春の花の花言葉

ミモザの花言葉/アカシアの黄色い花は女性の強さのシンボル

Written by すずき大和

ミモザはアカシア属の花木です。アカシア属は、世界中に600種類ほど自生しています。多くは、黄色や淡黄色の細長いおしべが放射状に広がった、ポンポンのような球形の花が咲きます。

原産地オーストラリアからヨーロッパに伝わると、春の到来を知らせる花木として深く愛されるようになりました。欧州南部では、黄色い花が枝先に房のように咲く品種

「Acacia dealbata アカシア・デアルバタ」
(和名:フサアカシア)

が、切り花用に盛んに園芸栽培されています。

最初、葉と花の形がオジギソウ属の多年草「オジギソウ」によく似ていたため、最大の産地フランスで、間違ってオジギソウ属の学名

「Mimosa ミモザ」

の名で呼ばれました。そのまま外の国にも広まって、花名としてすっかり定着してしまいました。

現在、ヨーロッパの園芸界では、ピンクのオジギソウも黄色のアカシアも、どちらも「ミモザ」と呼んでいます。一般的に「ミモザ」という時はフサアカシアを指しますが、花言葉はオジギソウ由来のものとアカシア由来のものが混在しています。



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もくじ

ミモザの花言葉

ミモザ全般の花言葉

『秘密の恋』
『神秘』
『エレガンス(優雅)』
『豊かな感受性』
『友情』
『堅実』
『感謝』

西洋のアカシア属全般の花言葉

『secret love(秘密の恋)』(英)
『sensitivity(感受性、思いやり)』(英)
『sensibilite(感受性、思いやり)』(仏)

ミモザってどんな花?

日本のミモザは2種類

日本にアカシア属が伝わったのは明治の初めです。フサアカシアの花をミモザと呼ぶ慣習も一緒に伝わり、以来ずっと黄色いミモザの花が日本の常識です。一般的にミモザという場合、オジギソウのことは指しません。

近年、園芸の世界では学名と紛らわしくなるため、アカシアのほうを

「ミモザアカシア」

と呼ぶこともあります。

また、フサアカシアと見た目が大変よく似た

「Acacia baileyana アカシア・ベイレヤナ」
(和名:ギンヨウアカシア)

という品種も、日本では「ミモザ」と呼んでいます。店頭の花枝はギンヨウアカシアのほうが多く出回っています。花言葉はどちらも同じ“ミモザの花言葉”になります。

ギンヨウアカシアのギンヨウは「銀葉」と書きます。フサアカシアより葉っぱが銀色がかっているのでそう呼ばれます。

ミモザ葉


ちなみに、本来のミモザ属、オジギソウはこんな花です。花も葉もアカシア属と確かによく似ています。こちらは高さ10~30cmほどの草ですけどね。

オジギソウ花と葉


花言葉の由来

アメリカではインディアンのメッセージ

『秘密の恋』
『神秘』
『secret love(秘密の恋)』(英)

昔、インディアンの若い男女が愛の告白として、無言でアカシアの花を渡すという習慣があったそうです。これらはそこから生まれた花言葉といわれています。

日本では優雅なイメージ

『エレガンス(優雅)』

細い線のようなおしべが集まったポンポンのような花は、とても繊細で、それがたわわに集まった花穂が枝いっぱいに咲き誇る姿は、日本人の目にはとても優雅に映りました。

フランス・イギリスではオジギソウもミモザ

『豊かな感受性』
『友情』
『堅実』
『sensitivity(感受性、思いやり)』(英)
『sensibilite(感受性、思いやり)』(仏)

これらは、オジギソウの花言葉からきています。オジギソウの特徴、触ったり風が吹いたり振動を感じると、敏感に反応して葉をパタパタと閉じてしまう様子から発想される、センシティブ(敏感・繊細)なイメージに基づいた表現です。

「感受性」「思いやり」とは、「sensitivity センシティビティ」の意訳の範囲ですが、更に日本人は、デリケートでピュアなイメージから、硬い友情の絆も連想したようです。

ミモザの一大産地、フランスの海沿いの街モンドリューラナープルでは、1931年から毎年2月に「ミモザ祭り」が開かれています。町中にミモザの花が溢れ、ミモザの花飾りをした山車が引かれるパレードも華やかで、フランス人の「豊かな感受性」が爆発したかのように、街すべてが黄金に輝く祭なのだそうです。

イタリアでは強さと女性らしさの象徴

ミモザの花が咲き始めるシーズンの3月8日は、「国際女性デー」です。イタリアでは、この日を

「ミモザの日」

と呼び、男性が日ごろの感謝を込めて女性にミモザの花を贈る習慣があります。

『感謝』

の花言葉は、そこから付けられました。

イタリアでは、この日女性たちは、家事や育児から解放され、羽を伸ばして女同士夜遅くまで楽しむのだそうです。

日本人は、母の日のカーネーションのイメージで、男性側の心情「感謝」を花言葉ととらえたようです。が、当のイタリア人の印象としては、ミモザの花は

“女性の強さと素晴らしさの象徴”

であり、まさに女性主体のイメージを表す花です。日本人の発想は、まだまだ保守的です。

ミモザの基本データ

分類: マメ科アカシア属
学名: Acacia dealbata アカシア・デアルバタ(フサアカシア)
    Acacia baileyana アカシア・ベイレヤナ(ギンヨウアカシア)
和名: 房(フサ)アカシア、銀葉(ギンヨウ)アカシア
別名: ミモザ、ミモザアカシア、ハナアカシア
英名: Mimosa,Silver wattle,Golden mimosa
開花時期: 2~4月 早春の花
花色: 黄色
樹高: 5~10m 常緑小高木
原産地: オーストラリア、タスマニア


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。