「コケモモ」は、ツツジ科スノキ属の常緑低木で、クランベリーに似た真っ赤な酸っぱい果実がたわわに実ります。北半球の寒冷地の森林などに見られる野生の果樹です。
日本でも、北海道から九州までの高山地などに自生しており、昔から野山の幸として、食用やや染料にされていました。
西洋でも、作物として栽培されている例はほとんど見られませんが、北欧では昔から身近な野生種でした。公有地の自生種は果実を自由に採っていいことになっているので、日常的によく食べられてもいます。
初夏には釣鐘状の可愛らしい花が咲きますが、園芸用の流通もあまりない野の花です。
そのためか、西洋ではスノキ属全般的な花言葉はありますが、コケモモだけの花言葉はほとんど見当たりません。一方、品種別に細かく花名や花言葉が付くことが多い日本では、しっかりコケモモの花言葉、ありました。
もくじ
コケモモの花言葉
コケモモ全般の花言葉
『反抗心』
『くじけない』
『裏切り』
『不実』
『不信』
『背信』
『幼い心』
『小さな甘いトキメキ』
コケモモってどんな花?
実はクランベリーそっくり
赤い実の見た目だけでなく、寒冷地の酸性の湿地に低い茂みのように繁殖する点も、酸味が強い果実をジャムやソースにして食べることが多い点も、果実の風味も、クランベリーとよく似ています。英語では
「Mountain cranberry マウンテン・クランベリー」
という俗称で呼ぶこともあります。
クランベリーは、ツル性低木で、10cm程度の高さでツルを延ばしながら茂り広がります。コケモモは、枝葉そのものが伸び広がっていくほふく性の灌木です。地を這うように広がる様子が苔のようなので、和名は「苔桃(コケモモ)」になりました。
ちなみにクランベリーの和名は「蔓苔桃(ツルコケモモ)」です。
花はブルーベリーそっくり
しかし、同時季に開花する花の形は、同じスノキ属でもクランベリーとコケモモは異なります。分類学では、青い実のなるブルーベリーの仲間に近く、花もブルーベリーの方によく似ています。
1,コケモモの花
2,クランベリーの花
3,ブルーベリーの花
花言葉の由来
厳しい環境でも元気な野生種
『反抗心』
『くじけない』
北欧でポピュラーなコケモモは、大変耐寒性の高い自生種です。−40度以下でも耐えられます。また、寒冷地の広葉樹には珍しく、冬も葉を落とさず常緑です。
真冬の寒さに負けずに葉を付け、暖かくなると頭をもたげるように下向きの釣鐘状の花を咲かせ、秋にはたわわに実る姿から、周囲に対抗していくたくましいイメージの花言葉になったものです。
ブルーベリーの花言葉
スノキ属の小さな実がたわわになる果樹は、世界中の寒冷地にありますが、品種別の呼び名の範疇がアンニュイです。
ブルーベリーやクランベリーの名称が、スノキ属全体の代表名のように使われる言語も多いです。他の言語に翻訳する時に、例えばブルーベリーがビルベリーやハックルベリー、クランベリーなど、別の品種に変わって伝わってしまう例もよく見られます。
そのため、花言葉も若干混ぜこぜに伝わっている面もあります。
『裏切り』
『不実』
『不信』
『背信』
この辺の花言葉は、ヨーロッパでのブルーベリーの花言葉
『trahison(裏切り)」(仏)
『aveu de la tromperie(欺瞞の告白)』(仏)
『traicion(裏切り)』(西)
からきている可能性が高いです。
『幼い心』
『小さな甘いトキメキ』
これらは、自然の恵みの宝石のような果実を喜ばしく摘む心情からきた、と解説する情報もありますが、ブルーベリーの花言葉
『幼い恋』
『prayer(祈り)』(英)
の影響かもしれません。
分類: ツツジ科スノキ属
学名: Vaccinium vitis-idaea
ウァッキニウム・ヴィティスイディア
和名: 苔桃(コケモモ)
英名: Cowberry ※ユーラシア大陸種
Lingonberry ※アメリカ大陸種
別名: イワモモ
フレップ ※アイヌ語「赤い実」の意
Mountain cranberry
開花時期: 5~7月 初夏の花
花色: 白、薄ピンク
樹高: 10~40cm 常緑低木
生息地: 北半球の温帯~寒帯地方
原産地: ユーラシア大陸、北アメリカ