春の花の花言葉

ネモフィラの花言葉/アメリカ生まれの超ポジティブ花言葉!

Written by すずき大和

ネモフィラの原種は、カリフォルニアなど、アメリカ西部から東南部、メキシコにかけての地域に広く自生しており、花壇の園芸種としても親しまれています。

茎が横に広がって、地面を覆うように繁殖します。多少の日陰でもアスファルトのすき間でもぐんぐん育って花を咲かせる強い繁殖力があり、ヨーロッパやアジアに渡った種も各地で帰化しました。

英語圏とフランス語圏で、特に親しまれており、身近な山野で、4~5月に地面を覆って咲く景色は、日本人にとっての桜や菜の花と同じ、春の到来を感じる風物詩です。

日本の花言葉は、英語とフランス語の花言葉と、爽やかな青色の花のイメージから連想された言葉が並んでいます。



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もくじ

ネモフィラの花言葉

ネモフィラ全体の花言葉

『どこでも成功』
『あなたを許す』
『可憐』
『清々しい心』
『荘厳』
『愛国心』

西洋の花言葉

『success everywhere(どこでも成功)』(英)
『je vous pardonne(私はあなたを許す)』(仏)

ネモフィラってどんな花?

突然有名になった真っ青な花畑

ネモフィラが日本に入ってきたのは、大正時代です。すぐに根付き、

「瑠璃唐草(ルリカラクサ)」

の名で、園芸種として広まりました。帰化した品種もあります。

が、ネモフィラの名前は、ごく最近まで日本国内ではそんなに知られてはいませんでした。

2010年代になり、茨城の国営ひたち海浜公園の広大なネモフィラの花畑の風景が、海外で大変話題になりました。外国からたくさんの観光客が訪れるようになったことで、日本でも一気に人気が出ました。

ひたち海浜公園


空色だけじゃない

ネモフィラ属(Nemophila)は、北米だけで十数種類の品種が見られますが、一般にネモフィラと呼ばれているのは、私たちもよく知っているあの空色の花です。学名は

「Nemophila menziesii(ネモフィラ・メンジーシー)」

という品種です。英語圏では

「Baby blue eyes(ベイビーブルーアイズ)」

と呼ばれています。“赤ちゃんの青い瞳”という意味です。

空のような明るいブルーの花が最もポピュラーですが、メンジーシーの改良園芸種の中には、もっと濃い青もあります。中には黒紫や白の変わり種もあります。

1,インシグニスブルー(N. menziesii ‘Insignis blue’)

インシグニスブルー


2,ペニーブラック(N. menziesii var. discodialis)

ペニーブラック


3,スノーストーム(N. menziesii var. atmaria ‘Snowstorm’)

スノーストーム


4,ファイブスポット(N. maculata)

メンジーシーとは別の品種です。これも、世界的に人気があります。英名は「Five spot(ファイブスポット)」です。

ファイブスポット


花言葉の由来

清々しい空色の可憐な花

ひたち海浜公園の風景は、空と地面が溶けあうような、一面の爽やかな空色です。まるで天国のような光景のようでもあり、ちょっと神秘的で厳かな気分にもなります。

花に近寄れば、空色と白の愛らしい姿をしています。アメリカ人が“赤ちゃんの瞳”と例えるのもうなづける可憐な可愛らしさです。

『可憐』
『清々しい心』
『荘厳』

これらの日本の花言葉には、こんな花のイメージが反映されています。

『愛国心』

というのは、なんだか仰々しいイメージが重なってしまうかもしれません。が、この“国”は、“nation(国家)”ではなく、“land(国土)”のようなニュアンスで、

  • 「郷土愛」
  • 「自然愛」

みたいな感じで解釈するほうが良さそうです。

丈夫で旺盛な繁殖力

『success everywhere(どこでも成功)』(英)

これは、環境に適応し、北半球の広範囲に広がった生命力に由来します。めちゃめちゃ強気でポジティブな言葉です。陽気なアメリカ生まれらしいですね。

なんだか「どこでもドア」みたいな響きですが、そういえば、花の明るい空色は、ドラえもんのからだの色と同じ青です。

フランスの花言葉

『je vous pardonne(私はあなたを許す)』(仏)

フランス語圏では、とても定着している花言葉のようで、フランス語の花言葉集やサイトを見ると、どこにでもこのフレーズが載っています。が、由来がよくわかりません。

欧州に古くから伝わる伝説に、ネモフィラという名の薄幸の女性の話があります。どうもそれからきているようですが、エピソードのどこにちなんでこの言葉になったのか、解説されている情報に行き当たりません。

ネモフィラの花の誕生秘話

ネモフィラという女性に、ひとりの男が恋をしました。彼は、神に

「この恋が叶うのならば、死んでもいい」

と、祈りました。

やがて、念願叶って、ふたりは愛し合うようになり、結婚します。が、神は約束通り、結婚式の夜、男を天国へ連れて行ってしまいます。

ネモフィラは夫を取り返そうと神の後を追い、青く燃える天国の門の前まで来ました。泣きながら夫を返してくれるよう頼みましたが、門が開くことはありませんでした。

しかし、ネモフィラは一歩も動かずそこでずっと泣き崩れていました。哀れに思った神は、ネモフィラを美しい青い花に変えたのでした。


花になったネモフィラは、悲しみが収まって、自分を置いていった夫、あるいは連れ去った神のことを許す気持ちになったのでしょうか。

はたまた、神がネモフィラの愛に免じ、門の中へ入ることを許してくれたのでしょうか。

ネモフィラは今も青い炎の門の傍らでひとりぼっちでいるのでしょうか・・・なんだかとっても気になります。

ネモフィラの基本データ

分類: ムラサキ科ネモフィラ属
学名: Nemophila ネモフィラ(属名)
和名: 瑠璃唐草(ルリカラクサ)
英名: Baby blue eyes,Nemophila
開花時期: 3~5月 春の花
花色: 青、白、群青、複色など
草丈: 10~20cm 一年草
原産地: 北アメリカ


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。