「ネギ坊主」って知っていますか?
畑や家庭菜園が近くにある人は、長ネギや玉ネギの地上部分の青い太い茎の先端に、ポンポンのような球が付いているのを見たことがあるでしょう。
![ネギ坊主](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2018/07/6d6f240f2a463eb3a4c67b9705b6687f.jpg)
これが、ネギ坊主。ネギの花です。
ネギやニンニクなど、ヒガンバナ科ネギ属の植物の多くが、長く伸びた太い花茎の先端に、こんなふうにくす玉状の花を付けます。
食用作物以外にも、園芸種もたくさんあります。切り花やガーデニングで見られるカラフルな品種のことは、ネギ属の学名から「Allium アリウム」と呼ばれています。
もくじ
アリウムの花言葉
アリウム全般の花言葉
『深い悲しみ』
『無限の哀しみ』
『正しい主張』
コワニーの花言葉
『限りない哀愁』
![アリウムコワニー](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2018/07/e0bf1d0dd1f4d1dfb54cdc761cabda3d.jpg)
丹頂アリウムの花言葉
『くじけない心』
『不屈の心』
![丹頂アリウム](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2018/07/4c9857cad6d0048ff07cddbb56565d6a.jpg)
シュベルティの花言葉
『星のように輝く』
![アリウムシュベルティ](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2018/07/da2fa0922fa2496d8f919224fdb045e4.jpg)
西洋の花言葉
『prosperity(繁栄)』(英)
『good fortune(幸運)』(英)
『prospérité(繁栄)』(仏)
『Großes Glück(幸運)』(独)
アリウムってどんな花?
ネギの香りのまん丸の花
西洋でも、日本でも、一般的に「アリウム」と呼ばれているのは、直径20cmくらいの紫色の花を付ける、
学名「Allium giganteum アリウム・ギガンチウム」
という品種のことです。タイトル写真の花がギガンチウムです。
その独特の花姿と存在感が面白がられ、切り花がアレンジメントや生け花などによく使われ、人気上昇中です。
全体からほんのりネギの香りがします。
ニンニクの花も似た紫色で、アリウムの代わりにニンニクを植えるガーデナーさんもいるそうです。ニンニクの花は、ネギよりはやはりニンニクの香りに近いので、花壇で見かけたら、匂いを確かめてみてもいいでしょう、嫌いでなければ(笑)
いろいろなアリウム
ギガンチウム以外にも、いくつもの品種が市場に出回っています。こちらはだいたい具体的な品名で流通しています。個性的な形のものには、日本語の花言葉が付いています。
1,コワニー
学名:Allium neapolitanum アリウム・ネアポリタウム
草丈30~40cmとアリウムの中では小さめです。放射状に真っ白い花を20輪くらい付けます。びっしりくす玉のように花がつく品種とは、ちょっと見た目の印象が違いますが、清楚な雰囲気が日本では人気があります。
2,丹頂アリウム
学名:Allium sphaerocephlum アリウム・スフィアロセフィラム
花穂の上の方から順番に開花していきます。てっぺんから紫色になっていく様子が、頭の赤い丹頂鶴に似ていることから花名が付きました。
普通に育てれば、花茎はまっすぐ直立して伸びますが、園芸界では、わざとくねくねと曲がった花茎に育てられたものが、アレンジメントなどで独特の趣を作り出す、と評判です。
3,シュベルティ
学名「Allium schubertii アリウム・シュベルティ」
長い花茎の先端に星型の花が咲きます。花火のように放射状に広がった形は、直径30cmほどにもなります。流通量はそれほど多くありませんが、華やかさを演出する場などで使われます。ビッグフラワー好きのマニアの人たちの間では有名な花です。
花言葉の由来
華やかなビジュアルの映すもの
『prosperity(繁栄)』(英)
『good fortune(幸運)』(英)
『prospérité(繁栄)』(仏)
『Großes Glück(幸運)』(独)
西洋の花言葉は概ね、ポジティブな響きです。大きく丸く、華やかな見た目の印象から、幸先の良いイメージが導き出されています。
紫色の佇まい
『深い悲しみ』
『無限の哀しみ』
これらは、アリウム・ギガンチウムの花姿に由来する花言葉です。
日本では、明るい紫色(藤色)は、高貴な位を表す色とされ、花言葉も雅なイメージになることが多いです。が、一方で、濃くて暗い紫色は「喪」の印象があり、葬儀や法事の際には紫と白の2色の菊が定番となっています。
ギガンチウムの紫は濃いめなので、悲しみに佇む人の姿を連想させたようです。
シンプルで存在感のある花
『正しい主張』
『くじけない心』
『不屈の心』
こちらは、ヒガンバナ科の花に多く見られる特徴、葉の終わった後に花茎の先に大きな花が付く、というシンプルな咲き姿が、凛として立つように見えることからイメージされた花言葉です。
丹頂アリウムについては、本来はまっすぐ伸びたいのに、人の手で歪曲されるので、「見かけは曲がっても心はまっすぐ」ということを強調したいのかもしれません。
花の個性のままに
『限りない哀愁』
コワニーは、びっしり花が並ぶ球状ではなく、まばらな感じで花が付くので、他のアリウムとは違って、なんとなく寂寥感が感じられ、「哀愁」という表現に繋がりました。
『星のように輝く』
花火のようなシュベルティの星型の花から、満天に広がる星のイメージになりました。
西洋でも、「Allium」というと園芸種を指すことが一般的ですが、花言葉はネギやニンニクと一緒にされることも多いです。
西洋でも、紫色は涙色とされており、紫色の花は哀しみの象徴と見られることが多いのですが、アリウムの花言葉が比較的ポジティブなのは、滋養強壮に効果的な香味野菜のイメージに引っ張られたのかもしれませんね。
分類: ヒガンバナ科ネギ属
学名: Allium アリウム(属名)
和名: 花葱(ハナネギ)
別名: ネギ坊主
英名: Allium,Giant onion,Flowering onion
開花時期: 4~9月 初夏~秋の花
花色: 紫、青、白、ピンク、赤、黄色
草丈: 15~120cm 球根性多年草
生息地: 北半球全般の温暖地域
一部、ブラジルやアフリカの熱帯地方
原産地: 中央アジア、西南アジア