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エノコログサの花言葉/猫じゃらしは、世界共通じゃないのか?

Written by すずき大和

誰しも子供の頃、一度は手折って遊んだことがありそうな、日本中どこにでもある道場の雑草の代表のようなエノコログサ。細い茎の先端が、コップ洗いブラシのような毛の付いた穂になっていて、犬の尻尾のように見えるので、

イヌっころ草 ⇒ 「エノコログサ(狗尾草)」

の名称がついたといわれています。“狗”は犬を表す漢字です。

猫の目の前で振ると、穂先を夢中でつかもうとじゃれるので、

「ネコジャラシ」

の俗名があります。こっちの名前のほうが知られているかもしれません。

イギリスでは、“狐の尻尾草”という意味の

「Foxtail grass」(英)

などと呼ばれています。

あの毛に覆われた穂のようなものが、花穂です。そして花言葉もあります。



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もくじ

エノコログサの花言葉

エノコログサ全般の花言葉

『遊び』
『愛嬌』

西洋の花言葉

『sporting(遊び)』(英)

エノコログサってどんな花?

日本のエノコログサ

エノコログサの仲間(属名:Setaria セタリア)は、世界中の温帯地域で自生しています。雑草だけでなく、「粟(アワ)」のように穀物として栽培されている品種もあります。

学名:Setaria viridis セタリア・ビリディス

と呼ばれる品種群が、最も代表的なFoxtailです。この品種は粟の原種といわれ、世界各地に物凄く多くの変種があります。

1,エノコログサ

和名の正式名称で「エノコログサ」と呼ばれる品種も、S.ビリディスの変種の一種です。緑色の花穂は比較的短め(5~6cmくらい)で、直立しています。 

エノコログサ


また、同じビリディスの変種仲間として、花穂の色が違うものもいくつか見られます。色名を付けて、「ムラサキエノコロ」「キンエノコログサ」などと呼ばれています。

ムラサキエノコロ

ムラサキエノコロ


キンエノコログサ

キンエノコログサ


2,秋のエノコログサ

学名:Setaria faberi セタリア・ファベリ

と呼ばれる品種も、日本ではよく見られ、一般にエノコログサと呼ばれるのは、このビリティスとファベリの2種です。

花期がビリディスより遅めです。お盆の頃から咲き始めて秋の終わりまで見られるので、和名は「アキノエノコログサ」といいます。夏のエノコログサに比べ、花穂が長く(10cm以上)、先が横向き、下向きに垂れ下がります。

秋のエノコログサ


エノコログサは交配しやすく、夏と秋の2品種の交配種で、花穂の長さや花期が両者の中間くらいの品種も多く見られます。

花言葉の由来

日本の花言葉の由来

『遊び』

の花言葉は、ネコジャラシを使って猫と戯れるところから付いたといわれています。

『愛嬌』

は、ニャーゴーとのどをならして遊んで欲しがる猫の可愛らしさのイメージです。

英語の花言葉はスポーツ?

『sporting(遊び)』(英)

英語の「sport」という単語は、皆さんよくご存じのスポーツのことです。「sporting」を訳すと、「スポーツマンらしい」とか「スポーツ好きな」となる場合が多いのですが、ここではあえて『遊び』と訳されています。「game」や「play」「fun」などと同じ、「sport」には、“戯れる”“遊ぶ”の意味もあるのです。

日本語の花言葉サイトでは、ほぼすべて、『遊び』の由来は、

“ネコジャラシで猫が遊ぶ”

と書いてあります。が、実は、Foxtailをいくら調べても、“猫をじゃらす”道具として使うことに関する記述が見つかりません。日本語のエノコログサを画像検索すると、猫がじゃれている写真も一定程度必ずヒットします。が、英語やフランス語では全く猫とセットの絵は出てきません。

なので、『sporting』の由来も猫なのかどうかは、ちょっと不明です。英語の由来説明文献も見つからず、あいまいです。

スズメノテッポウ

実は、「Foxtail」と呼ばれるのは、エノコログサ属だけてはなく、同じような花穂の雑草全般がそう呼ばれています。ドイツやフランスでは、同じイネ科の「スズメノテッポウ属」と呼ばれる雑草の仲間のほうが一般的です。エノコログサ属より草丈が低いですが、花穂の形はよく似ています。

もともとスズメノテッポウ属の学名「Alopecurus アロペキュラス」が、ギリシャ語の“狐”と“尻尾”を組み合わせた造語です。こちらも世界中で見られる雑草で、日本にもいくつかの品種が根付いています。

スズメノテッポウ


エノコログサより茎が短く、穂もふんわりしていないので、確かに猫と遊ぶにはちょっと向かないかも・・・・。

どちらにせよ穀物のような花穂ですし、もともとあちらには花言葉はなく、日本の『遊び』が訳されて定着した可能性もあります。

西洋の猫はネコジャラシで遊ばれていないのか??

どーしても気になる人は、今度イギリス人に会った時に聞いてみてください。

エノコログサの基本データ

分類: イネ科エノコログサ属
学名: Setaria viridis セタリア・ビリディス
    Setaria faberi セタリア・ファベリ
和名: 狗尾草(エノコログサ)(ビリディス)
    秋の狗尾草(アキノエノコログサ)(ファベリ)
別名: 猫じゃらし
英名: Green bristle grass,Foxtail grass
開花時期: エノコログサ:7~9月 夏の花、
アキノエノコログサ:8~11月 秋の花
花色: 緑、紫、黄色など
草丈: 40~80cm 一年草
原産地: 世界の温帯地方


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。