシナリスの変種も多く見られます。

園芸種としては、ほふく性や半ほふく性のものも人気があり、グラウンドカバーにされることもあります。

アメリカの園芸家が作った「モーツァルトブルー」という名の半ほふく性の品種も、オフィシナリスの変種のひとつです。ローズマリーの仲間の中で最も濃い青色の花を咲かせるといわれ、ガーデナーに人気があります。

モーツァルトブルー


花言葉の由来

神秘の効能

古代エジプトでは、ミイラの腐敗防止のため、ローズマリーの枝を棺に入れました。エジプトの信仰では、ミイラは来世で蘇るものですから、やがて「再生」「不死」を象徴する花となり、神聖なイメージが広まっていきました。

葬儀にローズマリーを利用する習慣は、ヨーロッパ各地に定着していきました。

  • 死者の冠にする
  • 教会の通路に葉を敷き詰める
  • 死者を称えるために墓の近くに植える

など、今もいろいろな風習が残っています。

『追憶』
『静かな力強さ』
『あなたは私を蘇らせる』
『変わらぬ愛』
『私を忘れないで』
『忠誠』
『Votre existence me fait revivre(あなたは私を蘇らせる)』(仏)
『persistencia(持続性・固執)』(西)
『lealtad(忠誠心)』(西)
『beständigkeit(一貫性)』(独)
『treue(忠誠)』(独)

これら、再生や未来永劫変わらない不変性を象徴するような花言葉は、そんな、神秘なイメージから生まれました。

『思い出』
『記憶』
『remembrance(記憶・思い出)』(英)
『souvenirs(記憶・思い出)』(仏)
『recuerdo(記憶・思い出)』(西)

また、ローズマリーの神秘の力のひとつとして、記憶力をアップさせる効果があると、大昔から信じられてきました。記憶に関する花言葉は、そこからきています。

『Je suis heureux quand je vous vois(あなたに会うと幸せ)』(仏)
『coeur heureux(幸せな心)』(仏)

神聖な魔除けのイメージから、西洋では、結婚式の演出にもローズマリーは欠かせません。ハンガリーでは、70代の時20代の男性から求婚された王妃のアンチエイジングの秘訣がローズマリーだった、という逸話もあります。ローズマリーの花は、「愛」「幸福」の象徴でもありました。

聖母の象徴

『献身』
『貞節』
『誠実』
『buena fé(誠意)』(西)

キリスト教のいい伝えとして、

“マリアがイエスを夜露から守るため、白花のローズマリーの枝に自分の青色の衣をかけて赤ん坊の覆いにしたところ、花色がマリアの衣と同じ青に変わった”

という話が残っており、ローズマリーは聖母の象徴ともされています。そして、マリアのイメージから、貞操や誠実さを意識した花言葉もできました。

シェイクスピアとローズマリー

愛と記憶のシンボル

シェイクスピアは、「ハムレット」「ロミオとジュリエット」「リア王」など多くの作品の中で、ローズマリーのエピソードを書いています。「記憶」「愛」を象徴するイメージや花言葉が暗に物語を演出しています。

ローズマリーの花言葉が、これほどヨーロッパ社会に浸透したのは、シェイクスピア文学の影響も多少あったかもしれません。

何にせよ、西洋でのローズマリーは、ちょっとスピリチュアルなパワーを示唆するアイテムなのです。

ローズマリーの基本データ

分類: シソ科マンネンロウ属
学名: Rosmarinus Officinalis ロスマリヌス・オフィシナリス
和名: 万年朗・万年蝋・万年露(マンネンロウ)
別名: 迷迭香(メイテツコウ)※漢名・生薬名
英名: Rosemary
開花時期: 11~5月 秋~初夏の花
花色: 白、ピンク、薄紫、淡い青
樹高: 20~200cm 常緑低木
生息地: 世界の温帯地域
原産地: 地中海沿岸地方


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。