ランタナは、もともと中南米原産の熱帯植物です。17世紀頃ヨーロッパに伝わり、色鮮やかでこんもりと固まって花が咲く様子が評判となり、ルネサンス時代の庭園で栽培されるようになりました。
現在は、世界中の熱帯・亜熱帯地方に広く分散し、帰化しています。日本では、沖縄や小笠原諸島での自生が確認されます。熱帯植物ですが、ある程度の耐寒性もあり、とても丈夫で育てやすいので、関東地方くらいまでは、屋外の園芸種としてガーデニングに利用されています。屋内で楽しむ鉢花としては、全国的に流通しています。
小さな花が球状に咲く姿は、ミニミニサイズのアジサイのようです。しっとりしたイメージの紫やピンクのアジサイと違い、熱帯植物らしい暖色系の鮮やかな花色が、夏らしい雰囲気を演出します。花期が長く、秋口まで楽しめる花です。
もくじ
ランタナの花言葉
ランタナ全般の花言葉
『心変わり』
『合意』
『協力』
『厳格』
『確かな計画』
西洋の花言葉
『rigor(厳格)』(英)
ランタナってどんな花?
主な流通種は2種類
日本で見られるのは、大きく分けて、高さ1~2mくらいになる低木の種と、地面を這うように広がるつる性多年草の種の、2グループあります。
1,ランタナ・カマラ
立木性の低木ランタナは、
学名「Lantana camara ランタナ・カマラ」
という品種の仲間です。日本ではランタナというとだいたいこちらが多いです。花言葉の由来のところで述べる花色の変化が特徴です。
2,コバノランタナ
ほふく性のランタナは、和名「コバノラタナ(小葉のランタナ)」と呼ばれています。グラウンド・カバーとして広げていく人もいますが、ハンギングの鉢花として吊るして楽しむ人も多いです。
学名「Lantana montevidensis ランタナ・モンテビデンシス」
という品種の仲間です。
L.カマラより、葉や花がやや小さめですが、花期は同じように長いです。また、花色の変化が、あまり見られず、変化していても、ランタナと比べてわかりづらいです。
侵略的外来種
花は美しく、丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者向きですが、繁殖力が強すぎて、うっかり野生化させると在来種を駆逐する恐れがあります。
日本の冬は寒いので、本州で野生化は滅多にしませんが、東南アジアやオーストラリアでは、グラウンド・カバーに植えられた多年草が繁殖し過ぎて困るケースが続発しています。
世界の侵略的外来種ワースト100にも入っている要注意種です。今後、日本でも温暖化が進んでいくと、野生化しやすくなるので、気を付けないといけませんね。
花壇も放っておくとこんなに繁殖してしまいます。
花言葉の由来
七変化
半球状の花穂は、周りから咲いていきます。日を追うごとに内側に向かって咲き進みます。ランタナの花は時間の経過により、花色がだんだん変化していく特徴があります。全部の小花が咲き揃う頃は、外側と内側で花色が異なる半球になっています。
見る見る花色が変わっていく様子から、
「七変化(シチヘンゲ)」
という和名がついています。さすがに七色には変わりませんが、花穂の外から中に向かって、グラデーションのようにだんだん色が変わっています。
『心変わり』
は、そんな七変化の花色の不安定さを人の恋心に置き換えた表現です。
『厳格』
『確かな計画』
『rigor(厳格)』(英)
は、花色を変えながら、梅雨明けから秋口まで100日以上の長い間、きっちり花を咲かせ続ける堅実さのイメージに由来する花言葉です。
ぎゅっと固まって咲く花
『合意』
『協力』
小花が半球状に集まって咲く姿から、多くの人が集まって協同しているようなイメージにつながったことで生まれた花言葉です。
分類: クマツヅラ科シチヘンゲ属
学名: Lantana ランタナ(属名)
和名: 七変化(シチヘンゲ)(L.カマラ)
木葉のランタナ(コバノランタナ)(L.モンテビデンシス)
英名: Lantana
開花時期: 5~10月 夏~秋の花
花色: 赤、ピンク、白、黄、オレンジ、紫など
樹高: 30~200cm 常緑性多年草または低木
生息地: 世界中の熱帯~亜熱帯地方
原産地: 中南米