四つ葉のクローバーのイラストって、ハート型の葉っぱが4枚描いてあることが多いです。
が、実際のクローバーの葉は、品種によって先端がちょっと凹んでいるのもありますが、ほとんどが丸い形をしています。
四つ葉の出現率はクローバーよりぐっと低いのですが、まさにイラスト通りのきれいなハート型の三つ葉の葉っぱを持つのが「カタバミ属」の植物です。クローバーと同じく、平地の野原、公園の広場などによく群生しているので、クローバーと勘違いしている人も多いです。
物凄い繁殖力がある多年草で、もとは南米やアフリカ原産と見られていますが、中世にはすでに世界各地に分散しており、現在は世界中で850種ほどあります。
園芸種として植栽されている品種もありますが、あまりに強い繁殖力なので、野生種は駆除が大変な雑草でもあります。
にも関わらず、好感度の高い花言葉を持つことで知られています。
もくじ
カタバミの花言葉
カタバミ全般の花言葉
『喜び』
『母の優しさ』
『輝く心』
西洋の花言葉
『joy(喜び)』(英)
『maternal tenderness(母のやさしさ)』(英)
『maternal love(母性愛)』(英)
『delight(歓喜)』(英)
『joie(喜び)』(仏)
カタバミってどんな花?
日本でよく見られるカタバミ
日本で「カタバミ」というと一般的にはこの花です。花色はほとんどが黄色です。
ミヤマカタバミ
日本の山野では、白い花びらに紫色の筋が入った「ミヤマカタバミ」もよく見られます。
イモカタバミ
戦後、園芸用として入ってきた「イモカタバミ」は、帰化したものも多いです。
ムラサキカタバミ
同じく最初は観賞用に栽培された「ムラサキカタバミ」ですが、現在では市販はほとんどされず、完全に雑草として全国で繁殖しています。市街地では黄色のカタバミより多いかもしれません。
ヨーロッパのポピュラー品種
コミヤマカタバミ
ヨーロッパからアジアにかけて広く繁殖しているのは、「コミヤマカタバミ」です。薄いピンクや白色の小さな花が咲きます。
花言葉の由来
三位一体とイースター
クローバーの仲間やカタバミの仲間など、三つ葉の植物を総じて、英語で
「シャムロック(shamrock)」
といいます。
これは、キリスト教の多くの流派で中心的な教えのひとつとなっている
「三位一体(さんみいったい)」
という教義を象徴するものとされおり、やっかいな雑草であっても、キリスト教文化の中では、とても神聖で特別な花です。
「コミヤマカタバミ」は、フランスやスペインでは、キリストを称える言葉
「Alléluia(ハレルヤ)」(仏)
「Aleluya(ハレルヤ)」(西)
という別名でも呼ばれています。
咲き始めの時期が「イースター(復活祭)」(キリスト教にとって最も重要なお祭り)とも重なるため、イエス復活の喜びや聖母を連想するような花言葉が付きました。
『joy(喜び)』(英)
『maternal tenderness(母のやさしさ)』(英)
『maternal love(母性愛)』(英)
『delight(歓喜)』(英)
『joie(喜び)』(仏)
酸でピカピカ
カタバミは漢字で
「片喰」
と書きます。日が暮れると葉が半分に折り重なるように閉じる習性があり、葉っぱの半分が食べられてしまったように見えることが花名の由来といわれています。
全国各地に分布する身近な雑草なので、地域ごとにいろいろな名がついており、国内に180くらい別名がある花です。中でも、
「酸葉(すいば)」
「しょっぱ草」
「酢漿草(さんしょくそう)」 ※この漢字は中国語の表記です
など、すっぱい味を表現した名前が多く見られます。
カタバミ属の葉や茎には、多くの水溶性シュウ酸塩が含まれるため、噛むとすっばいのです。他にも、クエン酸や酒石酸も含まれています。
この酸の作用を利用し、日本では昔から、鉄製の武具や真鍮の仏具、鏡などを磨くのにカタバミの葉を使っていました。
『輝く心』
は、金属をピカピカに磨き上げる葉に由来する花言葉です。
強い繁殖力は縁起もの
片喰紋・酢漿草紋
芝生の間などにもあっという間に広がって繁殖する強い雑草なので、一度根付くと根絶するのは容易ではありません。が、そんな強さが
“家が絶えない”
御守となると受け止められ、中世の武家の間では、家運隆盛、子孫繁栄の意味を込めて、縁起担ぎの家紋の図柄にされました。
「片喰紋・酢漿草紋(かたばみもん)」
は、日本の家紋デザインの代表“五大紋”のひとつに数えられており、いろいろなパターンのデザインがあります。
中でも七本の葉をあしらった
「七つ酢漿草紋」
は、戦国武将、長宗我部部元親(ちょうそかべもとちか)の家紋として有名です。
世界中で雑草扱いされているものの、カタバミにはどうやら秘めたるご利益があるようです。
分類: カタバミ科カタバミ属
学名: Oxalis オキザリス(属名)
和名: 酢漿草、片喰、傍食
別名: 雀の袴(スズメノハカマ)、酢漿草(さんしょくそう)、など
英名: Wood sorrel,Creeping woodsorrel
開花時期: 4~10月 春~秋の花
花色: 白、黄、ピンク、紫
草丈: 6~15cm 多年草
原産地: 南アフリカ、アメリカ、アジア