世界には、約20万種類の花があるといわれています。その数多ある花の名前の中で、鳥と同じ名がついているのは、わずかにひとつ、ホトトギスだけです。
花びらの斑点模様が、鳥のホトトギスの胸から腹の羽毛の模様に似ていることから、命名されました。
そんなホトトギスの花言葉のイメージは、ズバリ「秘」です。
もくじ
ホトトギスの花言葉
『秘めた意思』
『秘めた恋』
『永遠にあなたのもの』
『永遠の若さ』
ホトトギスってどんな花?
日本生まれの珍しい種
ホトトギスは、世界では東アジアにだけ自生している珍しい花です。現在まで19種が発見されていますが、そのうち10種は日本固有のもので、他の国にはありません。もともとの原産国は日本と見られています。
近代、アジアの植物や文化が欧米にもたくさん紹介されるようになって、ホトトギスの花も海を渡りました。
日本人には、鳥の模様に見えた花は、欧米人には“ガマガエルの背中の模様”に見えたようで「Toad lily」という英名がつけられました。訳すとそのまんま“蛙ユリ”です。あんまりいいイメージで好かれたわけではなさそうですね。
霊鳥のイメージと詫びさびの美意識
一方、鳥のホトトギスは、日本では古くから霊鳥とされています。その鳥に似た花ですから、日本人は初めから気品や格調あるイメージをもって見ていました。
日当たりを好まず、ちょっと隠れた岩場や崖下などにひっそりと自生していることが多く、夏から秋にかけ、とても長い間咲き続けます。その姿が、ひた向きで健気で、凛とした強さを持っているように見えたようです。
それは、「詫びさび」と呼ばれる和の美意識もくすぐり、茶室の一輪挿し飾りなどに好んで使われていました。昔の人は、ホトトギスの花には、秘めたる強いパワーを感じたのかもしれません。
花言葉の由来
明治に入り、花言葉文化が日本に伝わると、ホトトギスには
『秘めた意思』
『秘めた恋』
『永遠にあなたのもの』
『永遠の若さ』
という花言葉があてがわれました。
人の寄り付かないものかげで、黙って強く咲いているホトトギスは、口に出してはいわないけれど、強い思いを胸に秘めてすっくと立っている人の姿に見えたということでしょうか。
「秘めたる思いを胸に・・・」
とくれば、そこはもうロマンチックな想像が掻き立てられるというものです。
声には出さずとも、一心に見守るまなざしは
「私はあなたのものよ、わかっていますね」
というメッセージを訴えている・・・・・
なんて連想が、花言葉を作った人の頭の中を巡ったようです。
恋する気持ちに年齢は関係ありませんし、ホトトギスの霊的パワーは「永遠の若さ」をも導いてくれそうなのですね。
ロマンチックなシーンに上手に花言葉を添えて
愛の告白のアイテム?
ということで、ホトトギスは、大変甘くて熱いロマンスの想像を膨らませてくれる花のようです。
面と向かってはなかなかいえない熱烈な思いを伝えるプレゼントとして、ホトトギスの花束はぴったりだとすすめる花屋さんもいるそうです。
とはいっても、
「花言葉は“永遠にあなたのもの”です」
なんてメッセージを添えてプレゼントすること自体、口に出していうこと並みの勇気と勢いが要りそうな気もしますけど・・・!?
霊鳥のパワーにあやかる
相手に花言葉は伝えずとも、霊験あらたかな霊鳥ホトトギスのハッピーパワーにあやかって、自分自身を勇気づけるおまじないになればいいのかもしれません。
ただし、相手がガマガエル嫌いじゃないかどうかは調べておきましょう。白地に紫のまだら模様が「気持ちわるーい」と思われてしまうと、元も子もなくなってしまいますから(笑)。
花屋さんに相談してみると、他のいろいろなカラフルな花などと合わせて、かわいらしい印象のアレンジメントも作ってくれます。さりげなくホトトギスをあしらった花束や花かごにしてプレゼントするのもいいでしょう。
ホトトギスは秘めたる思いを応援してくれる花です。ぜひ、あなたの一歩前に踏み出す勇気にしてください。
分類: ユリ科ホトトギス属
学名: Tricyrtis トリクリティス(属名)
和名: 杜鵑草(ホトトギス)
別名: 油点草(ユテンソウ)
英名: Toad lily
開花時期: 8~11月 晩夏~初冬の花
花色: 紫、黄、白、ピンクなど
草丈: 30~100cm 多年草
花持ち期間: 3~6日
生息地: 東アジア
原産地: 日本