春の花の花言葉

ハナビシソウの花言葉/西部の荒野の春を埋め尽くす黄金の花

Written by すずき大和

ハナビシソウは、ケシ科の多年草です。北アメリカのネバタからテキサス州くらいまでの西部の広い地域原産で、今も多くの自生種が見られます。カリフォルニア州の州花にもなっています。

見た目がヨーロッパやアジア原産のポピー(ケシ属)とよく似ており、イギリスからの入植者たちによって、

「カリフォルニアポピー(California poppy)」

と名付けられました。

西部の荒野に群生する花ですから、乾燥に強く手がかからず、丈夫です。欧州に持ち込まれると、園芸種として育種開発されながら、各地に広まり、帰化していきました。

残念ながら湿気には弱いので、高温多湿の日本の夏は苦手です。日本では秋に撒き、春に咲いて夏に枯れる一年草となっています。



スポンサーリンク

もくじ

ハナビシソウの花言葉

ハナビシソウ全般の花言葉

『富』
『成功』
『希望』
『願いを叶えて』
『私を拒絶しないで』
『消えることない想い』

西洋の花言葉

『Do not refuse me(私を拒絶しないで)』(英)

ハナビシソウってどんな花?

武田信玄の家紋

和名がどうして「ハナビシソウ」なのかというと、4枚の花弁の花を上から見ると、「花菱紋」に見えるので、

「花菱草」

となったといわれています

ちなみに、花菱紋とはこれです。

花菱紋


シンプルな菱紋と共に、戦国武将「武田信玄」の家紋として有名な紋です。

インディアンのハーブ

ハナビシソウ属にも、ケシ属のけし(アヘンの元)と同じく、消炎・鎮静効果成分があり、ヨーロッパ人が来るずっと前、大昔から、ネイティブアメリカンの間では、鎮静剤や鎮痛剤、睡眠薬としてハナビシソウを使っていました。

ハナビシソウにはアヘン成分が含まれないため、中毒性がなく、安全です。現在でも薬の材料として、薬用ハーブとして使われています。

花言葉の由来

西部の黄金

西部では、春になると、辺り一面オレンジ色のハナビシソウが咲く光景が、あちこちで見られます。

ハナビシソウ群生地


カリフォルニアに最初に移住したのはスペイン人でしたが、船から見上げた海岸線の土地が、オレンジ色に燃え立つように見えたので、カリフォルニアの海岸のことを

「tierra de Fuego(炎の大地)」

と呼び、ハナビシソウのことは

「copa de oro(金の杯)」

と呼んだそうです。

後に、イギリス人植民者たちも、

「Golden Poppy(黄金のポピー)」
「Cups of Flame(炎の杯)」

などと呼ぶようになりました。

『富』
『成功』
『希望』
『願いを叶えて』
『消えることない想い』

これらの花言葉は、燃え立つ大地、光輝く黄金の花々のイメージから付けられました。未開の荒野をたくましく進む開拓者たちの、夢と希望のようですね。

キリスト教徒へのメッセージ?

ただし、これらのイメージによる花言葉を付けているのは、日本人です。

花言葉文化の本場はヨーロッパですが、西洋人は花言葉の範疇については、比較的大ざっぱなところがあり、品種の違いごとに花言葉が付けられている花は限られています。

ハナビシソウは、どこの言語でも「カリフォルニアのケシ」という意味の花名がついているので、ほぼどこの国もケシ属とハナビシソウ属はまとめて一括りにして、「ケシ(ポピー)の花言葉」として一緒にされています。

日本人は、品種や色別に花言葉を細かく付けるのが好きですから。

ただ、アメリカの花言葉を調べていくと、カリフォルニアポピー個別に

『Do not refuse me(私を拒絶しないで)』(英)

というマニアックな花言葉情報も一部に出てきます。由来についてはあいまいです。日本の花言葉情報では、以下の一説がよく紹介されています。

アメリカに移住した人たちにとっては、西部の希望の象徴の花なのですが、実はヨーロッパでは“黄色い花”は総じて不吉なイメージが定着しています。キリスト教では、黄色は裏切り者のユダが来ていた服の色だからです。

西洋から訪れる人々に対して、カリフォルニアポピーのイメージ(それは開拓民に対する差別的なイメージも示唆されると思われます)を悪く持たないでほしい、というメッセージから生まれた、という解釈です。

他には、黄色い花ですが、薬草として効能高いので、忌み嫌わず活用してほしい、という解説もあります。

カリフォルニアのシンボルには変わりない

花言葉はどうでも、この花は、アメリカ人にとても愛され、西部のシンボルとして認識されているのは事実です。

アメリカ建国後、カリフォルニアでは本当にゴールドラッシュが起き、現在はハリウッドというカリスマ的な夢の体現者が集う街があります。カリフォルニアポピーには、おそらく富や成功のイメージが伴っているのも本当なのでしょう。

ハナビシソウの基本データ

分類: ケシ科ハナビシソウ属
学名: Eschscholzia californica
    エッショルチア・カリフォルニカ
和名: 花菱草(ハナビシソウ)
別名: 金英花(キンエイカ)
カリフォルニアポピー
英名: California poppy,
    Californian poppy,
    Golden poppy
開花時期: 4~6月 春~初夏の花
花色: 黄、オレンジ、赤、ピンク、白など
草丈: 30~60cm 日本では宿根性の一年草
生息地: 世界の温帯地域
原産地: 北アメリカ西部


スポンサーリンク

あなたにオススメの花言葉&広告

筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。