春の花の花言葉

フジの花言葉/セレブに1000年愛された花はとっても情熱的!

Written by すずき大和

5月の声を聞くと、全国の藤の名所での「藤まつり」の報が目につくようになります。大きな藤棚を下から見上げた、まるで薄紫色のシャワーに包まれるような映像や、独特の形の花が並んだ花穂が長く垂れ下がる、風情のあるたたずまいは、時に雄大で圧巻です。
 
藤の仲間は世界各地に自生していますが、日本で見られる観賞用の藤棚のほとんどは、日本原産の

「フジ(野田藤)」(学名:Wisteria floribunda)

です。古代から育てられている最古の園芸種のひとつです。

特に平安時代、フジは皇族や貴族を中心に大流行しました。

長寿でツルが長く伸び広がり、上から降り注ぐように甘く豊かな香りの花を咲かせるフジは、繁栄を象徴する花とされ、苗字や地名にも多く取り入れられました。当時、栄華を極めた藤原氏も「藤」の字がつきますね。

園芸人気だけでなく、フジの意匠は工芸品や絵画のモチーフ、家紋にも使われました。フジの花色の薄紫は、「藤色」と呼ばれ、最も高貴な位のシンボルカラーになりました。

1000年以上、和文化のラグジュアリーなシーンを飾ってきたフジの花、花言葉もさぞや高貴で品格のある言葉が並んでいるのかと思いきや、意外にフレンドリー、というよりかなり親密で積極的な響きも感じる花言葉群なのでした。



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フジの花言葉

フジ全般の花言葉

『優しさ』
『歓迎』
『佳客』
『ようこそ美しき未知の方』
『恋に酔う』
『決して離れない』
『陶酔する恋』

西洋の花言葉

『welcome(歓迎)』(英)
『steadfast(確固たる、しっかりした、忠実な)』(英)
『J’aspire à votre amour(あなたの愛を熱望する)』(仏)
『welkom(歓迎)』(蘭)
『bienvenida(歓迎)』(西)

フジってどんな花?

海外で注目!大きな・小さな日本のフジ

日本の野生のフジで多いのは、やはり日本固有種の

「ヤマフジ(ノフジ)」(学名:Wisteria brachybotrys)

と、その亜種です。

国内には、他に、

  • ヨーロッパに普及している中国原産の「シナフジ(支那藤)」
  • アメリカで一般的な北米原産の「アメリカフジ」

がありますが、植栽されている量は少ないです。

ノダフジは、1830年代にアメリカに持ち込まれ、西洋に伝わりました。

ノダフジは世界のどの品種よりも長くツルを伸ばし、花穂も長く垂れます。植物園などに作られたノダフジの大きな藤棚は、ロマンチックな空間として人気を博し、一方で、日本のフジの盆栽も、シナフジ盆栽と共にアジアンボタニカルアートとして高い注目を集めています。

フジは食べられます

フジはマメ科の植物です。甘い香りの花はマメ科特有の構造で、蝶が舞っているような形をしています。

藤の花


また、結実するとエンドウ豆のような大きなサヤがたくさんぶら下がります。

藤の実


花はおひたしやてんぷらにすると、美味しく食べられます。

豆も炒って食べる人がいるようですが、味は微妙らしいです。江戸時代には、飢饉時の大事な糖質だったそうですが、マメ科の中でも毒性が強いほうなので、生では絶対食べちゃいけないとか。

花言葉の由来

お客さま、いらっしゃ~い

フジの花は世界中に古くからありますが、花言葉は西洋のも日本のも似ています。

『優しい』
『歓迎』
『佳客』
『ようこそ美しき未知の方』

『welcome(歓迎)』(英)
『welkom(歓迎)』(蘭)
『bienvenida(歓迎)』(西)

西洋では、門を入って玄関までの通路に植える木を「ウエルカムツリー」といいます。アーチや棚に這わせるツル性植物は定番です。

上品な花色でたおやかに垂れ下がる花穂が揺れる様が、お客様を優しく招き入れているように感じたのは、日本人も西洋人も同じだったようです。

特に、日本では、フジの花は平安の頃から女性に例えられる花でした。花穂があでやかな振り袖姿のようにも見えます。美しい女性は古今東西おもてなしには欠かせない!?

絡まり、伝い上っていくツル植物

平安文学にも、フジの花はたくさん登場します。万葉集にはフジの花が詠まれた歌が27種もあります。思い人を慕う切ない恋心を詠む歌がたくさんあります。

源氏物語に登場する「藤壺女御(ふじつぼのにょうご)」は、光源氏の義理の母ですが、源氏は理想の女性として憧れ、恋心を抑えきれずに悩みます。

フジの花は、まるで悶々とする恋愛感情の象徴であるかのようです。

フジは、時計回りに渦を巻きながら、他の植物などにしっかりと絡みつき、這い上って成長していくツル植物です。そこから、ターゲットに執着し、陶酔していくイメージにつながったのかもしれません。

こんな花言葉もそこから生まれたのでしょう。

『恋に酔う』
『決して離れない』
『陶酔する恋』

『steadfast(確固たる、しっかりした、忠実な)』(英)
『J’aspire à votre amour(あなたの愛を熱望する)』(仏)

雅(みやび)で高貴なフジの花、一皮むけば、実はとっても情熱的でホットなハートのメッセージを語っておりました。

フジの基本データ

分類: マメ科フジ属
学名: Wisteria floribunda ウィステリア・フロリバンダ
和名: 藤
別名: 野田藤(ノダフジ)
英名: Japanese wisteria
開花時期: 4~6月 春~初夏の花
花色: 淡紫、紫、ピンク、白
草丈: 這い上がるものがあれば10m以上。蔓性植物
花持ち期間: 5~14日
原産地: 日本


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。