春の花の花言葉

ヒヤシンスの花言葉/美少年の悲劇が産んだ悲しみの花

Written by すずき大和

ヒヤシンスといえば、小学校の理科でやった球根の水栽培で育てた経験がある人も少なくないでしょう。青系の花色が一般的ですが、改良園芸種は、赤、白、ピンク、黄色、オレンジなど、バリエーション豊富で、ガーデニングでもよく見る花です。

もともとはイランやトルクメニスタンなど、地中海東岸原産の球根植物です。16世紀にヨーロッパに伝わり、日本にはオランダ経由で江戸末期に入ってきました。たわわな花穂のビジュアルは日本人に好まれ、大正時代には、園芸種として流通するようになっていました。



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もくじ

ヒヤシンスの花言葉

ヒヤシンス全般の花言葉

『スポーツ』
『ゲーム』

『遊び』
『悲しみを超えた愛』

西洋の花言葉

『sports(スポーツ)』(英)
『games(ゲーム)』(英)
『rashness(無分別)』(英)

色別の花言葉

紫花の花言葉

『悲しみ』
『悲哀』
『初恋のひたむきさ』
『悲しみを超えた愛』
『I am sorry(ごめんなさい)』(英)
『sorrow(悲しみ、悲哀)』(英)
『please forgive me(許してください)』(英)

ヒヤシンス紫


赤花の花言葉

『嫉妬』
『play(遊び、競技)』(英)

ヒヤシンス赤


ピンクの花言葉

『スポーツ』
『ゲーム』
『しとやかなかわいらしさ』
『play(遊び、競技)』(英)

ヒヤシンスピンク


白花の花言葉

『控えめな藍らしさ』
『心静かな愛』
『loveliness(愛らしい)』(英)
『I’ll pray for you(あなたのために祈ります)』(英)

ヒヤシンス白


青花の花言葉

『変わらぬ愛』
『constancy(不変、節操)』(英)
『sincerity(誠実)』(英)

ヒヤシンス青


黄花の花言葉

『あなたとなら幸せ』
『勝負』
『jealousy(嫉妬)』(英)

ヒヤシンス黄


ヒヤシンスってどんな花?

ダッチとローマン

日本でよく見る、茎の先端に小さな花がたくさん穂のように咲くヒヤシンスは、主にオランダで品種改良が進んだもので、

「ダッチヒヤシンス」

といわれています。園芸種の生産量は、現在でもオランダが世界一です。

欧州では、これとはまた別に、花の付きがもっとまばらな品種も出回っています。こちらは主にフランスで改良が進んだ品種群で、

「ローマンヒヤシンス」

と呼ばれています。ダッチタイプと違い、ひとつの球根から複数の茎が伸びます。

花穂も花も小さめですが、香りが強いものが多いです。ヒヤシンスは、グリーン系の上品な香りを持ち、花から抽出されるヒヤシンス精油は、非常に高価な香水の材料となっています。

花言葉の由来

三角関係の悲劇

ヒヤシンスの花名と花言葉の由来は、ギリシャ神話に登場する美少年ヒュアキントスの話から来ています。

“西風の神ゼピュロスの寵愛を受けていたヒュアキントスは、太陽神アポロンにも心を惹かれていました。

ある時、アポロンとヒュアキントスが円盤投げに興じているのを見たゼピュロスは、嫉妬心からいたずらに風向きを変えて、円盤をヒュアキントスの額にぶつけます。

が、当たり所が悪くて、ヒュアキントスは額から血を流して絶命してしまいます。ヒュアキントスの流した血の跡に咲いた紫色の花がヒヤシンスと呼ばれるようになりました。”

悲しみのシンボル

『sorrow(悲しみ、悲哀)』(英)
『悲しみ』
『悲哀』
『悲しみを超えた愛』

ヒュアキントスの亡骸を見て、アポロンはたいそう悲しみ嘆いたといわれています。そのため、ヒヤシンス全般、特に紫系の花は

“悲しみの象徴”

とされています。花言葉気にする人にプレゼントする時は注意しましょう。

遊びのシンボル

『sports(スポーツ)』(英)
『games(ゲーム)』(英)
『play(遊び、競技)』(英)

『スポーツ』
『ゲーム』

『遊び』
『勝負』

これらレクリエーションゲームを意味する花言葉は、円盤投げに由来します。

愛と嫉妬と悔恨

『loveliness(愛らしい)』(英)
『constancy(不変、節操)』(英)
『sincerity(誠実)』(英)
『初恋のひたむきさ』
『しとやかなかわいらしさ』
『控えめな愛らしさ』
『心静かな愛』

これらは、純真で初心なヒュアキントスの愛らしさを表しています。

『I’ll pray for you(あなたのために祈ります)』(英)
『変わらぬ愛』
『あなたとなら幸せ』

これは、アポロンの気持ちです。

『rashness(無分別)』(英)
『I am sorry(ごめんなさい)』(英)
『please forgive me(許してください)』(英)
『jealousy(嫉妬)』(英)
『嫉妬』

こちらはゼピュロスの愛憎と悔恨の念でしょうか。

ギリシャ神話の神々は、仏様のような悟りに達した人たちでもなく、キリスト教の唯一絶対の万能神やイエスのような慈愛の塊の諭す存在とも違う、良くも悪くも人間性に溢れたキャラクターです。時として即物的、利己的な側面をも持ち、煩悩だらけの彼らの群像劇は、人の世に置き換えてもいろいろ示唆に富む物語です。

花言葉もまた、世相や人の心の機微を映すものです。ギリシャ神話がその由来の宝庫になっているのは納得できますね。

ヒヤシンスの基本データ

分類: キジカクシ科ヒヤシンス属
学名: Hyacinthus orientalis ヒヤシンサス オリエンタリス
和名: 風信子・飛信子(ヒヤシンス)
別名: 錦百合(ニシキユリ)
    夜香蘭(ヤコウラン)
英名: Hyacinth
    Common hyacinth
    Garden hyacinth
    Dutch hyacinth
開花時期: 3~5月 春の花
花色: 紫、赤、ピンク、白、青、黄、オレンジなど
草丈: 20cm前後 一年草
花持ち期間: 4~7日くらい
原産地: 地中海東部沿岸地域


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。