夏の花の花言葉

アンスリウムの花言葉/ちょっと艶めかしい祝福の真っ赤なハート

Written by すずき大和


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「アンスリウム」という名前は知らなくても、ちょっと華々しいシーンを彩るフラワーアレンジメントとして、またはトロピカルな雰囲気を演出する装飾として、そのユニークな花姿を目にしたことがある人は多いでしょう。

手のひらを広げたように、大きなハート形の花びらが一枚上を向き、ハートのくぼみの間からはしっぽのような穂が出ています。

独特の花の形は、ミズバショウなどと同じ、サトイモ科の花に共通する特徴です。花びらのように見えるのは、実は「苞(ほう)」という葉の一種で、しっぽのようなものが花穂です。

白花で、苞が花穂の根本を包むように巻き込んでいるミズバショウは、日本人好みの“わびさび”感のあるたたずまいに見られています。が、ビビットカラーでワックスをかけたような光沢があり、苞がびろ~んと平らに広がっているアンスリウムは、日本人には

“艶やか(あでやか)”

というより

“艶めかしい(なまめかしい)”

印象に映るようです。花言葉もそんな艶めかしさにドキマギする心を表す言葉です。



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アンスリウムの花言葉

アンスリウム全般の花言葉

『煩悩』
『恋にもだえる心』

色別の花言葉

赤花の花言葉

『情熱』

白花の花言葉

『熱心』『無垢な心』

ピンクの花言葉

『飾らない美しさ』

西洋(英語)の花言葉

『hospitality(おもてなし)』
『happiness(幸福)』
『abundance(祝福)』

アンスリウムってどんな花?

サトイモ科の花

冒頭でも書きましたが、サトイモ科の花の特徴は、

“細長い棒状の花穂を大きな苞が包むように咲く”

という構造です。

サトイモの花やミズバショウの他、カラー、スパティフィルム、7年に一度2日間だけ咲くことがたまにニュースになるショクダイオオコンニャクなど、意外といろいろ目にしています。

カラー

カラー(花)

スパティフィルム

スパティフィルム

仏炎苞と肉穂花序

多くの品種では、苞の根本のほうは筒状になっていて、花穂を囲うように保護しています。

大きな苞と花穂は、仏像の姿に例えられます。仏像の背には、後光を模った装飾(「光背(こうはい)」といいます)がついています。苞に包まれた花穂を、光背と仏様に見立てて、サトイモ科の苞は総じて

「仏炎苞(ぶつえんほう)」

と呼ばれています。

花穂全体に小さな花がびっしり並んでつきます。穂の表面のボコボコしたのがひとつひとつの花です。この花の形は

「肉穂花序(にくすいかじょ)」

といいます。確かに、肉太の獣の尾のようです。

ちなみに、属名の「アンスリウム(Anthurium)」は、ギリシャ語の「anthosaura(花)」と「oura(尾)」が語源となっています。英語名も

「Tailflower(テイルフラワー)」

です。直訳すれば“しっぽの花”でしょうか。

アンスリウムは、他のサトイモ科の花と違って、仏炎苞の根本が筒状にならずに開き切っているので、長い花穂がより目立って印象的だったのでしょう。

花言葉の由来

『煩悩』『恋にもだえる心』

アンスリウムの仏炎苞は、根本が広がっているので大きなハート型に見えます。しかも、ポピュラーなのは赤花です。真っ赤なハートは、

“恋に翻弄されている最中の人の心”

に例えられるといわれれば、なるほど、その通りかもしれません。

ピンクやオレンジや紫の花も、エナメル質の光沢のある質感が、とても強烈な印象を与えます。慎ましやかな印象や、ふわっと柔らかい優しい雰囲気が比較的好まれる日本文化の中では、アンスリウムは、ちょっと刺激的でパンチの利いたビジュアルであることは確かです。

赤花の花言葉は『情熱』。

これはただの情熱ではなく、『恋にもだえる心』の愛欲の欲情を表しているならば、そんなふうに“悶々と”してしまうのは、まさに人の『煩悩』の象徴、ということです。

いや、ほんと、艶めかしい・・・。

『おもてなし』『幸福』『祝福』

一方、苞が巻き込まずオープンにびろ~んとして、花色がど派手であることは、西洋ではとても前向きに明るい印象に捉えられているようです。

華やかなハート型の大きな花形は、手のひらを大きく広げて

「WELCOME!」

という表現と捉え、おめでたい場にも相応しい花言葉が付いています。

華やかな場のアレンジメントによく使われるのは日本でも同じですが、西洋ではパーティーや祝賀の場に、本当に日常的に用いられることが多いそうです。白花はウエディングブーケにも使われます。

悶々というより“ルンルン”という感じでしょうか。

総じて“縁起の良い”扱いの花です。

インパクト!にトライしてみよう

トロピカルでエキゾチックな艶やかさに対する、日本と西洋の受け止め方の違いが、花言葉に対照的に表れているのは、とても面白いところだと思います。

たった2日間しか咲かないショクダイオオコンニャクと違い、アンスリウムの仏炎苞は1か月くらい鮮やかな色を保って開いています。大変花持ちがいい花です。

日本の切り花としての人気は今後も高まりそうで、赤以外の色も多く見かけるようになるでしょう。

同じサトイモ科の親戚でも、湿原のミズバショウの風景と随分印象が異なりますが、『煩悩』にまみれた仏様って思うと、なんとなく親近感も沸いてきそう・・・。

渋めの花が好きな人も、たまには思い切ってこんな花を飾ってみると、何か新境地が開けてくるかもしれません。

アンスリウムの基本データ

分類: サトイモ科アンスリウム属
学名: Anthurium アンスリウム(属名)
和名: 大紅団扇(オオベニウチワ)
別名: 大団扇(オオウチワ)、紅団扇(ベニウチワ)
英名: Tailflower,Flamingo lily
開花時期: 5~8月 夏の花
花色: 赤、ピンク、白、黄、オレンジ、緑など
草丈: 30~80cm 多年草
花持ち期間: 1か月前後
原産地: 熱帯アメリカから西インド諸島


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。