春の花の花言葉

ミスミソウの花言葉/情報いろいろ雪割草、花言葉はひとつ

Written by すずき大和

「雪割草(ゆきわりそう)」という花名を聞いたことがありますか?

雪割草は、早春の雪解けの時季、雪の下から顔を出すように咲いてくる草丈の短い花の俗称です。1種類だけでなく、分類の異なるいくつかの花をこう呼んでいます。

最近は、概ね、キンポウゲ科ミスミソウ属の

「Hepatica nobilis ヘパティカ・ノビリス」

という品種のことを指します。一般に「ミスミソウ」といえば、この雪割草のことです。基本種はヨーロッパ原産ですが、世界に約10種の変種があり、そのうち4種が日本に自生しています。

他に、イチリンソウやアネモネの仲間で、花の形がミスミソウに似ているものの中にも、雪割草と呼ばれている花がいくつかあります。

また、サクラソウ科の一種、「プリムラ・モデスタ」という品種の和名が

「西洋雪割草」

です。昭和の頃まではこちらのほうが雪割草として有名でした。

最近は、「ユキワリソウ」で検索すると、サクラソウの画像はほとんど出てきません。花の解説記事は、両方の花の情報が混在しています。

そして「ユキワリソウの花言葉」で検索すると、ほぼミスミソウの花言葉が出てきます。



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もくじ

ミスミソウの花言葉

ミスミソウ全般の花言葉

『自信』
『信頼』
『あなたを信じます』
『はにかみ屋』
『内緒』
『忍耐』

西洋の花言葉

『confidence(信頼、自信)』(英)
『confiance(信頼、信用)』(仏)
『vertrouwen(信託)』(蘭)
『confidence(信頼、自信)』(蘭)

ミスミソウってどんな花?

ミスミソウとアネモネとサクラソウ

ミスミソウの仲間をキンポウゲ科のミスミソウ属として分類したのは、最新の学説です。以前は、同じキンポウゲ科の

「イチリンソウ属ミスミソウ種」
(学名:Anemone hepatica)

と分類していました。今は両方の説が併用され、調べると学名が2種類出てきます。

雪割草の名で検索すれば、学名としてプリムラ・モデスタを記載し、ミスミソウもその仲間のように一緒に紹介する記事もいくつかあるので、

ミスミソウ属(Hepatica)
イチリンソウ属(Anemone)
サクラソウ属(Primula)

3種類の学名を見つけることができます。

日本では雪割草として、プリムラも仲間に含んでいますが、西洋では別ものとして扱っていて、花言葉も別です。プリムラの雪割草は、海外ではサクラソウの一種として扱い、プリムラの花言葉の範囲に入っています。

肝臓の花

西洋では、ミスミソウ属の花言葉の範疇は属全般に及んでいますが、一般に「Hepatica」と呼ぶ場合は、日本と同じくノビリス種のことを指します。また、いくつかの言語では、学名より

「liverwort」(英)
「hépatique」(仏)
「leverbloempje」(蘭)

という花名で呼ぶことが多いです。いずれも“肝臓の花”という意味です。

ミスミソウの葉は、3つに割れ、ひとつひとつの先が尖っているので、全体がなんとなく三角に見えます。人の内臓で三角形の臓器といえば肝臓なので、大昔は、ミスミソウは肝臓病の薬になると考えられ、西洋では薬草として利用していました。それが花名の由来です。

ちなみに、日本語のミスミソウも、漢字で「三角草」と書き、やはり葉の形が由来です。

日本のミスミソウ

日本原産の4種のノビリス種です。

1,ミスミソウ H.nobilis var. japonica

花びらとおしべめしべの色は、青、紫、赤、ピンク、白などあり、その組み合わせも無数にあります。

ミスミソウ


2,オオミスミソウ H.nobilis var.magna

ミスミソウより花が大き目です。色合いが鮮やかで、園芸種として流通しているのはほとんどがオオミスミソウです。

オオミスミソウ


3,スハマソウ H.nobilis var.variegata

ミスミソウより葉の尖り方に丸みがあります。その形が州浜に似ているのが花名の由来。

スハマソウ


4,ケスハマソウ H.nobilis var.pubescens

花茎や葉に毛がたくさん生えているスハマソウです。

ケスハマソウ


5,プリムラ・モデスタ Primula farinosa L.subsp.modesta

ついでに紹介すると、サクラソウ科の雪割草はこんな感じです。

プリムラ・モデスタ


花言葉の由来

寒くても頑張る

『自信』
『信頼』
『あなたを信じます』
『忍耐』
『confidence(信頼、自信)』(英)
『confiance(信頼、信用)』(仏)
『vertrouwen(信託)』(蘭)
『confidence(信頼、自信)』(蘭)

これらは、寒さに負けずに早春の時季を乗り切る姿を見て、その真摯な生きざまに心打たれる思いから生まれた花言葉だといわれています。


『はにかみ屋』
『内緒』

これは、雪の下からこっそり顔をもたげてくる様子が、シャイな印象を与えるところから生まれました。

たくさん花言葉が出てきたら

ネット記事の中には、ミスミソウの花言葉としてサクラソウのものを紹介したり、サクラソウの方の雪割草の花言葉としてミスミソウのものが書いてあったり、という例もあります。

どちらも、花言葉としてはちょっと間違いです。花言葉は、公式な学会などが定めているわけではない、サブカルチャーなので、時々勘違いやいい加減な憶測が広まってしまうこともあります。情報が錯そうしている場合は、ちゃんと裏がとってありそうなものを見極めてください。

ミスミソウの基本データ

分類: キンポウゲ科ミスミソウ属
   ※キンポウゲ科イチリンソウゾク属 とする説もあり
学名: Hepatica nobilis  ヘパティカ・ノビリス
   ※ Anemone hepatica アネモネ・ヘパティカ
和名: 三角草(ミスミソウ)
別名: 雪割草(ユキワリソウ)、洲浜草(スハマソウ)
英名: Hepatica, Liverwort, Liverleaf
開花時期: 2~5月 早春の花
花色: 青、紫、赤、ピンク、白など
草丈: 10cm~25cm
原産地: 北半球の温帯


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。