アルストロメリアの和名は
「百合水仙(ユリズイセン)」
といいます。
根本が筒状で、先が6片に分かれ、横向きに咲いている花の形が、なるほど百合や水仙に似ています。内側の3枚の花びらに、筋状のまだら模様(条斑)が入っているのが特徴的な花です。
オランダを中心に品種改良が盛んで、毎年新種が生まれている、世界中の育種家に人気の花のひとつです。花びらと条斑の色の組み合わせが多様にあり、丈夫で花持ちが長く、1本の茎に3つの花が順番に咲きます。ガーデニングだけでなく、ブーケやアレンジメント、切り花としても重宝されています。
日本の花言葉は、これらの花の特徴に由来しています。
西洋では、18世紀に南米大陸を訪れた西洋人が、初めてこの花を発見した時のエピソードにもちなむイメージが定着しています。
もくじ
アルストロメリアの花言葉
アルストロメリア全般の花言葉
『持続』
『未来への憧れ』
『エキゾチック』
『小悪魔的な思い』
『援助』
色別の花言葉
赤花の花言葉
『幸い』
![アルストロメリア(赤)](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/03/alstroemeria-red.jpg)
白花の花言葉
『凛々しさ』
![アルストロメリア(白)](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/03/alstroemeria-white.jpg)
ピンクの花言葉
『気配り』
![アルストロメリア(ピンク)](https://hanatama.jp/wp-content/uploads/2017/03/alstroemeria-pink.jpg)
西洋の花言葉
『friendship(友情)』(英)
『devotion(献身的な愛)』(英)
『say to make someone feel better(人の気持ちを引き立てる)』(英)
『Amitié(友情)』(仏)
アルストロメリアってどんな花?
インカのユリ
アルストロメリア属は南米大陸原産の球根植物です。
1753年、ペルーを訪れていたスウェーデン貴族のバロン・クラース・アルストレイマー伯爵(Barron Claus Alstroemer)が、この花を見た初めてのヨーロッパ人でした。伯爵は、祖国の科学者の友人にこの種を送りました。以後ヨーロッパ各地に広まり、栽培・育種が盛んに行われるようになり、園芸植物として西洋社会にも定着していきました。
19世紀にイギリスに渡ると
「Lily of the Incas(インカのユリ)」
「Peruvian lily(ペルーのユリ)」
と、呼ばれました。
分類学の父は、発見者の友の名を学名に
アルストレイマー伯爵が種を送ったスウェーデンの科学者は、自然科学に携わる人たちには超有名人、自然界全体を調査し、分類体系化して、世界共通の生物や鉱物の呼び名(学名)をたくさん作った科学者
「カール・フォン・リンネ(Carl von Linné)」
です。
~界・・・~科、~目、~属、○○○、という現在の分類体系の根幹を作ったのはこの人です。生物の学名を「属名」と「種小名(品種名)」2語のラテン語で表す方法(二名法)も、この人が決めました。
今では、「分類学の父!」と呼ばれています。
そんな人でしたから、親友アルストレイマー伯爵が送ってくれた初めて見る植物の種は、胸躍る新種の発見だったわけです。友への熱い感謝の意を込めて、伯爵の名から、この新たな植物の属名を
「アルストロメリア(Alstroemeria)」
と決めました。
花言葉の由来
『持続』
アルストロメリアのカラフルな花は、花びらとガクの一体化したもので、
「花被片(かひへん)」
といいます。
アジサイの花のように、ガクが変化した「萼片(ガクヘン)」が花びらに見えるものは、普通は結実するまで散ることはなく、1か月以上の花持ちをします。が、花被片は花びらと同じく散ります。
それでも、花びらよりはちょっと長く頑張るので、だいたい10~14日間くらい花を付けています。切り花の場合、切り花用の延命剤などを使うと、2週間以上もつこともあります。
また、アルストロメリアは、1本の花茎から3つの花が順番に咲きます。蕾がついた切り花を花瓶に生けておいても、毎日ちゃんと花瓶を綺麗に、水を新しくしてあげていれば、ひとつひとつ3つ目まで咲いていきます。そういうところも『持続』を感じるのでしょう。
『未来への憧れ』『エキゾチック』
アルストロメリアが日本に伝わったのは大正時代でした。花びらより濃い色のまだら模様の姿は、清楚な印象が好まれる日本人から見ると、ちょっと派手すぎたのか、園芸種としてはほとんど広まりませんでした。
80年代、バブルの雰囲気の中、突然人気が出て、普及し、日本の気候にも会う、新しい色や形のものを目指す品種改良が一気に進みます。枝分かれした花径が横向きに八方を向いて花を付けると、ボリューミーに見え、華やかな雰囲気も出せます。まだら模様は異国情緒も感じられました。
- 華やぎ感が、希望溢れる雰囲気につながると、『未来への憧れ』
- 『エキゾチック』さが怪しげに感じられたら、『小悪魔的な思い』
かもしれません。
『友情』『気配り』
分類学の父から親友の名をもらったアルストロメリアは、ヨーロッパでは広く、
“強い友情や友達への気遣いを象徴する花”
とされてきました。
6枚の花被片は、
- 理解
- ユーモア
- 忍耐
- 思いやり
- 行動
- 尊敬
という友情の特性をそれぞれ表しているのだそうです。
『devotion(献身的な愛)』
『say to make someone feel better(人の気持ちを引き立てる)』
は、そんな友の心遣いの行動のひとつです。
日本の花言葉、
『援助』
も、西洋の花言葉に影響されています。
分類: ユリ科アルストロメリア属
学名: Alstroemeria アルストロメリア(属名)
和名: 百合水仙(ユリズイセン)
別名: インカの百合
英名: Alstroemeria,Peruvian lily,Lily of the Incas
開花時期: 4~7月 春~初夏の花
花色: 赤、ピンク、白、紫、黄、オレンジ、青、緑など
草丈: 30~100cm 多年草
花持ち期間: 5~14日
原産地: 南アメリカ