夏の花の花言葉

クチナシの花言葉/歌は地味でも華やかドレスアップには定番の花

Written by すずき大和

「クチナシ」と聞くと、昭和時代に流行った歌謡曲がすぐ思い浮かぶ世代の皆さんは、

“なんとなく清楚で控え目な「古風な女性像」を連想させる花”

というイメージをお持ちの人が多いようです。

東アジアの暖かい地方原産のクチナシは、日本でも静岡以南の地域に広く自生していました。原種は一重咲きで、根本が筒状の花びらが、先で6つに分かれて大きく開いています。色は白のみで、そのシンプルなたたずまいには、確かに、ちょっと詫びさびを感じます。

18世紀に西洋に伝わると、強く甘い香りと、真っ白な花びらが好まれ、園芸種として広まりました。品種改良された八重咲の種は、バラのようなゴージャス感があり、日本のクチナシとはだいぶ印象が違います。

この八重咲の花が、女性のドレスの胸元を飾る花として人気が高まり、男性が女性をパーティーに誘う時に贈る定番の花になりました。

花言葉は19世紀の西洋で流行し、世界に広まった文化です。欧米人に「ガーデナー」の名でも親しまれる八重咲のクチナシのイメージが、花言葉の由来となっています。



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クチナシの花言葉

『私はとても幸せです』
『喜びを運ぶ』
『洗練』
『優雅』
『清潔』

クチナシってどんな花?

香りで初夏を知らせる花

クチナシの特徴といえば、辺りに漂う強く甘い香りです。

  • 春の沈丁花
  • 秋の金木犀
  • 初夏のクチナシ

この3つは、日本では「三大香木」といわれています。

また、クチナシの英語名は

「ケープ・ジャスミン」

といいます。ジャスミンも強烈な香りの花ですね。

西洋では、長く香水の原料としても定番になっています。「ガーデナー」という名がついていたら、クチナシの香水です。

花期が6~7月と短く、日本ではちょうど梅雨の季節と重なります。断続的に香りが洗い流されやすく、秋の金木犀の時季ほど、「街全体が香りに包まれる」という印象がありませんが、三大香木の中では、もっともロマンチックな甘い香りだといわれています。

東洋では天然着色料食材にもなる生薬

品種改良された八重咲のクチナシは、実をつけません。

原種に近い一重の種は、花が終わると濃いオレンジ色の実が付きます。独特の変わった形の実ですが、パカっとはじけて種が飛んだりはしません。

ずっと実が口を開けないので“口無し”の意味で「クチナシ」の花名になった、という説もあります。説の元となった和歌では、

“山吹の 花色衣 主や誰 問へど答えず くちなしにして”

と歌われました。山吹色のカラに包まれた実がいっこうに割れそうにない様を、問うても答えない人に例えて「くちなしにて」と表現しています。

割れない実を干して乾燥させたものを水につけると、黄色い色が出ます。これは、今でも、たくあんや栗きんとんの色付けなどに使われる、天然着色料です。

この実は「山梔子(さんしし)」と呼ばれる生薬としても有名です。消炎、止血、鎮痛、解熱などに効果があるそうです。これは中国から伝わった名称ですが、クチナシを「梔子」「山梔子」と漢字で書くこともあります。

花言葉の由来

『私はとても幸せです』

これは、英語の花言葉

『I’m too happy』

からきました。

男性からクチナシを贈られた(パーティーに誘われた)女性の気持ちといわれます。

が、贈っているのは男性ですよね。男性から「I’m too happy」を贈るって、

“絶対に断られない自信がある”

場合じゃないと、なかなかの悲劇(喜劇?)になりそうです。

『喜びを運ぶ』

これも英語の花言葉

『transport of joy』

の直訳です。

花束と共に喜びが運ばれてきた、ともいわれるし、

開花の季節に漂ってくる香りが、夏の楽しみを運んできた、という解釈もあります。

『洗練』『優雅』『清潔』

これは日本の花言葉です。

真っ白な花の姿からイメージされた花言葉と思われます。

切り花を贈る時は、タイミングに気を付けて

甘い香りの上、真っ白で清楚な印象の花なので、ウエディングブーケにもよく使われます。

が、実はクチナシの花は、咲いてすぐは純白というくらい真っ白ですが、時間がたつとだんだん黄色っぽくなり、3~4日後には、食べ残したリンゴのような色になって散ってしまいます。物凄く日持ちが短い花です。

ブーケやコサージュにするなら、その日だけ綺麗ならいいので気にしなくてもいいですが、切り花を贈ったり飾ったりするのには、あまり向きません

もともと低木なので、庭木として楽しむのが一番いいようです。屋外で匂っている花だからこそ、渡哲也さんも、

「くちなしの花の 花の香りが 旅路の果てまで付いてくるぅ~」

と、別れた女をうじうじ未練がましく思い続ける男の気持ちを歌っているのです。

あ、そうか、この歌は悲劇の見本だったのか!?(笑)


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筆者情報

すずき大和

花に心があったら、自分の花言葉についてどう思うだろう?と、変なことが気になる変わった子供が、成長してライターやってます。花言葉の由来をヒモ解いていくと、花より人の心が見えてきます。花言葉を添えて花を贈るなんて、日本人にはハードル高い行為ですが、まあとりあえず、のんびりウンチクを楽しんでもらえれば幸いです。