夏の花の花言葉

アリウムの花言葉/巨大な紫色のくす玉の佇まいのイメージは?

Written by すずき大和

「ネギ坊主」って知っていますか?

畑や家庭菜園が近くにある人は、長ネギや玉ネギの地上部分の青い太い茎の先端に、ポンポンのような球が付いているのを見たことがあるでしょう。

ネギ坊主


これが、ネギ坊主。ネギの花です。

ネギやニンニクなど、ヒガンバナ科ネギ属の植物の多くが、長く伸びた太い花茎の先端に、こんなふうにくす玉状の花を付けます。

食用作物以外にも、園芸種もたくさんあります。切り花やガーデニングで見られるカラフルな品種のことは、ネギ属の学名から「Allium アリウム」と呼ばれています。



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もくじ

アリウムの花言葉

アリウム全般の花言葉

『深い悲しみ』
『無限の哀しみ』
『正しい主張』

コワニーの花言葉

『限りない哀愁』

アリウムコワニー


丹頂アリウムの花言葉

『くじけない心』
『不屈の心』

丹頂アリウム


シュベルティの花言葉

『星のように輝く』

アリウムシュベルティ


西洋の花言葉

『prosperity(繁栄)』(英)
『good fortune(幸運)』(英)
『prospérité(繁栄)』(仏)
『Großes Glück(幸運)』(独)

アリウムってどんな花?

ネギの香りのまん丸の花

西洋でも、日本でも、一般的に「アリウム」と呼ばれているのは、直径20cmくらいの紫色の花を付ける、

学名「Allium giganteum アリウム・ギガンチウム」

という品種のことです。タイトル写真の花がギガンチウムです。

その独特の花姿と存在感が面白がられ、切り花がアレンジメントや生け花などによく使われ、人気上昇中です。

全体からほんのりネギの香りがします。

ニンニクの花も似た紫色で、アリウムの代わりにニンニクを植えるガーデナーさんもいるそうです。ニンニクの花は、ネギよりはやはりニンニクの香りに近いので、花壇で見かけたら、匂いを確かめてみてもいいでしょう、嫌いでなければ(笑)

いろいろなアリウム

ギガンチウム以外にも、いくつもの品種が市場に出回っています。こちらはだいたい具体的な品名で流通しています。個性的な形のものには、日本語の花言葉が付いています。

1,コワニー

学名:Allium neapolitanum アリウム・ネアポリタウム

草丈30~40cmとアリウムの中では小さめです。放射状に真っ白い花を20輪くらい付けます。びっしりくす玉のように花がつく品種とは、ちょっと見た目の印象が違いますが、清楚な雰囲気が日本では人気があります。

2,丹頂アリウム

学名:Allium sphaerocephlum アリウム・スフィアロセフィラム

花穂の上の方から順番に開花していきます。てっぺんから紫色になっていく様子が、頭の赤い丹頂鶴に似ていることから花名が付きました。

普通に育てれば、花茎はまっすぐ直立して伸びますが、園芸界では、わざとくねくねと曲がった花茎に育てられたものが、アレンジメントなどで独特の趣を作り出す、と評判です。

3,シュベルティ

学名「Allium schubertii アリウム・シュベルティ」

長い花茎の先端に星型の花が咲きます。花火のように放射状に広がった形は、直径30cmほどにもなります。流通量はそれほど多くありませんが、華やかさを演出する場などで使われます。ビッグフラワー好きのマニアの人たちの間では有名な花です。

花言葉の由来

華やかなビジュアルの映すもの

『prosperity(繁栄)』(英)
『good fortune(幸運)』(英)
『prospérité(繁栄)』(仏)
『Großes Glück(幸運)』(独)

西洋の花言葉は概ね、ポジティブな響きです。大きく丸く、華やかな見た目の印象から、幸先の良いイメージが導き出されています。

紫色の佇まい

『深い悲しみ』
『無限の哀しみ』

これらは、アリウム・ギガンチウムの花姿に由来する花言葉です。

日本では、明るい紫色(藤色)は、高貴な位を表す色とされ、花言葉も雅なイメージになることが多いです。が、一方で、濃くて暗い紫色は「喪」の印象があり、葬儀や法事の際には紫と白の2色の菊が定番となっています。

ギガンチウムの紫は濃いめなので、悲しみに佇む人の姿を連想させたようです。

シンプルで存在感のある花

『正しい主張』
『くじけない心』
『不屈の心』

こちらは、ヒガンバナ科の花に多く見られる特徴、葉の終わった後に花茎の先に大きな花が付く、というシンプルな咲き姿が、凛として立つように見えることからイメージされた花言葉です。

丹頂アリウムについては、本来はまっすぐ伸びたいのに、人の手で歪曲されるので、「見かけは曲がっても心はまっすぐ」ということを強調したいのかもしれません。

花の個性のままに

『限りない哀愁』

コワニーは、びっしり花が並ぶ球状ではなく、まばらな感じで花が付くので、他のアリウムとは違って、なんとなく寂寥感が感じられ、「哀愁」という表現に繋がりました。

『星のように輝く』

花火のようなシュベルティの星型の花から、満天に広がる星のイメージになりました。

西洋でも、「Allium」というと園芸種を指すことが一般的ですが、花言葉はネギやニンニクと一緒にされることも多いです。

西洋でも、紫色は涙色とされており、紫色の花は哀しみの象徴と見られることが多いのですが、アリウムの花言葉が比較的ポジティブなのは、滋養強壮に効果的な香味野菜のイメージに引っ張られたのかもしれませんね。

アリウムの基本データ

分類: ヒガンバナ科ネギ属
学名: Allium アリウム(属名)
和名: 花葱(ハナネギ)
別名: ネギ坊主
英名: Allium,Giant onion,Flowering onion
開花時期: 4~9月 初夏~秋の花
花色: 紫、青、白、ピンク、赤、黄色
草丈: 15~120cm 球根性多年草
生息地: 北半球全般の温暖地域
     一部、ブラジルやアフリカの熱帯地方
原産地: 中央アジア、西南アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。