秋の花の花言葉

キバナタマスダレの花言葉/本当はタマスダレじゃない!私は誰?

Written by すずき大和

10~30cmの草丈で、細いまっすぐな花茎の先端に、お椀やカップのような形の半開きの花がひとつ咲くタイプの花は、意外といくつもの種類があります。咲く季節や花のしくみは違っていますが、見た目がよく似ていて紛らわしいです。

  • クロッカス
  • サフラン
  • イヌサフラン
  • タマスダレ
  • キバナタマスダレ

の5種類はとても間違われやすいです。

クロッカス、イヌサフラン、タマスダレは、日本も西洋も独自の属名が花名です。

サフランはクロッカス属の中のスパイスに使う品種の総称です。

しかし、キバナタマスダレだけは、「ステルンベルギア」という属名がありますが、世界各地でそう呼んでもらうことは少なく、似た花の名前で呼ばれています。

黄色いクロッカス 「crocus jaune」(仏)
秋のクロッカス 「crocus d’automne」(仏)
秋の黄色いクロッカス 「yellow autumn crocus」(英)
野原のユリ 「lily-of-the-field」(英)
冬の水仙 「winter daffodil」(英)
金のクロッカス 「goldkrokus」(独)

残念なことに、日本も含めほとんどの国で、名前だけでなく、多くの人は本当にその名前の花の仲間だと思っています。そして、日本以外の国では、独自の花言葉もないという、ちょっと不憫な花です。



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キバナタマスダレの花言葉

『期待』
『待ちきれない』
『じれったい』
『安息』
『あなたを愛しています』
『あなたは魅力に富んでいる』

キバナタマスダレってどんな花?

シーズンが違うんです

「秋のクロッカス」の名でもわかる通り、タマスダレやクロッカスとの一番大きな違いは、花期です。クロッカスは早春、タマスダレは夏の花ですが、キバナタマスダレは基本的に秋咲きです。

園芸では、秋に植えて冬に咲かせることもありますが、クロッカスの咲き出しよりは、もうちょっと早いです。

色が違うんです

ステルンベルギア属の原種は8種程あります。園芸種として出回っているのは、みな黄色い花です。唯一白い花を咲かせる品種は絶滅危惧種で国際取引が制限されています。

世界中で最も多く見られるのは、

「Sternbergia lutea ステルンベルギア・ルテア」

という品種です。日本語のキバナタマスダレもほぼこの品種を指しています。

サフランとイヌサフランには黄花はありません。観賞用クロッカスの中には、秋咲き種もありますが、やはり黄色はありません。

タマスダレの季節の終わり頃とキバナタマスダレの咲き出しも若干重なりますが、自生種のタマスダレはほぼ白花です。

それでも紛らわしい黄色い花

西洋人も日本人も、“秋に咲く黄色い花”として、他のクロッカスやタマスダレとはちゃんと区別はしている模様です。ただ、名前の花の仲間の一種だと認識しているケースが多く、一般人は細かい違いはあんまり気にしていないかもしれません。

写真は、上から、キバナタマスダレ、タマスダレの黄色い花、黄色いクロッカスです。写真だとやはりとても似ています。

キバナタマスダレ

キバナタマスダレ


タマスダレの黄色い花

Z.キトリナ


黄色いクロッカス

黄色いクロッカス


この写真だとわかりにくいですが、花茎より長い細い葉が、地面から直接しゅんしゅんと伸びる様子もそっくりです。もう少し花が閉じ気味の時に横から見ると、全然区別できません。

花言葉の由来

何の変化もないと思っていたら・・・

キバナタマスダレは夏の終わりまで葉も芽もさっぱり何もなく、いざ芽を出すと、葉と花芽が時間を置かずに出てきて、あっという間に伸び、花を咲かせます。秋冬に咲いた花が終わり、春には葉も枯れると、また秋まで地面の上は全く音沙汰なしのような状態になります。

球根植物の多年草なので、地面の下では球根がじっと力を蓄えて生きていますが、多くの花々が、春・夏とすくすく育ってにぎわっている中、いつまでもなかなか芽が出てこなくて「まだかなまだかな・・・」と待つ様子から、

『期待』
『待ちきれない』
『じれったい』

という花言葉が生まれた、という説があります。

『安息』

は、休眠しているかのような時期が長いからでしょうか。

ただ、

『期待』はタマスダレの花言葉、

『じれったい』はクロッカスの花言葉

であることから、やはり似たものと混同され、言葉も転嫁されたのではないか、という指摘もないわけではありません。

ラブリーな言葉はどこから?

『あなたを愛しています』
『あなたは魅力に富んでいる』

この花言葉の由来については、解説されている資料が見つかりません。西洋の言語での検索もしましたが、そもそもこの花の花言葉について書かれているものが出てきません。

ひとつ気になる情報は、実は学名の「ステルンベルギア(Sternbergia)」は、世界的に有名な「プラハ自然史博物館」を創設したオーストリアの高名な植物学者

「Kaspar Maria von Sternberg カシュパル・マリア・シュテルンベルク」

の名前にちなんで付けられたことです。この花は彼への敬愛を示し、ささげられた花なのだとか。専門家の皆さんにとっては、この植物は、決して他の花と混ぜこぜでいいものではなく、特別の意味があるようです。

どうしてそうなったのか、の解説は見つからなかったのですが、この花言葉は、シュテルンベルグ先生を称える気持ちがこもっているのかもしれません。

キバナタマスダレの基本データ

分類: ヒガンバナ科キバナタマスダレ属
学名: Sternbergia lutea ステルンベルギア・ルテア
和名: 黄花玉簾(キバナタマスダレ)
英名: Yellow autumn crocus,Yellow star flower,Lily-of-the-field
開花時期: 9~10月 秋の花
花色: 黄色
草丈: 10~25cm 多年草
原産地: 南ヨーロッパ~小アジア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。