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胡蝶蘭の花言葉/蝶のように幸福が飛んでくる、お祝いの定番

Written by すずき大和

ランはもともと、東南アジアなどの熱帯地方に自生していました。ヨーロッパに渡って品種改良され、温帯地方でも育つ園芸種がたくさん生まれ、世界中に広まりました。現在では、2万5000種を超える品種が存在しています。

西洋系のラン(洋ラン)のほうが、東洋のランよりも艶やかなビジュアルの観賞用品種が発展しました。最も豪華できらびやかな大輪の花を咲かせる「カトレア」が“ランの女王”と呼ばれています。

が、西洋でも東洋でも、贈答品として最も人気の高い、花ギフトの女王は「胡蝶蘭」です。

左右対称の大きな花びらを平らに広げた形が、蝶が舞っているように見えることが名前の由来です。胡蝶は、元来、蝶の舞をモチーフとした舞楽を指しました。

胡蝶蘭には、華やかなランの花のイメージと、舞飛ぶ蝶のイメージに由来する、縁起のいい花言葉がついています。そのことも、贈答品として好まれる大きな理由です。



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もくじ

胡蝶蘭の花言葉

胡蝶蘭全般の花言葉

『幸福が飛んでくる』

色別の花言葉

白花の花言葉

『清純』
『変わらぬ愛』

ピンクの花言葉

『あなたを愛しています』

西洋の花言葉

『love(愛情)』(英)
『beauty(美)』(英)
『luxury(高級)』(英)
『refinement(洗練)』(英)
『Séduction(誘惑)』(仏)

胡蝶蘭ってどんな花?

西洋では蝶じゃなくて蛾

西洋では、胡蝶蘭の属名の学名

「Phalaenopsis(ファレノプシス)」

が、どの国でもほぼ花名になっています。

これは、ギリシャ語の「Phalaia(蛾)」と「似ている(opsis)」を組み合わせた言葉です。西洋人は、蝶ではなく蛾をイメージしたようです。

ヨーロッパでは、ランは昔から「愛」と「美」の象徴でした。

華やかでゴージャスな雰囲気の花は、「高貴さ」や「高級感」を連想させますが、同時に、艶やかで強烈な印象は、「セクシー」で「魅惑的」な雰囲気も醸し出しました。

ランは、一方で「官能」と「喜び」の象徴でもありました。可憐な蝶ではなく、ちょっとなまめかしい蛾のイメージは、そんな先入観の影響でしょうか。

日本の胡蝶蘭

日本で胡蝶蘭というと、

「ファレノプシス・アフロディーテ(Phalaenopsis aphrodite)」

という特定品種のことを指します。

皆さんよくご存じの、白やピンクや薄紫色の大輪の花が縦に並ぶ花穂が垂れ下がった、贈答用の鉢植えの花です。

大輪コチョウラン


アフロディーテは、皆さんもよくご存じの、ギリシャ神話の愛と美の女神の名です。西洋人も、純白の胡蝶蘭を見ると、官能の魅惑というより、高貴で高級な雰囲気を称えたかったようです。

西洋のコチョウラン

属名のPhalaenopsisの和訳も胡蝶蘭属ですが、アフロディーテ種と紛らわしいので、「コチョウラン属」とカタカナ表記して区別することが多いです。

コチョウラン属の別の品種には、もう少し艶やかな色や模様、形の花もあります。花言葉文化の発祥地フランスでは、Phalaenopsisは属全体の花を指します。フランス語サイトでコチョウランを検索すると、なまめかしいエキゾチックなイメージの花の写真もたくさんでてきます。フランスの花言葉は、そんなコチョウラン属全般を網羅しています。

コチョウラン斑模様


一方、ガーデニングの元祖イギリスでは、Phalaenopsisは日本と同じくアフロディーテ種固有の呼び名です。そして、日本では「ミディ胡蝶蘭」とも呼ばれている、花の形は胡蝶蘭にそっくりですが、大きさがちょっと小さく、花穂も短めの品種

「ファレノプシス・アマビリス(Phalaenopsis amabilis)」

と、その改良種も同じくPhalaenopsisと呼んでいます。

胡蝶蘭アマビリス


胡蝶蘭を英語に自動翻訳すると

「Moth Orchid(蛾のラン)」

と出ますが、これは、コチョウラン属全体を表す呼び方です。英語のコチョウランの花言葉も、このMoth Orchid全般を指します。

花言葉の由来

日本の花言葉

『幸せが飛んでくる』

ゴージャスな雰囲気と蝶を思わせる形から、ひらひらと素敵なものが舞い降りてくるようなイメージにつながった花言葉です。

白花の花言葉『清純』は、純白の花色のイメージ。

ピンクの花言葉『あなたを愛しています』は、ランの象徴する「愛」にちなみます。

西洋の花言葉

西洋の花言葉は、いずれもランの花全体の花言葉やイメージに由来しています。

『love(愛情)』
『beauty(美)』

は、ラン全般の象徴するイメージです。

『luxury(高級)』
『refinement(洗練)』

英語圏では、高貴なほうのイメージに寄った言葉が多いようです。

『Séduction(誘惑』

フランス語は、官能的なイメージのほうを捉えているようです。

プレゼントに選ばれる理由

日本では、豪勢な見た目のせいか、結婚式などフォーマルなお祝いの場に飾られることが多いです。

また、花言葉が祝福に相応しいだけでなく、縁起のいい響きが商売人らに好まれ、商店の開店祝いや、会社や政界などのパーティー等に贈られるお約束の花となっています。
胡蝶蘭は、経費で落とされる花の1位間違いなし!です。

西洋では、

「ランは、愛、美、官能、喜び、などの象徴」

なので、恋人に贈るケースも多いです。が、パーティーや仕事関係でも贈られます。

官能は“アダルト指定のイメージ”と捉えると忌避されそうです。が、

  • 子だくさん
  • 子孫繁栄

のイメージと捉えると、結婚式や仕事のお祝いにぴったり!というのも、納得です。

欧米社会の取り締まりは日本よりはるかに厳しいものがありますが、花言葉では、セクシャリティについてポジティブです。

胡蝶蘭の基本データ

分類: ラン科ファレノプシス属
学名: Phalaenopsis ファレノプシス(属名)
和名: 胡蝶蘭
英名: Phalaenopsis,Moth Orchid
開花時期: 4~9月 春~初秋の花
花色: 白、ピンク、赤、黄、オレンジ、青、紫、緑、茶など
草丈: 10~100cm 多年草
花持ち期間: 10~15日
原産地: 東南アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。