春の花の花言葉

忘れな草の花言葉/悲恋物語を伝える花名は世界一有名な花言葉

Written by すずき大和


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花を観賞するために植物を栽培する、という文化は、世界中どこでも共通してありました。古代から、他地域との交易が進む度に、各地原産の花々が世界へ広がっていきました。21世紀の現在、栽培種の多くは、世界中どこでも見られるようになっています。

ヨーロッパ発祥の花言葉の文化が世界に広まったのは、19世紀でした。アジアやアメリカ大陸などでは、自国原産の花や、中世以前にわたってきて根付いていた花には、ヨーロッパとは違う意味付けができあがっていたものもあります。ヨーロッパの中でも、国により花言葉が違うこともあります。

一方、世界的に有名な花言葉を持つ花もあります。

ヨーロッパからアジア地域の原産で、現在世界中の温帯地域に分布している「忘れな草」は、ほぼ全世界共通で、花名がそのまま花言葉・メッセージとなっている花です。



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忘れな草の花言葉

忘れな草全般の花言葉

『私を忘れないで』
『真実の愛』
『誠の愛』
『真実の友情』

西洋の花言葉

『Do not forget me.(私を忘れないで)』(英)
『true love(真実の愛)』(英)
『memories(思い出)』(英)
『Vergiss mein nicht(私を忘れないで)』(独)
『Du sollst an mich denken(汝、私について考えよ)』(独)
『Hore, was das Blumchen spricht.(花が何を話すか聞いて)』(独)
『Ne m’oubliez pas(私を忘れないで)』(仏)
『souvenir fidele(忠実な記憶)』(仏)
『amitie sincere(誠実な友情)』(仏)
『amour veritable(真実の愛)』(仏)
『No me olvides(私を忘れないで)』(西)
『Non ti scordar di me(私を忘れないで)』(伊)

中国の花言葉

『勿忘我(私を忘れないで)』

花言葉の由来

世界共通のフレーズが花名

『私を忘れないで』
『勿忘我(私を忘れないで)』(中)

忘れな草は漢字で書くと「勿忘草」。これは中国語の表記です。

直訳すると“忘れないでの草”。和名の「忘れな草」はとても美しい訳ですね。

もともと最初にこの花名をつけたのは、ドイツでした。

『Vergiss mein nicht(私を忘れないで)』(独)

の花言葉を持つ花の名前は、そのまま

「vergissmeinnicht」です。

  • 英語では「forget-me-not」
  • フランス語では「ne-m’oubliez-pas」
  • スペイン語では「nomeolvides」
  • イタリア語では「non ti scordar di me」

どの国でも、忘れな草属の学名「myosotis」と呼ぶこともありますが、ドイツ語の花名の直訳も、俗称として定着しています。そして、そのまま花言葉にもなっています。

『Do not forget me.(私を忘れないで)』(英)
『Ne m’oubliez pas(私を忘れないで)』(仏)
『No me olvides(私を忘れないで)』(西)
『Non ti scordar di me(私を忘れないで)』(伊)

  • スペインでは、「No Me Olvides」という有名な歌をいろんな歌手が歌っています。
  • イタリアでも、「Non Ti Scordar Di Me」というカンツォーネがあります。
  • 日本でも「忘れな草をあなたに」という昭和のヒット歌謡曲がありましたね。

歌になっていることもあり、日本でも、忘れな草がどんな花か見たことがなくても花名を知っている人がたくさんいます。同時に花言葉も知っているわけですから、もしかしたら、忘れな草の花言葉は、日本一、いや世界一有名な花言葉かもしれません。

ドイツの悲恋物語

花名の由来は、ドイツに伝わる中世の悲しい恋人たちの話です。

“若き騎士ルドルフと恋人ベルタが、ドナウ川のほとりを散策していると、岸辺に咲く美しい青い花を見つけます。ルドルフはベルタのためにその花を摘もうとして岸に降りると、思いがけず早い川の流れに飲まれてしまいます。

鎧の重さに耐えかねたルドルフは、最後の力で花を岸に放り投げ、ベルタに向かって

「Vergiss mein nicht!(私を忘れないで)」

と叫び、そのまま川底に沈んで死んでしまいます。

ベルタは亡き人の思い出を生涯大事に、この花を髪に差し続けて過ごしました。

人々はこの花を「vergissmeinnicht」と呼び、ふたりの物語を語り継ぎました。”

ふたりの強い愛や、思い出に生きたベルタの姿から生まれた花言葉もあります。

『真実の愛』
『誠の愛』

『true love(真実の愛)』(英)
『memories(思い出)』(英)
『Du sollst an mich denken(汝、私について考えよ)』(独)
『Hore, was das Blumchen spricht.(花が何を話すか聞いて)』(独)
『souvenir fidele(忠実な記憶)』(仏)
『amour veritable(真実の愛)』(仏)

友情の印

また、フランスでは、忘れな草は友情を象徴する花とされています。

それを表す花言葉もあります。

『真実の友情』
『amitie sincere(誠実な友情)』(仏)

忘れな草ってどんな花?

西洋と日本の忘れな草

「myosotis」は、忘れな草属全体を表しますが、ルドルフとベルタの話の花は、

学名「Myosotis scorpioides」(和名:シンワスレナグサ)

と呼ばれる品種の花です。scorpioides は“サソリの尾の”という意味で、花穂がサソリの尾のようにちょっとくねっているのが特徴です。

シンワスレナグサ


西洋ではこれが一般的な忘れな草で、英語ではあえて

「true forget-me-not(本物の忘れな草)」

などと呼ぶこともあります。

ただ、これは花色も花穂も比較的地味目なので、園芸種としてガーデニングで人気があるのは、

英名「alpine forget-me-not」(和名:ノハラワスレナグサ)

と呼ばれる品種とその改良種です。園芸種は白やピンクの寄せ植えも人気があります。

ワスレナグサピンク


日本でもノハラワスレナグサと、唯一の在来種「エゾムラサキ」という品種を中心とした交配種が忘れな草として多く流通しています。日本の花は、水色や薄紫の色合いがくすまず澄んで明るめの花が多く出回っています。

忘れな草の基本データ

分類: ムラサキ科ワスレナグサ属
学名: Myosotis ミオソティス(属名)
和名: 忘れな草
別名: 勿忘草(ワスレナグサ)
英名: forget-me-not
開花時期: 3~5月 春の花
花色: 青、ピンク、白、紫、黄
草丈: 10~50cm 一年草(一部多年草もあり)
原産地: ヨーロッパ、アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。