夏の花の花言葉 春の花の花言葉

アルストロメリアの花言葉/エキゾチックな姿は強い友情の象徴

Written by すずき大和

アルストロメリアの和名は

「百合水仙(ユリズイセン)」

といいます。

根本が筒状で、先が6片に分かれ、横向きに咲いている花の形が、なるほど百合や水仙に似ています。内側の3枚の花びらに、筋状のまだら模様(条斑)が入っているのが特徴的な花です。

オランダを中心に品種改良が盛んで、毎年新種が生まれている、世界中の育種家に人気の花のひとつです。花びらと条斑の色の組み合わせが多様にあり、丈夫で花持ちが長く、1本の茎に3つの花が順番に咲きます。ガーデニングだけでなく、ブーケやアレンジメント、切り花としても重宝されています。

日本の花言葉は、これらの花の特徴に由来しています。

西洋では、18世紀に南米大陸を訪れた西洋人が、初めてこの花を発見した時のエピソードにもちなむイメージが定着しています。



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もくじ

アルストロメリアの花言葉

アルストロメリア全般の花言葉

『持続』
『未来への憧れ』
『エキゾチック』
『小悪魔的な思い』
『援助』

色別の花言葉

赤花の花言葉

『幸い』

アルストロメリア(赤)


白花の花言葉

『凛々しさ』

アルストロメリア(白)


ピンクの花言葉

『気配り』

アルストロメリア(ピンク)


西洋の花言葉

『friendship(友情)』(英)
『devotion(献身的な愛)』(英)
『say to make someone feel better(人の気持ちを引き立てる)』(英)
『Amitié(友情)』(仏)

アルストロメリアってどんな花?

インカのユリ

アルストロメリア属は南米大陸原産の球根植物です。

1753年、ペルーを訪れていたスウェーデン貴族のバロン・クラース・アルストレイマー伯爵(Barron Claus Alstroemer)が、この花を見た初めてのヨーロッパ人でした。伯爵は、祖国の科学者の友人にこの種を送りました。以後ヨーロッパ各地に広まり、栽培・育種が盛んに行われるようになり、園芸植物として西洋社会にも定着していきました。

19世紀にイギリスに渡ると

「Lily of the Incas(インカのユリ)」
「Peruvian lily(ペルーのユリ)」

と、呼ばれました。

分類学の父は、発見者の友の名を学名に

アルストレイマー伯爵が種を送ったスウェーデンの科学者は、自然科学に携わる人たちには超有名人、自然界全体を調査し、分類体系化して、世界共通の生物や鉱物の呼び名(学名)をたくさん作った科学者

「カール・フォン・リンネ(Carl von Linné)」

です。

~界・・・~科、~目、~属、○○○、という現在の分類体系の根幹を作ったのはこの人です。生物の学名を「属名」と「種小名(品種名)」2語のラテン語で表す方法(二名法)も、この人が決めました。

今では、「分類学の父!」と呼ばれています。

そんな人でしたから、親友アルストレイマー伯爵が送ってくれた初めて見る植物の種は、胸躍る新種の発見だったわけです。友への熱い感謝の意を込めて、伯爵の名から、この新たな植物の属名を

「アルストロメリア(Alstroemeria)」

と決めました。

花言葉の由来

『持続』

アルストロメリアのカラフルな花は、花びらとガクの一体化したもので、

「花被片(かひへん)」

といいます。

アジサイの花のように、ガクが変化した「萼片(ガクヘン)」が花びらに見えるものは、普通は結実するまで散ることはなく、1か月以上の花持ちをします。が、花被片は花びらと同じく散ります。

それでも、花びらよりはちょっと長く頑張るので、だいたい10~14日間くらい花を付けています。切り花の場合、切り花用の延命剤などを使うと、2週間以上もつこともあります。

また、アルストロメリアは、1本の花茎から3つの花が順番に咲きます。蕾がついた切り花を花瓶に生けておいても、毎日ちゃんと花瓶を綺麗に、水を新しくしてあげていれば、ひとつひとつ3つ目まで咲いていきます。そういうところも『持続』を感じるのでしょう。

『未来への憧れ』『エキゾチック』

アルストロメリアが日本に伝わったのは大正時代でした。花びらより濃い色のまだら模様の姿は、清楚な印象が好まれる日本人から見ると、ちょっと派手すぎたのか、園芸種としてはほとんど広まりませんでした。

80年代、バブルの雰囲気の中、突然人気が出て、普及し、日本の気候にも会う、新しい色や形のものを目指す品種改良が一気に進みます。枝分かれした花径が横向きに八方を向いて花を付けると、ボリューミーに見え、華やかな雰囲気も出せます。まだら模様は異国情緒も感じられました。

  • 華やぎ感が、希望溢れる雰囲気につながると、『未来への憧れ』
  • 『エキゾチック』さが怪しげに感じられたら、『小悪魔的な思い』

かもしれません。

『友情』『気配り』

分類学の父から親友の名をもらったアルストロメリアは、ヨーロッパでは広く、

“強い友情や友達への気遣いを象徴する花”

とされてきました。

6枚の花被片は、

  • 理解
  • ユーモア
  • 忍耐
  • 思いやり
  • 行動
  • 尊敬

という友情の特性をそれぞれ表しているのだそうです。

『devotion(献身的な愛)』
『say to make someone feel better(人の気持ちを引き立てる)』

は、そんな友の心遣いの行動のひとつです。

日本の花言葉、

『援助』

も、西洋の花言葉に影響されています。

アルストロメリアの基本データ

分類: ユリ科アルストロメリア属
学名: Alstroemeria アルストロメリア(属名)
和名: 百合水仙(ユリズイセン)
別名: インカの百合
英名: Alstroemeria,Peruvian lily,Lily of the Incas
開花時期: 4~7月 春~初夏の花
花色: 赤、ピンク、白、紫、黄、オレンジ、青、緑など
草丈: 30~100cm 多年草
花持ち期間: 5~14日
原産地: 南アメリカ


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。