夏の花の花言葉

サルスベリの花言葉/猿もすべる木を庭木にして運が落ちない?

Written by すずき大和

幹がツルツルすべすべなので、猿もすべって落ちるのではないか?

というところから付いた名前が「サルスベリ」です。

実際にはそんなことはなく、猿は苦も無く平気で登れるそうですが。

「すべる」ってあまり縁起のいい言葉ではありませんが、公園や玄関先の庭木として植えられることが多く、日本ではとてもポピュラーな花木です。

そういえば、受験生がいる中学校の校庭の片隅にも植えられていたなあ・・・

花言葉が特別ポジティブな響き、という程でもないのに、縁起や吉凶を気にする日本人に、なぜだか不思議と愛されている花のようです。



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もくじ

サルスベリの花言葉

サルスベリ全般の花言葉

『雄弁』
『活動』
『世話好き』
『愛嬌』
『不用意』
『あなたを信じる』
『潔白』

中国の花言葉

『雄弁』
『幸運』
『女性』

サルスベリってどんな花?

アジア生まれの花木

サルスベリ属の原種は、東アジアから東南アジアの熱帯・亜熱帯に広く分布していました。日本には戦国時代辺りに中国から渡来したのではないかといわれています。よく見るのは

「Lagerstroemia indica(ラガーストロミア・インディカ)」

という品種で、日本と中国南部で多く植栽されています。

東南アジアでは、「バナバ茶」でおなじみの

「バナバ(学名:Lagerstroemia speciosa)」
(和名はオオバナサルスベリ)

という品種がポピュラーです。

全般的に、丈夫であまり手が掛からず、とても育てやすい花木です。綺麗な花が咲くので、米国に渡った種は、園芸種として受け入れられ、アメリカの気候に適合する改良種が作られ、広まりました。今では北米や南大西洋諸国でも普通に見られる庭木です。

花言葉がない花?

ヨーロッパにも、シルクロード経由で伝わったものもありますが、園芸で人気があるのは、アメリカで改良された、背丈が1mちょっとの品種です。

もともと西洋になかった木です。アメリカでは、「マートル(myrtle)」という木に似ていて、花びらが大きく波打って縮れた(クレープ状の)リボンのように見える花が咲くため、

「クレープ・マートル(Crape myrtle)」

という名前が付けられました。ヨーロッパの他の国でもほとんどが、“縮れたマートル”という意味の名前になっています。

マートル(和名:ギンバイカ)は、古代ギリシャでは女神に捧げる花とされ、今も結婚式など祝賀の場によく使われます。「祝いの木」ともいわれ、西洋人にはとても愛されているポピュラーな花木です。

サルスベリ属は、フトモモ科のギンバイカ属とは全く別のミソハギ科の植物ですが、名前のせいで、西洋社会では、植物学者や園芸家以外の一般人には、なんとなくマートルの仲間のように認識されています。

西洋の花言葉は個々の品種までに付けられていることは少なく、「○○マートル」という名の花は、みんな“マートルの花言葉”の範囲に含まれてしまっています。

が、アジア人からすると全然別の花なので、実質、西洋にはサルスベリの花言葉はありません。

花言葉の由来

縮れた花びら

サルスベリは、縮れた花びらのせいで、枝先に花が群がって咲いているように見えます。

また、ひとつの花は3~4日程度で散りますが、3か月ほどの期間、次々新しい花が咲き、常にたわわに揺れています。

百日紅花


そんな咲きっぷりが、雄弁で活動的な印象に映ったことから、

『雄弁』
『活動』
『世話好き』

の花言葉が付きました。

サルも木から落ちる

サルスベリは和名です。原産地の中国では、

「紫薇(ヅゥウェイ)」

と呼ばれています。女性の聖人を表す花ともいわれ、

『幸運』
『女性』

の花言葉はそこからきているようです。

何か神聖な印象なのに、日本ではサルスベリなんてオモシロ命名にしちゃってすみません(笑)な感じです。

『愛嬌』
『不用意』

の花言葉はうっかり滑り落ちたおさるさんのことですね。

朝鮮半島の伝説

サルスベリは漢字で「百日紅」と書きます。これは朝鮮半島での花名表記です。

樹木の花としては、とても長い3か月強(約100日)の花期なので、こう呼ばれる、という説もありますが、朝鮮半島に伝わる悲恋の伝説に由来するともいわれています。

“王子が国を旅している時、竜神の生贄にされそうになっていた娘を助けます。
娘と王子は恋に落ちますが、王子は使命を帯びた旅を完了する務めがありました。

旅を終えた100日後に必ず再開しようと約束し、王子は旅立ちます。
しかし、その100日目が来る直前に、娘は命を落とします。
帰ってきた王子は大変嘆き悲しみました。

その後、娘のお墓から1本の木が生え、紅色の可憐な花が咲きました。
人々は、100日間恋人を待ち続けた娘の生まれ変わりの花だと思いました。
そして、花は「百日紅」と名付けられました。”

『あなたを信じる』
『潔白』

は、王子を信じて100日間健気に待っていた娘にちなんで付いた花言葉です。

「すべる」に加え、悲恋物語までついてくると、なおさら玄関先に植えて大丈夫か?と思ってしまいます。実際、風水では、サルスベリは縁起が悪いといわれているそうです。

が、それでも庭木として植える人が絶えないのは、

  • ツルすべの木肌を美しいと思う人
  • たわわに揺れるクレープ状のピンクの花が愛らしいと思う人
  • 育てやすくて丈夫で、手ごろな高さの低木が丁度いいと思う人

がとってもたくさんいるからでしょう。

愛されているということは、何にも増していいことです。

サルスベリの基本データ

分類: ミソハギ科サルスベリ属
学名: Lagerstroemia ラーガストロミア(属名)
和名: 百日紅(サルスベリ)
別名: 百日紅(ヒャクジツコウ)
英名: Crape myrtle
開花時期: 7~10月 夏の花
花色: 赤、ピンク、白、紫など
樹高: 2~6m 落葉中低木
花持ち期間: 3~4日
生息地:原産地: 東アジアの熱帯~亜熱帯


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。