春の花の花言葉

マンサクの花言葉/神秘の力が呼び込む幸運!早春の縁起物

Written by すずき大和

日本のマンサクは、まだ寒さ厳しい早春の頃、葉に先駆けて黄色い花を咲かせる花木です。山で春一番初めに咲くので

「まず咲く」⇒「マンサク」

の花名になった、という説もあります。

細い線状の花びらが、不規則に曲がって開く、独特の咲き姿をしています。西洋のマンサクの仲間は、「黄金の蜘蛛」と呼ばれることもあります。

蜘蛛というと、なんだか気味悪いイメージのようにも聞こえますが、東洋でも西洋でも、マンサクの花言葉は、どちらかというと良い意味での神秘的な力を連想させる言葉が並んでいます。



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もくじ

マンサクの花言葉

マンサク全般の花言葉

『呪文』
『魔力』
『霊感』
『不思議な力』
『神秘』
『ひらめき』

西洋の花言葉

『a spell(呪文、魔力)』(英)
『hechizo(呪文)』(西)
『Vous m’envoûtez(あなたは私を愛している)』(仏)
『Du liebst mich(あなたは私を愛している)』(独)

マンサクってどんな花?

日本の固有種

マンサク属の仲間は、大きく東アジア原産の種と北米原産種に分かれます。

日本で一般的に「マンサク」と呼ばれているのは、日本原産の固有種のことです。北海道から鹿児島まで広く分布して自生しています。庭木などに植栽されることも多く、盆栽や枝物としても珍重されており、商用栽培もされています。

マンサク


シナマンサクと交配園芸種

日本では、中国原産のマンサクも園芸種として流通しています。香りが日本のマンサクよりやや強めで、和名では「シナマンサク」と呼ばれています。

マンサクより早い時季(12月頃)から開花し、真冬でも枯れ葉が散らずに枝に残っているのが特徴的です。

シナマンサク


また、園芸種の中には、シナマンサクとマンサクを交配して作られた品種も多く出回っています。交配種は花色も赤やオレンジなど、比較的豊富に見られます。

写真は「アカバナマンサク」です。

アカバナマンサク


また、ピンク色の花が咲く「トキワマンサク」という中国原産の園芸種もよく見かけますが、これは、マンサク属とは別の属の仲間で、花言葉も別になっています。

トキワマンサク


西洋のマンサク

西洋に出回っているのは、主に北米原産の品種です。日本では「アメリカマンサク」と呼んでいます。

東洋のマンサクは早春に咲きますが、北米品種は秋に開花する品種が一般的です。花色は基本的に黄色ですが、赤やオレンジ色の亜種も豊富です。

アメリカマンサク


花言葉の由来

魔女のハシバミ

西洋では、多くの言語で、マンサク属の花木は

「Witch hazel(魔女のハシバミ)」(英)
「Avellano mágico(魔女のハシバミ)」(西)
「Noisetier des sorcières(魔法使いのハシバミ)」(仏)
「Haselnuss Hexen(魔女のハシバミ)」(独)

と呼ばれています。葉の形がハシバミの木と似ているようです。

ヨーロッパへは北米から伝わったとみられますが、アメリカの先住民は葉や樹液のエキスを静脈疾患の治療薬にしていました。そのせいか、マンサクの木には神秘的な力が宿ると考えられ、ダウンジング(木の枝などを使って、地中の水脈などを探し当てる方法)や占いにマンサクの枝を使っていました。

『a spell(呪文、魔力)』(英)
『hechizo(呪文)』(西)

これらの花言葉は、そんな神秘の力のイメージからきています。

『Vous m’envoûtez(あなたは私を愛している)』(仏)
『Du liebst mich(あなたは私を愛している)』(独)

どうやら、フランスやドイツでは、マンサクの魔力は、恋の魔法に効果的だったようです。

豊作の占い

『呪文』
『魔力』
『霊感』
『不思議な力』
『神秘』

日本の花言葉は、西洋の花言葉の訳とも思えます。が、日本でも

“マンサクがたくさん花を付けると、その年は豊作になる”

といわれており、花付きの具合で収穫高を占っていたそうです。花名も「豊年満作(万作)」から字をあてたといわれています。

日本のマンサクの花の神秘の力は、豊穣を呼び込む魔力だったようですね。

はじける咲き姿

『ひらめき』

これは、マンサクの花びらが思い思いにカールして開いている様子が、ぱっと弾けたように見えることからイメージされた花言葉といわれています。

“美しい”とはなかなかいえない花の形ですが、この爆発して弾けたようなイメージは、他の花と比べて確かにインパクトがあります。東洋でも西洋でも、内から溢れ出る神秘の力を感じた、というのは、なんとなくわかるような気がします。

『霊感』『呪文』『魔力』など、ちょっとおっかなそうな響きですが、これらの力は良いことを呼び込む神聖なものとしてイメージされており、「満作・万作」の名称も喜ばしいものです。また旧暦の新春に咲く花でもあり、日本では初春を祝う花として、春の門出やお祝い事に添えられることも多い、縁起物なのです。

マンサクの基本データ

分類: マンサク科マンサク属
学名: Hamamelis japonica ハマメリス・ジャポニカ
和名: 満作または万作(マンサク)
別名: 金縷梅(キンロウバイ)、ネソ
英名: Japanese witch hazel(日本固有種)
    Witch hazel(西洋のマンサク、またはマンサク属全体)
開花時期: 2~3月 早春の花
花色: 黄、オレンジ、赤
草丈: 5~10m 落葉小高木
原産地: 日本(固有種)


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。