夏の花の花言葉 春の花の花言葉

カスミソウの花言葉/花束の名脇役!たまには主役もやらせてね

Written by すずき大和

小さい花や大きな花
ひとつとして同じものはないから
No.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly one
(「世界に一つだけの花」歌詞より)

と、歌ったのはSMAPです。

人も花もそれぞれに代えがたい価値があり、順列をつける必要はない、

というメッセージが多くの人の心に響き、過当競争や戦争へのアンチソングとしても支持されてヒットしました。

が、現実の人というものは、何についても、主役か脇役かのキャラ付けをついついしてしまう生き物のようです。

花束の中でも、主役になる花と脇役の花とは、しっかりステレオタイプがあります。

カスミソウは、世界中で、「優れた名脇役」の認識が浸透している花といえるでしょう。

花のアレンジメントを

  • より華やかに、
  • 個性の強い花々もふんわりマイルドに、

全体をまとめ上げる演出に欠かせない花には、そんな

「脇役ならではの気持ち」

を投影した花言葉がいろいろあります。



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もくじ

カスミソウの花言葉

カスミソウ全般の花言葉

『清らかな心』
『幸福』
『夢心地』
『切なる喜び』
『親切』
『感謝』
『ありがとう』
『無邪気』
『無垢の愛』

ピンクの花の花言葉

『切なる愛』
『感謝』

カスミソウってどんな花?

大陸の乾燥地の低木がイギリスで園芸種に

カスミソウは、一日のうちの光のあたる時間が一定時間以上になると咲く、という性質を持つ“長日植物”の一種です。

春、昼の時間が12時間以上になると開花が促進され、秋になって10時間以下になると咲かなくなります。

原産はヨーロッパから西アジアで、ちょっと痩せた土地、石灰質の土壌の地域に広く自生していました。学名(英名)は、ギリシャ語で“白灰を愛する”という意味の造語で「ジプソフィラ(Gypsophila)」といいます。

シベリアやコーカサス地方などの寒い土地や、中東の乾燥地帯で、荒野の夏シーズンを飾る花でした。18世紀にイギリスに伝わり、ガーデニングや切り花用の栽培が始まります。品種改良も進み、園芸種と原種合わせて現在は150種類ほどあります。

柔らかな雰囲気が、メインの花を輝かせる

枝の先端か細かく分かれ、白い小さな花を付けます。小さな花が無数にふんわりと咲き広がる姿が、春の霞がかかったように見えるので「カスミソウ」の和名がつきました。

繊細な緑色の枝先に小さな白い花がたくさん咲いている姿は、清らかで優しい雰囲気を醸し出します。

その慎ましやかでマイルドな印象から、切り花がアレンジメントの演出に重宝されます。
花と花の間を埋めて全体を調和させたり、脹らみを持たせて華やかな印象にまとめたりするのに最適な、まさに「名脇役」の活躍をしてくれる花です。

花言葉の由来

純白で奥ゆかしい花姿

『清らかな心(purity of heart)』

は、英語の花言葉からきました。白く慎ましい花姿が「清楚」な印象を与えるだけでなく、花束の中で周りの花を引き立てる奥ゆかしさも表す花言葉です。

花を飾るシチュエーション

花束やアレンジメント、生け花などが贈られたり、飾られたりする場面というのは、祝賀雰囲気の喜ばしい場です。

『幸福』
『夢心地』

は、切り花の活躍するそんな状況が表されている言葉です。

メインの花を引き立てる名演出

『切なる喜び』

これはもう、脇役としての「いい仕事してますねぇ」感を陰ながらかみしめる心情ですね。

ガーデニングでは、品種改良により生まれたピンクの花の種も多く見られます。また、最近では、切り花でも青く染めたりラメを吹き付けたりしたものが出回っており、白花も含め、カスミソウだけの花束の人気も決して低くはありません。

が、アレンジメントに入る白花が、他の花をいっそう引き立てる演出力の評価は俄然高いものがあり、やはり「脇役の女王」の地位が絶対的かもしれません。

引き立ててくれてありがとう

『親切』
『感謝』
『ありがとう』

引き立ててもらっている花の気持ちと、花束を贈られる人の気持ちです。

アレンジメント用カスミソウは赤ちゃんの吐息

カスミソウと名が付けられた最初の種は、花の大きさが1cm弱の「エレガンス種」という種類のもので、英名も、こちらの種を「コモン・ジプソフィラ(common Gypsophila)」(コモンは「普通の」の意)といいます。

エレガンス種は多くが一年草ですが、多年草の「パニクラタ種」(和名は「宿根カソミソウ」)のほうが小さな花が細かく咲き、よりふんわり感があるため、現在花屋さんでアレンジメントに使われるカスミソウはほとんどこちらのタイプです。

ふわふわとした儚いビジュアルから、英語ではパニクラタ種を

「ベビーズ・ブレス(Baby’s breath)」

といいます。訳すと

「赤ちゃんの吐息」
「愛しい人の吐息」

です。

『無邪気』
『無垢な愛』

は、純真無垢な赤ちゃんを表す花言葉です。

ほんとは主役にもなってみたい

そんな慎ましやか(と人間が思い込んでいる!?)花ですが、いつも引き立て役ばっかりというのも、ちょっと気の毒な気もしてきます。

ピンクの花の花言葉

『切なる願い』

は、ちょっと色味が付いている分、

“カスミソウだって、たまには自分がメインで輝いてみたい!”

という、ささやかな自己主張の気持ちが表れた花言葉なのかもしれません。

カスミソウの基本データ

分類: ナデシコ科カスミソウ属
学名: Gypsophila ジプソフィラ(属名)
和名: 霞草(カスミソウ)
宿根霞草(シュッコンカスミソウ)
別名: 花糸撫子(ハナイトナデシコ)
英名: Common gypsophila,Baby’s breath
開花時期: 5~7月 春~夏の花
花色: 白、ピンク
草丈: 20~100cm 一年草・二年草・多年草
花持ち期間: 4~7日
原産地: ヨーロッパ~西アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。