秋の花の花言葉

菊の花言葉/日本人の象徴の象徴は、歴史と共に育まれた高貴な花

Written by すずき大和

日本の国花って何でしょう?

なんとなく、「菊」だと思っている人、実はたくさんいるそうです。

「菊花の紋章」といえば、皇室の家紋です。

日本の誇る園芸植物である「大菊」は世界にも名高く、

仏教国日本では、仏様(ご先祖様や亡き家族もみんな仏様)に捧げる花でもあります。

菊は、確かに日本人の文化と心を象徴するかのような花ですね。

近代、西洋から新しい文化や習慣がたくさん入ってきた時、花を象徴として扱う文化も伝来しました。明治日本でも列強諸国を習って、国の花を公式に定めたり、園芸家の間で花言葉を決めたりするようになります。

残念ながら、国花に選ばれたのは、ソメイヨシノに代表される「桜」でした。

が、菊は、皇室を表す花であったことから、他の国にない特殊なイメージと花言葉を持つことになりました。



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菊の花言葉

菊全般の花言葉

『高貴』
『高潔』
『高尚』

色別の花言葉

紅花の花言葉

『愛』

白花の花言葉

『真実』

黄花の花言葉

『破れた恋』

種類別の花言葉

スプレー菊の花言葉

『あなたを愛します』

寒菊(冬季咲)の花言葉

『けなげな姿』
『真の強さ』

花言葉の由来

その文化独特の解釈で作られる花言葉

花言葉は、花が持って生まれたものではなく、人間が後から勝手に決めたものです。

西洋文化では、中世の頃から花を何かの象徴に見立てる習慣があり、19世紀に花言葉が大流行します。

花言葉の多くは、見た目の印象や、生体の特徴のイメージに由来しています。

例えばこんな感じ・・・。

  • 華やかで大きな花には大胆で豪華な印象の花言葉
  • 極寒の中で咲く花には、強さや健気さを表す花言葉
  • 香りが強いものは、自己主張の強さに関連するような花言葉

西洋国家の覇権が世界に広がっていく過程で、「花言葉の習慣」も伝来していきました。

言葉や文化が違っても、ビジュアルのイメージは共通する部分が多く、異なる文化圏や国でも同じような花言葉がついていることもたくさんあります。
一方、その国独特の解釈や文化から、独自の花言葉が生まれる場合も少なくありません。

皇室のイメージを象徴する花

日本独特の、菊全般に共通する花言葉として、

『高貴』
『高潔』
『高尚』

があります。

前述のとおり、菊花紋章が皇室のシンボルであることから作られたイメージです。

ネットの記事を検索していると、

“大輪の菊の花の、気高く気品に満ちた姿に由来する”

と書かれているものもあります。

明治時代、確かに当時の身分の高い人が好んだ園芸種は、大輪の立派な高価な品種が多かったと思われます。

が、最初に皇室の紋章を菊花紋に定めた「後鳥羽上皇」の時代(1183~1198年)は、まだ大輪の栽培種はなく、野菊に近い小さな花がたくさん咲く背の低い花が多かったとみられています。上皇が愛した花は、誇り高く立派に咲き誇る花ではなく、どちらかというと、かわいらしく可憐な印象の花だったようです。

後鳥羽上皇がこよなく愛した菊の花

観賞用栽培菊の原産は中国です。日本には奈良から平安時代にかけ、仏教や暦などの文化と共に伝わりました。

当時はまだ珍しかった洗練された栽培菊の品の良さに心魅かれた後鳥羽上皇が、菊の意匠を身辺なものに多用し、更に菊花紋章を定めました。それにより、貴族から庶民まで、広く庭木などの菊の栽培種が知られるようになっていったと見られています。

日本では、最初から菊の花は皇室とセットだったので、菊の花のイメージ自体が高貴なものになったのでしょう。

色別の花言葉は西洋に由来

中国の栽培菊は、18世紀に西洋にも伝わりました。しかし、その時は、あまり欧米人の間に菊は広まりませんでした。

19世紀に、日本の栽培種が輸入されると、多種で華やかだった日本の菊の人気に火が付き、イギリスを中心に、一気に観賞用の菊栽培が広まりました。

切り花として広く日本にも出回っている「スプレー菊」といわれる品種は、西洋で品種改良され、日本に逆輸入されたものです。


スプレー菊


色別、種類別の花言葉は、この時一緒に入ってきた西洋のイメージの花言葉です。

西洋では、種類を問わず赤花は『愛』に例えられることが多く、

白花は『真実』を示唆することが多いです。

黄花:『破れた恋』ですが、黄色は西洋では総じてあまりいいイメージではありません。

一説には、

“最後の晩餐で、キリストを裏切るユダの服が黄色だったから”

ともいわれています。

菊は贈り物には向かない花?

実は、西洋から輸入されたオマケがもうひとつあります。

“葬儀の際に死者に白菊を捧げる”という習慣も、実は近代以降入ってきたものです。

土葬が火葬に切り替わり、棺桶が棺になっていく過程で、日本でも棺の中に白菊を入れるようになり、お仏壇やお墓、お弔い用には菊の花が定番化していきます。

そのため、現在の日本社会では、

「菊の花束は仏様(死者)用」

と思い込んでいる人が多いらしく、

“生きている人に日本の菊(西洋菊はいいらしい)の花束を贈るのはタブー”

というマナー情報が一部で流布されています。

品のある人を称える意味で菊をプレゼントするのは、とてもおしゃれなことだと思いますが、相手がそう思ってくれそうな人かどうか、事前にリサーチするのがよさそうです。


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。