春の花の花言葉

クロッカスの花言葉/青春は美しく楽しい、そして不安なもの

Written by すずき大和

クロッカスは、アヤメ科クロッカス属の花の総称です。が、香辛料や薬に使われる「サフラン(学名:Crocus sativus)」だけは、日本でも西洋でも、区別して別名で呼んでいます。「クロッカス」と呼ぶ場合、一般的に観賞用の園芸種を指します。

どちらも地中海地方原産で、人類との付き合いは長いです。古代はサフランの方が身近だったようですが、中世以後、オランダを中心に園芸種の品種開発が進み、世界に広まりました。日本には明治時代に入ってきています。

サフランは秋に咲きますが、クロッカスの多くは、まだ寒い早春の時季に咲き出します。西洋では“春を告げる花”のひとつとして、大変愛されています。



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もくじ

クロッカスの花言葉

クロッカス全般の花言葉

『青春の喜び』
『楽しみ』
『切望』
『じれったい』
『堅実』
『努力』
『信頼』
『裏切らないで』
『不幸な恋』

西洋の花全般の花言葉

『youthful gladness(青春の喜び)』(英)
『cheerfulness(陽気、元気)』(英)
『bonheur de jeunesse(若者の幸福)』(仏)
『inquiétudes(心配)』(仏)
『nieuw begin(新しい始まり)』(蘭)
『Kwets me niet(私を心配しないで)』(蘭)

白花の花言葉

『あなたを待っています』
『joie/allégresse(喜び)』(仏)

クロッカス白


黄花の花言葉

『私を信じて』
『Rassurez-moi(私を安心させて)』(仏)

クロッカス黄


紫花の花言葉

『愛の後悔』
『Vous regrettez de m’aimer(私を愛したことを後悔する)』(仏)

クロッカス紫


青(空色)花の花言葉

『心配しながら信じる』
『J’espère, mais je crains(望んでいるが恐れる)』(仏)

クロッカス空


赤花の花言葉

『愛しすぎる心配』
『J’ai peur de trop aimer(好きすぎて心配)』(仏)

クロッカスってどんな花?

花言葉がいっぱい

多くの花には複数の花言葉がありますが、クロッカスの花言葉は、日本語でも外国語でも、たくさんの意味が出てきます。

ポジティブなものネガティブなものが入り混じっています。中には、贈り物にしてはまずいと思われるような言葉もありますが、フランスでは愛のメッセージを伝えるギフトとして使う花となっています。

由来の伝説もいっぱい

花の誕生伝説や花言葉の由来を調べると、これまたいろんな逸話が出てきます。

特に、誕生秘話は何種類もあります。

1,伝令神ヘルメスの話

ギリシャ神話の神ヘルメスが恋人(少女説と美少年説あり)のクローカスとそり遊びをしている時、誤ってクローカスが谷底に落ちて死んでしまいます。クローカスの血が雪を赤く染め、その後に美しい花が咲きました。ヘルメスは愛の証に花をクロッカスと名付けました。

2,美少年と恋人の話

美少年クロッカスと恋人スミラックスが結婚しようとしましたが、許されませんでした。クロッカスはショックで自殺し、残されたスミラックスも後を追います。二人を哀れに思った女神が、それぞれクロッカスとスミラックス(朝顔・ブドウ説もあり)の花に変えてあげました。

3,ゼウスと妻ヘラの話

オリンポスの王神ゼウスとヘラが大地に横たわって眠った後に咲いた花、という説。

4,アルプスの伝説

アルムの山に住む猟師ライネルの一人息子クローカスが狼にさらわれます。息子を失って悲嘆にくれるライネルの涙が雪の上に落ち、そこから咲いた花、という説。

花言葉の由来

春を告げる花は青春の象徴

西洋では、早春に咲く花は“若さの喜びの象徴”とされます。

『青春の喜び』
『楽しみ』

『youthful gladness(青春の喜び)』(英)
『cheerfulness(陽気、元気)』(英)
『bonheur de jeunesse(若者の幸福)』(仏)
『nieuw begin(新しい始まり)』(蘭)

『joie/allégresse(喜び)』(仏)

これらは希望に満ちた青春期のイメージからできた花言葉です。

『切望』
『じれったい』
『堅実』
『努力』

日本語のこれらの言葉は、春を待つ心情と、春がくると信じて寒さに耐える姿です。

悲劇の神話に由来

『愛の後悔』
『Vous regrettez de m’aimer(あなたは愛したことを後悔する)』(仏)

これは、許されぬ恋だったことを嘆いて自殺したクロッカスの心情。

『裏切らないで』
『信頼』

『私を信じて』

一方こちらは、自分を残してさっさとひとりあきらめて逝ってしまった恋人に対し、

「私を置いていくなんてひどい」

「ふたりの愛を信じて生きてほしかったのに」

というスミラックスの思い、と解釈されています。

『不幸な恋』

これは自殺したふたりとヘルメスの話の両方のことでしょうか。

心配を意味する花を贈ること

『Kwets me niet(私を心配しないで)』(蘭)
『inquiétudes(心配)』(仏)

『Rassurez-moi(私を安心させて)』(仏)

『心配しながら信じる』
『J’espère, mais je crains(望んでいるが恐れる)』(仏)

『愛しすぎる心配』
『J’ai peur de trop aimer(好きすぎて心配)』(仏)

青春とは、喜びに溢れる一方、不安や苦悩もたくさん経験する時期です。クロッカスは「心配」という意味も示唆します。

日本人的には、縁起悪そうな感じがしますが、西洋では若者にクロッカスを贈る場合

“心配しないで”

という励ましのメッセージになります。

愛のメッセージの花としているフランスでは、

  • 白花(は30歳以下の恋人に贈る花
  • 紫花は年老いてから妻に贈る花

になっています。

「『愛の後悔』という花言葉の紫花を老妻に贈るってどうなのよ!」

って日本人なら思いますが、フランス人は

「ふたりの愛を後悔なんかしてないさ、君もそうだよね」

と確かめ合うための贈り物なのだそうです。

フランス人、ポジティブだわ!!

クロッカスの基本データ

分類: アヤメ科クロッカス属
学名: Crocus クロッカス(属名)
別名: 花サフラン、春サフラン
英名: Crocus
開花時期: 2月~4月 早春の花
花色: 紫、黄、白、青、赤など
草丈: 5~10cm 多年草
花持ち期間: 10日前後
原産地: 地中海沿岸地域、アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。