夏の花の花言葉

オオバコの花言葉/人に踏まれたい!踏み跡植物の見つけた活路

Written by すずき大和

オオバコは、世界中の熱帯から亜寒帯、高山から平地まで、至る所に見られます。あえて人や動物がよく通る道に生え、踏みつけられながら育つ

「踏み跡植物」

といわわれる雑草です。

草丈が低いので、踏まれない場所では他の草に埋もれて日照不足になり、育ちません。また、踏んだ足に種をくっつけて運んでもらうことで繁殖してきたという、なかなかしたたかな草です。

ヨーロッパ原産の「セイヨウオオバコ」は、貿易船に乗った人々の足にくっついて運ばれ、世界中で繁殖しています。日本でも帰化していますが、日本原産の「オオバコ」も北海道から沖縄まで繁殖しています。



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もくじ

オオバコの花言葉

オオバコ全般の花言葉

『足跡』
『白人の足跡』
『足跡を残す』
『耐え忍ぶ愛』
『欺瞞』

ツボミオオバコの花言葉

『崇高』

ツボミオオバコ


ヘラオオバコの花言葉

『素直な心』
『惑わせないで』

ヘラオオバコ


西洋の花言葉

『mensonge(嘘、偽り)』(仏)
『Dich trifft man überall.(どこでも出会う)』(独)

オオバコってどんな花?

下からだんだん咲く花穂

オオバコ属の花穂は、細長く緑色の粒々が並んだ形をしています。花びらは開かず、筒状のガクと苞(ほう)の先端からめしべやおしべが飛び出します。

先に白い糸のようなめしべだけ飛び出し、別の株のおしべの花粉が風で運ばれてきて受粉します。3日ほど遅れて先端に花粉の塊が付いたおしべが飛び出してきます。時間差を付けることで、自家受粉しないようなし仕組みになっています。

ひとつの花穂は、下のほうから順番に開花・結実が進んでいきます。途中、花穂の上のほうはめしべの白色が目立ち、中央はおしべの花粉の塊の色(白や黄緑、紫色)で、下部は受粉して枯れためしべ・おしべの色(オレンジから茶色)、という3色グラデーションが見られます。

オオバコ花穂


ネバネバする実の外皮

地面に平らに広がるように、大きな葉を放射状に伸ばす背丈の低いオオバコ属は、ほぼ踏み跡植物です。みな丈夫な繊維質の葉や茎をしています。

中には、花茎が高く(50cm以上)伸びるオオバコ属もあります。これらは、踏まれる耐性がそんなに強くありません。日本に帰化している外来種「ツボミオオバコ」「ヘラオオバコ」も背が高い種類で、道の真ん中ではなく、他の雑草に交じって路肩などに生えています。

どちらも、結実したタネ(実)は雨などで濡れると表面がネバネバする性質があり、人や動物の足裏や体に付着しやすくなっています。

このネバネバ成分は、腸の内側を覆って下痢や便秘の改善を促したり、肌荒を防止したりする効果があり、西洋でも東洋でも、昔からハーブや生薬として使われてきました。

花言葉の由来

英語の別名

『足跡』
『白人の足跡』
『足跡を残す』

これらは、セイヨウオオバコの別名「White man’s foot(白人の足跡)」からきています。

ヨーロッパ原産のセイヨウオオバコは、開拓者として入植したイギリス人の足にくっついてアメリカ大陸に運ばれました。ネイティブアメリカンの人たちは、開拓者の通った道の跡に生えてきた草を「白人の足跡」と呼びました。

踏まれてこそ

『耐え忍ぶ愛』

これは、どんなに踏まれても枯れずに繁殖する姿から例えられました。

『Dich trifft man überall.(どこでも出会う)』(独)

これも、強い繁殖力で広まった雑草を思わせる花言葉です。

最近、路面の舗装が進んで人が土の上をあまり歩かなくなった都市部では、オオバコもセイヨウオオバコもかなり数が減ってきました。やはり踏んでもらわないとダメのようです。

ちなみに、和名「オオバコ(大葉子)」は、踏まれやすいように大きく広がる形をした葉からきた名称です。そして学名の「Plantago」 は、ラテン語の「planta(足跡、足の裏)」から付けられました。

踏まれないからこそ?

日本では踏まれないタイプの品種にも別に花言葉があります。由来にはいくつか説があります。信憑性の高そうなところを紹介しておきます。

『崇高』

背が高く花穂もまっすぐ長いツボミオオバコは、逆にそのすっくと立つ姿が崇高に見えたようです。

『素直な心』
『惑わせないで』

踏まれずにまっすぐのびのび成長していると、確かに純真で素直な心になりそうです。

花穂が短くおしべが長く飛び出すヘラオオバコは、フワフワした花姿になります。風にゆらめくフワフワは、猫を惑わす猫じゃらしのようにも見えます。

フランスの花言葉

『欺瞞』

これは、

『mensonge(嘘、偽り)』(仏)

を訳した花言葉と思われます。

フランスには虚偽の意味の花言葉が他にもいくつか見られるので、何か理由があると思われます。が、今回の調査では由来まではたどり着けませんでした。

まあ、雑草なので、あんまり歓迎される植物じゃないのは確かですけどね。

オオバコの基本データ

分類: オオバコ科オオバコ属
学名: Plantago asiatica
    プランターゴ・アジアティカ
和名: 大葉子(オオバコ)
別名: 車前草(シャゼンソウ)
    蛙葉(カエルバ、ガエルッパ)
英名: Chinese plantain, Arnoglossa
    Plantain(オオバコ属全般)
開花時期: 5~9月 夏の花
花色: 白緑
草丈: 10~30cm 多年草
生息地: 東アジア全域、シベリア東部
原産地: 日本 

セイヨウオオバコの基本データ

分類: オオバコ科オオバコ属
学名: Plantago major
    プランターゴ・メジャー
和名: 西洋大葉子(セイヨウオオバコ)
別名: White man’s foot(白人の足跡)
英名: Common plantain
Plantain(オオバコ属全般)
開花時期: 5~9月 夏の花
花色: 黄緑、紫
草丈: 10~30cm 多年草
生息地: 世界中
原産地: ヨーロッパ~中央アジア 


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。