ポピーの和名は
「ヒナゲシ」
と、紹介されることが多いですが、ヒナゲシは一品種の名称です。世界では一般的にケシ科ケシ属の植物、場合によってはケシ科の植物全部を「ポピー」と呼んでいます。
日本でも、店頭でポピーの名で流通しているのは、ヒナゲシのほか、アイスランドポピー、オリエンタルポピー(和名オニゲシ)などの品種です。
アヘンの原料成分となるモルヒネが含まれる品種も、ポピー中の一種です。日本ではこちらを「ケシ」と呼んで、園芸種のポピーと区別しています。
モルヒネは、厳重な管理のもとに医療に活用されますが、古代文明の頃は民間の睡眠薬としてポピーが日常的に利用されていました。
属名の学名「Papaver」は、ラテン語の「papa(おかゆ)」が語源ですが、これは、赤ちゃんをよく寝かせるために、ケシの汁入りおかゆをあげていたことに由来しています。
麻薬が違法で、ケシの栽培や所持が禁止されている現代の日本からすると、びっくり仰天ですね。
もくじ
ポピーの花言葉
ポピー全般の花言葉
『いたわり』
『思いやり』
『慰め』
『恋の予感』
『陽気で優しい』
西洋の花言葉
『oblivion(忘却)』(英)
『sleep(眠り)』(英)
『imagination(想像力)』(英)
『repos(休息)』(仏)
『tranquilité(平静)』(仏)
『consolation(慰め)』(仏)
『I’ardeur fragile(壊れやすい熱意)』(仏)
『troost(慰め)』(蘭)
『slaap(眠り)』(蘭)
『dromen(夢)』(蘭)
『trost(慰め)(独)
色別の花言葉
赤花の花言葉
『慰め』
『感謝』
『喜び』
『consolation(慰め)』(英)
『pleasure(喜び)』(英)
![ポピー赤](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/11/e062214bade1d11d236bb5a4ffc941e4.jpg)
白花の花言葉
『眠り』
『忘却』
『sleep(眠り)』(英)
![ポピー白](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/11/b609d04031d263ac419b998b0e8ce9fa.jpg)
黄花の花言葉
『wealth(富)』(英)
『success(成功)』(英)
![ポピー黄](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/11/ff611be6984fddd727fcb8c625198161.jpg)
品種別の花言葉
ヒナゲシの花言葉
『心の平静』
『乙女らしさ』
『別れの悲しみ』
『休息』
アイスランドポピーの花言葉
『七色の恋』
オリエンタルポピーの花言葉
『夢想』
『妄想』
『繁栄』
『やさしい愛』
ポピーってどんな花?
日本で流通するポピー
ケシ属はポピーもケシも含めて60種以上あります。ヨーロッパからアジアにかけての寒帯から温帯が原産地で、日本にも利尻島に固有種があります。店頭に出回っている園芸種のほとんどは外来種ですが、帰化して野性化しているものも多くあります。
内外で見られる代表的な園芸種です。日本では個別に花言葉がついています。
1,ヒナゲシ(Corn poppy)
最もポピュラーな自生種です。小さめの花が特徴です。
![ヒナゲシ](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/11/54bd94c393f9326687334330889e09fa.jpg)
2,アイスランドポピー(Iceland poppy)
花もちが長いので、切り花として店頭に売られているのはほとんどがこの品種です。
![アイスランドポピー](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/11/19366dc2c2ccb307d31282c1325fd7da.jpg)
3,オリエンタルポピー(Oriental poppy)
花の中央の黒い斑点が特徴です。大きめの花が咲きます。
![オリエンタルポピー](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/11/1294a1df072574ab09b735b481d17925.jpg)
花言葉の由来
心休める睡眠薬
ポピーは茎などを傷つけると白い乳液が出ます。この液にはアルカロイド成分が含まれ、多くは古代から薬用として利用されてきました。特にモルヒネの鎮痛・鎮静作用はよく知られており、花言葉の多くもそこに由来します。
『いたわり』
『思いやり』
『慰め』
『心の平静』
『休息』
『夢想』
『妄想』
『眠り』
『忘却』
『oblivion(忘却)』(英)
『sleep(眠り)』(英)
『consolation(慰め)』(英)
『repos(休息)』(仏)
『tranquilité(平静)』(仏)
『consolation(慰め)』(仏)
『troost(慰め)』(蘭)
『slaap(眠り)』(蘭)
『dromen(夢)』(蘭)
『trost(慰め)(独)
ギリシャ神話のデメテル
ポピーの鎮静剤の話は、ギリシャ神話の中にもあります。
豊穣の女神デメテルは、最愛の娘を冥界の王ハデスに奪い去られ、悲しみに打ちひしがれて夜も眠れません。眠りの神ヒュプノスは、そんなデメテルにケシの実を与えます。デメテルはようやく眠ることができ、心と身体を癒しました。
『やさしい愛』
は、ヒュプノスの心遣いを
『感謝』
『喜び』
『pleasure(喜び)』(英)
は、デメテルのヒュプノスへの謝意を
『別れの悲しみ』
は、デメテルの娘を思う気持ちを表したものです。
明るい暖色系の花のイメージ
『恋の予感』
『陽気で優しい』
『乙女らしさ』
『七色の恋』
『imagination(想像力)』(英)
明るく快活で可愛らしい花姿のイメージから生まれた花言葉です。
アイスランドポピーは、白・赤・ピンク・オレンジ・黄色などのとりどりの花色が入り混じって群生しているので、『七色の恋』です。
あっという間に咲いて散る
『繁栄』
ポピーは成長がとても早いので、花畑が育つ光景が繁栄の象徴に見えます。
『I’ardeur fragile(壊れやすい熱意)』(仏)
アイスランドポピー以外の種は、花期は2~3か月ありますが、一つ一つの花は多くが1~3日でしぼんでしまうところからきています。フランス語の「壊れやすい熱意」というのは、
“できるだけ早く愛を成就させましょう(急がないと覚めちゃうよ)”
という意味を示唆しています。
分類: ケシ科ケシ属
学名: Papaver パパウェル(属名)
和名: 雛罌粟(ヒナゲシ)(P. rhoeas ロエアス)
シベリア雛罌粟(P. nudicaule ヌディカウレ)
鬼罌粟(オニゲシ)(P. orientale オリエンタル)
別名: 虞美人草(グビジンソウ)、コクリコ ※ヒナゲシの別名
英名: Corn poppy, Corn rose, Field poppy (P. rhoeas)
Iceland poppy アイスランドポピー(P. nudicaule)
Oriental poppy オリエンタルポピー(P. orientale)
開花時期: 4~6月 春の花
花色: 赤、白、黄、ピンク、オレンジなど
草丈: 20cm~1m
花持ち期間: 1~3日
原産地: ヨーロッパ、アジア