春の花の花言葉

ネコヤナギの花言葉/気ままな猫気質でも、空に向かう伸びやかさ

Written by すずき大和

日本中の水辺によく見られるネコヤナギの木。春先に、葉に先駆けて、銀色のふわふわした360度毛ブラシのような花穂が枝にたくさん付きます。花びらはなく、極めてユニークな特徴の花です。

猫の尻尾のように見えるので

「猫柳(ネコヤナギ)」

の名が付きました。が、この独特の花の形態は、ヤナギ科ヤナギ属の木に共通しています。

西洋でも、ヨーロッパ原産のヤナギのいくつかの品種が“子猫の柳”という意味の

英名「Pussy willow プッシー・ウィロー」
仏名「Chatte de saule」
独名「Weidenkätzchen」

などの名称で呼ばれています。欧州で最もよく見られるのは、

学名「Salix caprea サリックス・カプレア」

という品種の低木ですが、カプレアは山羊の意味ですから、イギリスでは

英名「Goat Willow ゴート・ウィロー」(直訳するとヤギヤナギ)

という名前が付いています。猫と山羊の尻尾って似ていましたっけ?



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もくじ

ネコヤナギの花言葉

ネコヤナギ全般の花言葉

『自由』
『思いのまま』
『開放的』
『率直』
『自由な心』
『気まま』
『親切』
『努力が報われる』

西洋のプッシー・ウィローの花言葉

『motherhood(母性)』(英)
『recovery from illness(病気からの回復)』(英)

ネコヤナギってどんな花?

日本のネコヤナギ

日本でネコヤナギと呼ばれているのは、

学名「Salix gracilistyla サリックス・グラシリスタイラ」

という品種の木です。

主に東アジアに分布する、日本原産の低木です。北海道から九州にかけて、渓流や川辺など、日当たりがよく湿り気のある場所を好んで自生しています。

銀色や明るいグレーの花穂が一般的ですが、変種や亜種の仲間も多く、ピンクや暗紫色の花穂のものも、園芸種として人気があります。

細い枝にポンポンと花穂が並ぶ見た目が可愛いらしいと、生け花としても昔からよく使われてきました。

ピンクネコヤナギ


おしべと葯、雄花・雌花

花弁はありませんが、花芽から花穂が出てきてしばらくすると、ふわふわの毛の間から、先端に花粉の袋がついたおしべがたくさん伸びてきます。花粉の袋は「葯(やく)」といいますが、これが弾けると花粉が周囲に飛び散ります。

この飛び出したおしべのことを「花」と解説する情報もあります。葯は白、黄色やオレンジ色なので、その場合は花色の説明にも「黄色」「オレンジ」が入っています。

ネコヤナギ雄花


ヤナギ属は雌雄で株が分かれるので、雄の木には雄の花、雌の木には雌の花が咲きます。

黄色いおしべが飛び出すのは雄の花です。雌の花は白っぽいおしべが出てきます。全体的に雄の木のほうが多く見られ、雌の木は花穂も雄より短めなので、若干目立たないようです。

花言葉の由来

猫から連想されること

『自由』
『思いのまま』
『開放的』
『率直』
『自由な心』
『気まま』

これらは、一般的に猫っぽい性格といわれる気質のオンパレードのようです。

母性の象徴

『motherhood(母性)』(英)
『recovery from illness(病気からの回復)』(英)

キリスト教では、元来ヤナギの木は、祝福を意味する縁起のいい木とされていました。しかし、枝が下に向かって伸びる品種が多かったので、うつむいて風に揺れる姿がもの悲しげに映り、ヨーロッパではいつのまにか“悲しみの木”として喪の象徴のようになっています。

が、プッシー・ウィローと呼ばれる品種は、日本のネコヤナギと同じく、枝が上や横に張って伸び、垂れ下がった樹形になりません。

そのためか、プッシー・ウィローは肯定的に解釈され、優しく癒しや保護を与えてくれる木、という印象が持たれています。「良い志」や「母性」の象徴とされたり、家を守る木ということで、家を新築した時のお祝いの贈り物にされたりしています。

ほっこりいい印象

『親切』
『努力が報われる』

日本のこれらの花言葉も、うなだれず、上や横に向かって枝が広がっていく様子から、天に向かっておおらかに手を差し伸べているようなイメージが喚起されて生まれたようです。

猫の性格は気まぐれ感の強い花言葉にもなっていますが、日本でもやはりネコヤナギはどちらかというと縁起のいい印象が持たれています。

ネコヤナギの基本データ

分類: ヤナギ科ヤナギ属
学名: Salix gracilistyla サリックス・グラシリスタイラ
和名: 猫柳(ネコヤナギ)
別名: 川柳(カワヤナギ)、狗尾柳(エノコロヤナギ)
英名: Rose-gold pussy willow(ネコヤナギ)
Pussy willow(ネコヤナギに似たいくつかのヤナギ属の種)
開花時期: 3~4月 春の花
花色: 白、ピンク、グレー、暗紫色など
樹高: 1~3m 落葉性低木 
生息地: 日本、中国、朝鮮半島
原産地: 日本


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。