冬の花の花言葉 秋の花の花言葉

ツワブキの花言葉/寒さに抗う渋い花姿に見る「詫びさび」の心

Written by すずき大和

ツワブキは、常緑のキク科の多年草です。フキに似た長い軸(葉茎)を持つ腎臓のような形の葉っぱがたくさん茂ります。東アジア南部に分布しており、日本原産種は、昔から福島・石川県以南の海辺近くに多く自生していました。

岩場や崖などに生えていたので「石蕗」という字があてられました。

  • 葉の表面には光沢があり、“艶葉蕗(つやはぶき)”が訛った、
  • または、葉が分厚いので“厚葉蕗(あつはぶき)”が訛った、

などの語源説があります。

晩秋から初冬の時季に、葉の間から花茎を何本も伸ばし、先端にデイジーに似た黄色い花を10~30輪ほど固まって咲かせます。

濃い緑色の分厚い葉と山吹色の可憐な花のビジュアルは、和文化が好む「詫びさび」の趣が深く、江戸時代初めころから茶室の庭によく植えられるようになりました。今も内外の日本庭園には欠かせない植物です。



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もくじ

ツワブキの花言葉

ツワブキ全般の花言葉

『謙譲』
『謙遜』
『困難に負けない』
『先見の明』
『愛よ甦れ』

西洋の花言葉

『love again(愛よ甦れ)』(英)
『modesty(謙虚)』(英)

ツワブキってどんな花?

年末に見られる希少な黄色い花

ツワブキの花色は、一部白いものがありますが、濃いものから薄いものまで黄色の花が一般的です。

  • 秋を代表する黄色い花・・・金木犀、キバナコスモス、おみなえしなどが終わった後、
  • 早春を彩る黄色い花・・・ロウバイ、黄梅、マンサク、水仙などが咲き出す前、

ちょうど秋と冬のはざまを埋めるように咲く黄色い花です。

俳句の世界では、立冬(11月8日頃)から大雪(12月7日頃)までの季語となっていますが、実際には10月から12月いっぱいくらいの期間は花が見られます。

キク科の頭花

キク科の花は、小さな花がとてもたくさん集まっている花序(かじょ:花の塊のこと)がひとつの花に見えています。周りの花びらのように見える一枚一枚が、それぞれひとつの花(舌状花)です。真ん中の芯のようなところも、よく見ると筒状の花がびっしり固まっています。

ツワブキもアップで見ると、筒状花と舌状花の集まりです。

ツワブキの花のアップ


花軸の上が平らに広がる花床(かしょう)の上に、小さな花がびっしりと並んでいる花のことを「頭花(とうか)」といいます。

ツワブキの頭花は、マーガレットやデイジー、ひまわりなどとよく似た形です。これらに比べ、ツワブキは、舌状花と舌状花の間の隙間が、比較的広い頭花です。隙間なくびっしり並んだ形のほうが、整って見えますが、このなんとなく心許ない気もする“隙間”の感じがまた、和の美的感覚を刺激します。

花言葉の由来

奥ゆかしい日本的な佇まい

寒い季節も濃い緑色で艶のある葉の美しさには、目を惹かれます。

ツワブキの葉


園芸種も葉の種類を増やす方向で研究改良が進み、今では、

  • 黄色い斑の入る「星斑」種
  • 白や黄の縁取りがある「覆輪」種
  • 縁がリボンのように縮れる「獅子葉」種

など、様々な園芸種が流通しています。花は咲きますが、観葉植物のように屋内にプランターを置くケースも多く、案外身近な所で見られる植物です。

星斑種のツワブキの葉

ツワブキ星斑種


葉に注目が集まる分、なおさら花が奥ゆかしく見え、全体に落ち着きと品を感じる慎ましやかな佇まいに見えるのでしょう。花言葉もそんなイメージの言葉です。

『謙譲』
『謙遜』

『modesty(謙虚)』(英)

英語の花言葉は日本語に準じています。

冬の花は春一番より早咲き!?

『先見の明』

西洋でも東洋でも、新年あけの極寒の頃から咲き出す花が、だいたい早春の一番初めに咲く“春を告げる花”のようにいわれます。

が、ツワブキはそれらよりさらに2か月ほど早く咲く、初冬の花です。一年の終わりの最後の季節のようにも思いますが、花言葉を付けた人はものすごくポジティブシンキングだったようで、

“春を告げるよりも早く咲く=先を見通す能力に長ける”

と解釈した、という説があります。

詫びさびの観点からすると、やけにせっかちな世界観ですね(笑!?)

若干マユツバっぽい説です。

日陰でよく育つ

ツワブキは冬場に強いだけでなく、日陰でも大変よく育ちます。

というか、直射日光がガンガン当たるところでは“葉焼け”を起こすので、葉の光合成が程よくできる明るめの日陰に植えるのが理想的です。庭園でも樹木の下草や軒先、石組みの間などに植えられています。

『困難に負けない』

寒さに向かっていく中で花を咲かせ、日陰でも美しい元気な葉を茂らせる強い生命力のイメージから生まれた花言葉です。

『愛よ甦れ』
『love again(愛よ甦れ)』(英)

これだけは、日本から西洋に伝わった品種に、あちらで付けられた花言葉が逆輸入されたものです。日照時間の短いヨーロッパの冬を乗り越える姿が、冷え込む愛の倦怠期を打ち破るイメージになった・・・のでしょうか。イギリス人、意外と情熱的でした。

ツワブキの基本データ

分類: キク科ツワブキ属
学名: Farfugium japonicum ファルフジウム・ジャポニカム
和名: 石蕗
別名: ツワ、イシブキ、イソブキ
英名: Japanese silver leaf
開花時期: 10~12月 初冬の花
花色: 黄、オレンジ、白
草丈: 20~50cm 多年草
原産地: 日本、朝鮮半島、中国


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。