春の花の花言葉

アネモネの花言葉/ギリシャ神話の恋の悲劇から生まれた愛の花

Written by すずき大和


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アネモネというと、赤い花を真っ先に連想する人が多いでしょう。

花びらの根本のほうが白く、花の中心に白い輪っかがあるのが特徴的なあの花は、

「アネモネ・コロナリア(anemone coronaria)」

という品種で、一般にアネモネというとこれのことを指します。

ギリシャやローマの神話では、愛と美の女神アフロディーテのシンボルであり、

“愛の象徴の花”

とされています。西洋では今も愛情表現のプレゼントとして人気です。

アネモネ属は、野生種と交配種合わせて世界に120種ほどあります。

赤いコロナリアだけでなく、青・紫・白・ピンク・オレンジなどの花色や、八重咲きなど花びらの形態も様々な園芸種があります。見た目がとても愛らしく、西洋でも日本でも、春のガーデニングには欠かせない花です。

世界で愛されているアネモネですが、その誕生の逸話については、ギリシャ神話の中に悲しい恋の話が2種類伝わっており、花言葉の多くはそのエピソードに由来しています。



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アネモネの花言葉

アネモネ全般の花言葉

『はかない恋』
『恋の苦しみ』
『見捨てられた・見放された』
『消えゆく希望』
『無実の犠牲』

色別の花言葉

赤花の花言葉

『君を愛す』

白花の花言葉

『真実』
『期待』
『希望』

青花の花言葉

『堅い誓い』

紫花の花言葉

『あなたを信じて待つ』

ピンクの花言葉

『待望』

西洋の花言葉

『anticipation(期待)』(英)
『forsaken(見捨てられる、見放される)』(英)
『清浄無垢』(仏)
『無邪気』(仏)
『辛抱』(仏)

花言葉の由来

嫉妬と誤解が生んだ花

西洋でよく知られているアネモネにまつわるギリシャ神話は、アフロディーテ(ローマ神話ではヴィーナス)の話です。

“ある日、息子のキューピットと遊んでいたアフロディーテは、息子が誤って放った矢に当たってしまいます。

キューピットの矢といえば、「当たると最初に見た人間に恋してしまう」という愛の矢です。女神は目に入った人間の美少年アドニスに夢中になってしまいます。

彼女の恋人・戦いの神アレス(マルス)は、アフロディーテが心変わりしたと思い、嫉妬のあまり自らをイノシシの姿に変え、狩りに来た少年を襲います。牙に突かれたアドニスはあっけなく絶命します。

アネモネは、アドニスの流した血から咲いた花とも、彼の遺体を見てアフロディーテが流した涙から咲いた花とも伝えられています。”

『はかない恋』
『君を愛す』
『無実の犠牲』

これらの花言葉は、アフロディーテの情熱的な恋心や、罪もなく殺されたアドニスのことを表しています。アネモネがアフロディーテの愛の象徴である所以でもあります。

春風の花

アネモネの花名の由来は、ギリシャ語の「風(anemos)」からきています。

春の暖かな風が吹き始める頃咲く花、ということで、イギリスでは別名

「Windflower」(風の花)

と呼んでいます。

また、秋に結実したタネは、やはり風によって運ばれることで繁殖してきました。

『清浄無垢』
『無邪気』
『辛抱』

これらフランスの花言葉は、風に身を委ねて生きる様子を純真な姿と受け止めて付けられたものです。『辛抱』は、“やさしい春の風を、辛抱して待つ”という意味です。

『期待』
『希望』

『待望』
『あなたを信じて待つ』

というのも、春風をじっと待っている姿から生まれた花言葉です。

禁断の恋の花

ギリシャ神話のアネモネのもうひとつの話は、この“風”にまつわるものです。

ギリシャには、東西南北の風をそれぞれ司る神様がいました。アネモネの誕生は、春風を運ぶ西風の神ゼピュロスの話です。

“ゼピュロスの妻は、花と春の女神クロリスです。ゼピュロスの吹かせる春風を受けて、クロリスの神殿の妖精たちが準備した花が次々咲くことで、世界には春がもたらされます。

ゼピュロスは、妖精のひとりアネモネを密かに恋していました。クロリスは、アネモネの準備する花だけ予定より早く咲くことに気づき、夫の浮気心を悟ります。嫉妬した女神はアネモネを神殿から追い出します。

追い出されたアネモネは、花の妖精の力を失い、生きる希望も失って毎日泣き暮らしていました。ゼピュロスはアネモネを哀れに思いながら、妻の手前神殿に連れ帰ることもできず、苦悩します。結局、萎えて変わり果てた少女の姿を、そっと花に変えてあげたのでした。”

『恋の苦しみ』
『君を愛す』

は、ゼピュロスの心を表した花言葉でもありました。

『見捨てられた・見放された』
『消えゆく希望』

は、ゼピュロスに好かれたばかりに神殿を追われたアネモネの絶望を表しています。

ネガティブとポジティブ両面の花言葉

アネモネ全般の花言葉は、悲劇を表すネガティブな意味が並びます。

が、西洋の人々は、その花姿をとても愛していたので、アネモネを忌避することなく、色別の花言葉に、前向きに愛を表現する言葉をたくさんつけて、進んでアネモネをプレゼントやガーデニングに取り入れてきました。

日本でも、アネモネは春のガーデニングを彩る花として、鉢植えに、プランターに、庭の花壇に、と、大変重宝され、愛されています。

暗い花言葉は気にせず、愛の花として、ぜひこれからも大事に愛でてあげてください。日本人的な感覚でいうと、哀れなアドニスやアネモネの供養のためにはそれが一番いいことですから。

しかし、ギリシャの神様って、神なのに、恋多き煩悩の塊みたいな話多いですね・・・。

アネモネの基本データ

分類: キンポウゲ科イチリンソウ属
学名: anemone coronaria アネモネ・コロナリア
和名: 牡丹一華(ボタンイチゲ)
    花一華(ハナイチゲ)
    紅花翁草(ベニバナオキナグサ)
英名: Anemone,Windflower
開花時期: 3~5月 春の花
花色: 赤、ピンク、白、青、紫など
草丈: 15~50cm 多年草
花持ち期間: 4~5日
原産地: 地中海沿岸


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。