秋の花の花言葉

アキノキリンソウの花言葉/「気を付けて」の心遣いを伝える花

Written by すずき大和


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黄色い花が花茎にたわわに咲く「アキノキリンソウ属」の仲間は、世界中に分布しています。環境に応じて変種しやすく、地域によって独自の原種が見られることが多いです。

和名「アキノキリンソウ(秋の麒麟草、秋の黄輪草)」

と呼ばれる花は、日本の固有種で、昔から身近な秋の花として愛されてきました。

かつては、水田の周辺や池の近くなど、そこら中の水辺に生えていました。しかし、里山の自然の風景が減っていく中、野生のアキノキリンソウもどんどん減っていきました。

今、市街地の道端などで見られるのは、「セイタカアワダチソウ(背高泡立草)」と呼ばれる、繁殖力の強いアメリカ生まれの外来種がほとんどです。

そのせいか、花言葉関連の記事だけでなく、園芸サイトでも、学名や原産地、写真などが、セイタカアワダチソウと混同されて書かれた記述が多々見られます。

西洋では相手を気遣う心を象徴する花とされ、花言葉もそういう意味でつけられています。

しかしこれも、日本語訳をネガティブな意味に捉え、“贈り物に相応しくない”などと紹介している記事があります。



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アキノキリンソウの花言葉

アキノキリンソウ全般の花言葉

『予防』
『用心』
『警戒』
『要注意』
『励まし』

西洋の花言葉

『precaution(予防、用心、警戒)』(英)
『encouragement(励まし)』(英)
『gronderie amicale(優しい小言)』(仏)
『animo(精神、心)』(蘭)
『ermutigung(激励)』(独)

アキノキリンソウってどんな花?

ゴールデンロッド

西洋では、アキノキリンソウ属は多くの言語で

「黄金のロッド(英名:goldenrod)」

と呼ばれています。多年草ですが、1m近くに成長し、多数の小さな黄金色の花を付けることから付いた花名です。

ヨーロッパで繁殖している野生種は、ほとんどか以下の品種の変種です。

学名:Solidago virgaurea ソリダゴ・ヴィルガウリア

ソリダゴ・ヴィルガウリア


実は日本の固有種も、ヴィルガウリアの亜種のひとつです。

Solidago virgaurea var. asiatica ソリダゴ・ヴィルガウリア・アジアティカ

S・ヴィルガウリア・アジアティカ


ヨーロッパの複数の亜種も、日本語ではアキノキリンソウと呼んでいます。アジアティカのほうが丈が低く(80cmくらい)、ヨーロッパのほうが小さい花の種が多いです。

ミヤマアキノキリンソウ

日本の平地では、今はほとんど固有種のアキノキリンソウを見ることはありません。が、高山地方に行くと、草丈15~30cmにしかならない変種を見ることができます。

「ミヤマアキノキリンソウ」

と呼ばれています。これもヴィルガウリアの亜種で、日本の固有種です。

Solidago virgaurea subsp. leiocarpa ソリダコ・ヴィルガウリア・レイオカルパ

ミヤマアキノキリンソウ


セイタカアワダチソウ

北アメリカを中心にした地域で広く繁殖しているのは「カネディアン・ゴールデンロッド」と呼ばれる品種群です。

Solidago canadensis var. scabra ソリダゴ・カネディンシス・ソカブラ

セイタカアワダチソウ


日本にも明治末期に園芸種として持ち込まれ、「セイタカアワダチソウ」の和名がつきました。「泡立草(アワダチソウ)」は、アキノキリンソウの別名です。

草丈2~4mくらいまで成長します。長い茎の先に細長く花が付き、花穂が横向き、下向きになっています。

他のアキノキリンソウ属より繁殖力が飛びぬけて強く、すぐに帰化して繁殖し、ススキなどの在来種が淘汰される事態となりました。今は要注意侵略外来種です。

花言葉の由来

無事と幸せを祈る幸運の贈り物

ヴィルガウリアは、ヨーロッパでは古代から薬草として使われてきました。そこから、“災いを防ぐもの”というイメージがあります。

葉や花に細かい毛が生えており、蜂が蜜を取り過ぎないように花を保護している、という点からも、“precaution(予防措置)”の象徴とされました。この単語は、危機を避けるための手はずをあらかじめ整えておくことを意味します。

「黄金のロッド」という縁起の良さそうな響きも加わり、西洋では新しい何かに向かってスタートする人、挑戦する人たちに贈るメッセージの象徴とされてきました。

花の意味するところは、

  • 注意
  • 警告
  • 励まし
  • 幸運・金運
  • 成功
  • 誠心誠意

などなど、要するに

「気を付けていってらっしゃい」
「準備万端整えて、抜かりなく」
「幸運を祈っています」
「頑張って成功させてね」

という、はなむけの言です。

『precaution(予防、用心、警戒)』(英)
『encouragement(励まし)』(英)
『gronderie amicale(優しい小言)』(仏)
『animo(精神、心)』(蘭)
『ermutigung(激励)』(独)

西洋の花言葉は、みな門出に贈る言葉を意味します。

相手を気遣うメッセージ

『予防』
『用心』
『警戒』
『要注意』
『励まし』

日本の花言葉は、すべて英語の花言葉の訳ですが、

“相手気遣うはなむけのメッセージ”

という意味がどこかへ行って、単語の響きだけが独り歩きしたような解説を時々見かけます。

“相手を「怪しい人」「要注意人物」と指摘するようで、贈り物には不向き”
“嫌いな相手に、喧嘩売る時に贈る花”

みたいなアドバイスが書かれています。

ちょっと残念な勘違いです。

アキノキリンソウの基本データ

分類: キク科アキノキリンソウ属
学名: Solidago virgaurea var. asiatica
    ソリダゴ・ヴィルガウリア・アジアティカ
和名: 秋の麒麟草、秋の黄輪草(アキノキリンソウ)
別名: 泡立草(アワダチソウ)
英名: Goldenrod(アキノキリンソウ属全体の名称)
開花時期: 8~11月 秋の花 
花色: 黄色
草丈: 60~80cm 常緑多年草
花持ち期間: 5~10日
生息地: 北海道から九州、朝鮮半島の一部
原産地: 日本


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。