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フヨウの花言葉/日本古来の花?蓮?ハイビスカス?本当は何者?

Written by すずき大和

街路樹や公園の植え込みなどで、夏になるとよく目にする「フヨウ」は、日本に古代から自生し、室町時代には既に庭木として栽培されていました。浮世絵や俳句などにも出て来る、日本古来の花の印象がある花木です。

そんな“和”のイメージが強い花ですが、植物学的には熱帯地方を象徴するようなエキゾチックなイメージの「ハイビスカス」と同じ仲間です。というか、ハイビスカスは「フヨウ属」の学名です。学術的には、

  • 日本のフヨウ
  • 韓国の国花のムクゲ
  • ハワイ州の花ハイビスカス
  • アメリカ産のアメリカフヨウやモミジアオイ

などなど、フヨウ属はみな「ハイビスカス(Hibiscus)」です。

日本人的には、秋の季語の日本の花と、トロピカルな真夏の花をいっしょにされるのは、ちょっと抵抗あるかもしれません。が、実はフヨウの花言葉は、海外のハイビスカスの花言葉を由来ごと転用しています。

季節にこだわって花の扱いを分ける日本では、珍しい例といえます。



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もくじ

フヨウの花言葉

フヨウ全般の花言葉

『繊細な美』
『しとやかな恋人』

西洋のハイビスカスの花言葉

『delicate beauty(繊細な美)』(英)

フヨウってどんな花?

フヨウ属(ハイビスカス)の花

西洋では、花名が植物分類学上の「属」と連動していることが多く、見た目の色形や咲く季節が異なっても、同じ属の花はひとくくりの品種として認識されるケースが目立ちます。

一方、日本では、細かく品種別に花名や花言葉が付けられることが多いです。

例えば、日本では「椿」と「サザンカ」は別の花扱いで、花言葉も別です。が、西洋ではサザンカはあくまでも椿(Camellia カメリア)の品種の中のひとつで、花言葉も椿全般に含まれます。

が、フヨウ属については西洋でもひとまとめではありません。

植物分類学が発展していなかった時代、中国では「フヨウ」「ムクゲ」「ハイビスカス」は別の花名の別の種類の花として扱われていて、そのままヨーロッパに伝わったので、西洋でも、それぞれ別の名称が付き区別されました。花言葉も違っている国が多いです。

一般に「ハイビスカス(hibiscus)」というと、西洋でも日本と同じく、トロピカルな品種を指します。

ハイビスカス


ムクゲは、中国ではタチアオイの仲間として扱っていました。そのため西洋でも花名に「hibiscus」はつけず、イギリスでは「rosemallow ローズマロー」と呼びました。

ムクゲ1


そして、フヨウは「Cotton rosemallow」と呼ばれました。実はこれは北アメリカの多年草アメリカフヨウの呼び名です。見た目が日本のフヨウと似ているので、品種は違いますが、同じ名前でくくられてしまったようです。

フヨウ1


花言葉の由来

美の象徴

『delicate beauty(繊細な美)』

は、イギリスでのハイビスカスの花言葉です。

英語でハイビスカスは、「China rose」(中国のバラ)ともいわれます。西洋では大きくて華やかな花の代表はバラですから、外来種の艶やかな花には、「○○○○rose」と名付けることが多いです。

中国でも西洋でも、ハイビスカスには、バラと同じく

  • 美しさや華やかさ
  • 名声や栄光

を象徴する意味があります。

はかなくデリケートな花

フランスでは、ハイビスカスはその強烈な鮮やかさが艶めかしさを連想するのか、官能的な意味が含まれ、花言葉も『あなたが欲しい!』というなかなか欲情的なメッセージです。が、イギリスではデリケートさが強調されています。

ハイビスカスの花期は2~3か月ほどあります。その間、次から次へと花が咲いていきますが、ひとつひとつの花の命は、実はたった1日しかありません。はかない命のけなげさが、「繊細な(delicate)」という言葉に表されました。

『しとやかな美人』

という日本の花言葉も、この繊細なイメージから生まれたものです。

なぜハイビスカスの花言葉なのか?

西洋では、ムクゲやアメリカフヨウにも、ハイビスカスとは違う花言葉がついています。ただ、フヨウについては、そこだけ個別の花言葉がありません。

中国語で「芙蓉」は、日本のフヨウと、もうひとつ「蓮の花」のことも指しました。西洋では芙蓉=蓮(ロータス)の意味が普及し、フヨウの存在感が薄らいでしまったようです。

日本では、ムクゲもハイビスカスも、西洋の花言葉が直輸入されています。フヨウはなかったので、属名のハイビスカスの花言葉にしてしまったのでしょうか?

いやいや、花期のズレる花を一緒にまとめるなど、日本の花言葉感覚ではありえないことです。もしかしたら、毎日新しい花と入れ替わる様子からつけた花言葉が、偶然ハイビスカスと被ったという偶然なのかもしれません。

実は、日本で「ハイビスカス」という名称が普及したのは、1988年、黄色いハイビスカスがハワイの州の花に認定されて以降です。それまでは、和名で

「ブッソウゲ(扶桑花)」

と呼んでいました。フヨウの花言葉が作られた当時、「ハイビスカス」が南国の花の名称になっていることに気づかずに、フヨウもあちらではハイビスカスと呼ばれていると勘違いして転用したのかもしれません。真相は不明です。

日本のフヨウは、アメリカには普及し、アメリカフヨウとの交配種もあります。が、ヨーロッパではイマイチ影が薄い花だったようです。

フヨウの基本データ

分類: アオイ科フヨウ属
学名: Hibiscus mutabilis ハイビスカス・ムタビリス
和名: 芙蓉(フヨウ)
別名: 木芙蓉(モクフヨウ)
英名: Cotton rose,Confederate rose
開花時期: 7~10月 夏~秋の花
花色: ピンク、白、赤など
草丈: 1~4m 中低木
花持ち期間: 1日
原産地: 中国、台湾、日本


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。